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最も深き穴 その3

がある…。我の心臓は、そこの死にかけの矮小なる兎に潰されてしまった。もう長くは持たないだろう…。だが悔いはない。いや…そこの兎を、みすみす殺してしまうのは勿体無い。だから…我が命を使い、融合させよ…。それ以外、その兎が助かる見込みはあるまい」


「あ、あなたは…それでいいの?」


「問題ない」


わたしは、メタフォ達を見る。その眼は、うさ角を救ってくれと強く訴えていた。


「うん。あなたの名前を教えて」


「我が名か…。すまぬ、もう忘れてしまった」


「ありがとう。優しき竜よ」


わたしは進化の奇跡を使い、竜とうさ角を融合した。うさ角の頭部から背中にかけて竜の鱗で覆われ、尻尾が竜の様に長くなり、右腕は竜の腕が生えてきた。うっ…。左右別々の腕になってしまった…。それにいつもの光焔角と半妖精の羽。うさ角…。君は一体…。


うさ角の心臓の鼓動が蘇ると、うさ角の目がゆっくりと開く。


「ギュオンッ…」軽く吠えただけなのに魂を揺さぶられた。


「へっ!?」


きっとそういう効果があるんだ程度に考えておこう。


「今日は疲れましたね。うさ角も体力を回復させなければならないし、ダンモフも新芽を使ってしまいました。しばらく…ここで休みましょう」


わたしは奥に光る転移魔法陣をチラリと見ながら言った。恐らく、あそこが”最も深き穴”への入り口なのだろう。それに…いろいろ準備をしなければなりませんからね。


わたしは安全のために、”魔法の箱”の中に魔物を連れて入った。


フカフカの布団の上に、ダンモフとうさ角を寝かせと、臨月を迎えようとしてる大きなお腹を撫でながら、その横に寝転がった。


「この子は、どんな子になるのでしょうか。わたしみたいに…馬鹿じゃなければ良いのですが…。みなさんにお願いがあります。どうか…。この子を助けてあげてくださいね」


そのまま、わたしは寝てしまった。


ダンモフの新芽が復活するまで、わたしはうさ角の変化点を確認したり、”最も深き穴”に入る準備をしたり、その他いろいろと準備で忙しかった。


これもうさ角のおかげだ。ただ我武者羅に”最も深き穴”へ突っ込もうとしていた…わたしにあるヒントを授けてくれたのだから。


***** ***** ***** ***** ***** 


そして全員の準備が整う。


「さぁ、行きましょう…。これが最後の…冒険になるかも知れません…」


わたしは、光り輝く転移魔法陣の上に乗る。すると体の負荷もなく、光苔で明るく照らされた巨大な洞窟に転移させられた。その足元に、転移魔法陣はなかった。


「どうやら、一方通行のようですね」


魔力も威圧も殺気も何も感じないが、確かに背後に誰かいる。振り返ったら殺される。メタフォがフードの中にいるのにも関わらず、そう感じた。最高戦力を持ってしも…手が届かないのか…。


「安心しなさい。振り返っても殺しませんよ。少し…話をしましょう。ベネツィオ」


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