国王代理のベトン三世
うん…騒がしいな…。なんだろう…。フェレンツァは、生まれてからダンジョンを制覇するまでの10年間。ずっと…暗い世界で生活してきたのである。そして、フェレンツァが意識を取り戻し…最初に見たのは…おっぱいであった。
ぱちくりと目を大きく見開くフェレンツァ。そこには見慣れないものが…。腫れてる? 指でぷにっと押してみた。
パチンっ!? 「この変態っ!?」と、いきなり見きれぬほどの速さで、平手打ちされたのだ。その強力な一撃により、またフェレンツァは、意識を手放してしまった。
「お、お許しください!!」と国王代理のベトン三世が出現すると同時に土下座する。
ま、魔物がっ!? えっ!? しゃべって…土下座!? どーなってるのだ??
国王代理のベトン三世の必死の説得により、フェレンツァの変態疑惑が解消された。
「と言う訳でして、フェレンツァは女性というものを知りません」
「崩壊した世界から…転移してきた…天使様? でも言葉が通じるとか…?」
「いや…。天使様ではなく…人間という種族です。恐らく…ペチカ様と同じかと…。なぜ言葉が同じなのかはわかりませんが…」
「いやいや、それはない。人間には羽など無いからな」
「確かに…フェレンツァ様には羽が有りますが…」
***** ***** ***** ***** *****
次にフェレンツァが目を覚ましたのは、ペチカのベッドの上だった。
「おお、フェレンツァ様。体の…首の具合はどうでしょうか?」
「ベトン? 何故、勝手に表に出ている? 僕が許可するまでは、出ないと約束したじゃないか」
「それは、私から説明するよ」と暖かいスープを手にしたペチカが言った。
そして、「ごめんなさい」と、国王代理のベトン三世に勝るとも劣らない土下座が披露される。
「まぁ、びっくりしたけど、覚えてないんだろ? 気にするな…」
「うん。ありがとう…。おっぱいは触ってはイケない。これ重要…」
「で、フェレンツァは、天使なのか?」
ぶはっ! っと、口に含んだスープを吐き出す。
「き、汚いな…。それに勿体無いことするなっ!」
「ご、ごめん…。でも、何で背中の羽を知ってる??」
「あっ…。えっと…。その…。お前が臭いから、風呂に入れてやったんだ」
く、臭い!? 何か…全てを否定されたような気分になるセリフだ…。
「そうか…臭いのは駄目。絶対に駄目…。あ、ありがとう…もう臭くないかな??」
こんな感じで…少しずつ、この世界の…いや、人間社会を…学んでいくフェレンツァであった。




