王鹿をテイム!!
王鹿が背中を向けると強力な後ろ蹴りが、フェレンツァの顔面を狙う。それを”守護者の指輪”の魔法障壁で防ぐ、そして直ぐに魔法障壁を解除し、うさ角から継承した足技の”前蹴り”で王鹿の体勢を崩す。倒れた王鹿の上に馬乗りになり、王族の短剣をペタリと首筋に付ける。
「どうだ? 大人しく、俺の配下になるか?」
更にプレッシャーを与えるため、王鹿の周囲にオウガァたち王狼を召喚する。
「ヒンッ!」(わ、わかった。降参する…。だが…俺の派閥は、王鹿全体の半分もいないぞ?)
「それでも構わないさ」
フェレンツァは、王鹿の群れのボスを決闘で倒したのだ。ボスの配下には76匹いた。その中で女子供を抜かした数は44匹であった。流石に全員の名前は付けられないので、ボスの名前だけを決める。
・バンデ ベース:鹿、特徴:壁歩き、性格:獰猛、生存率:ノーマル
バンデからは、”壁歩き”を継承した。これは垂直の壁にもペタっと張り付いた状態でいられる。この特徴って…。フェレンツァは気が付いてしまった。階層同士が縦穴で繋がっている場合、この特徴で…チェックポイントを守る強力な魔物と戦わなくて済むんじゃないかと…。しかし勿論、メタフォたちに怒られる。
「ワン!」(戦うのじゃ!!!)っと…。
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バンデを配下にした夜、バンデから報告があった。
「ヒンッ!」(ご主人様、ありがとうございます。ご主人様に仕えることで、安心して暮らせると、配下のものが大喜びです)
「ガォン!」(我が主の中の世界は、魔物同士の殺しも喧嘩もご法度であり、子供を育てるのには最適な空間だからな)
「喜んでもらえて嬉しいよ。無理やり配下になってもらったから…。上手く馴染めるか、心配だったんだ」
「ヒンッ!」(この御恩を返すべく、魔物を統べるべくして立ち上がったフェレンツァ様ために、どのように返せるか王鹿の若い連中が、必死に考えています。)
「まぁ…あまり無理はしないでね」
「ヒンッ!」(身に余るお言葉光栄です!!)
「キュッ!」(さてさて、明日は…。チェックポイントを守る強力な魔物をテイム出来るか試してみましょう!!)
「はいっ!? あれは無理でしょ!? 言葉通じないし!!」
「ガォン!」(どうでしょう? 体力をギリギリまで削った後に交渉してみては?)
「ワン!」(安心するがいい。明日は一人で戦えなどとは言わないぞ! 寧ろ、俺が一人で戦いたい…)
ちょっと前までは、一人で怖くてブルブル震えていたが、今ではこんなに頼もしい仲間がいる。諦めかけていた地上への夢が、何となく現実になるような気がしてきた。
「イミュー、イミュー」(どうしたの? フェレンツァ? お腹痛いの?)




