旅立ち
早朝、ベトンは、王豚たちで家を囲ませる。よく見ると豚王たちは家を両手で触っていた。
「よし、その状態で…合図と共に一斉にフェレンツァ・ワールドへ戻るのだ!!」
カウントダウン…3、2、1、0!!
家を囲む豚王達が光の粒子となって消える…何と! 同じように家も消えてしまったのだ。
「ふふっ、どうやら…家も持ち物と認識されたようですな」
ペチカはとんでもないものを見てしまったとばかりに呆然としていた。
「ベトン、ありがとう。それで…」
「わかっております。なるべく…”お二人の力のみで旅をしたい”という事ですな。我々は…呼び出されるまで、フェレンツァ・ワールドで待機しております…た、多分…」
「多分かぁ…。僕の力が、この世界で普通かどうか見極めたいんだ。それまでは、あまり目立ちたくないからね」
「いや…。普通じゃないぞ…。家なんて消せる人間はいない…」と、ペチカが現実に戻ってきた。
そして、出発の時間となる。家が建っていた場所を感慨深く見つめるペチカの手を取った。
「さぁ、ペチカ、行こう!」
「うん!」と笑顔になるペチカ。
「やっぱり、ペチカは笑顔が似合うね。楽しい旅にしたいね!」
ペチカの家は、ルーベシル山脈から見下ろす広大な高原にあった。ペチカは村へのルートではなく、森を抜け街道に出るルートを選択した。
なぜなら…。
「フェレンツァ。この前さ、お金を稼ぐって言ってたけど、何か当てはあるのか?」
「うん? えっと…。狩りをして売る?」
ベトン王国で勉強した内容を思い出しながら答えた。
「まぁ…。間違ってはないな。まずは街を目指そうと思う。そこで…ギルドに入会する」
「ギルド?」
「うん。フェレンツァは、何が得意なのさ? ギルドってのは、何が得意なのかによって、入会するギルドが違うんだ。街に着くまで…ちょっと試させてもらうぞ?」
「うわぁ…、緊張するなぁ…。ペチカは、どんなギルドに入るの?」
「う〜ん。元羊飼いだからな…。【狩猟ギルド】か【武術ギルド】だな」
「ねぇ、テイムは何ギルド?」
「魔物を使役するスキルか…。【狩猟ギルド】? 【魔法ギルド】? う〜ん。わからないな…。でも、テイムの力って使わないとか言ってなかったか?」
「そう言えば…。その他の力か…」




