ベネツィオの救出作戦 その3
南大陸が見えた。ラグラシシスは、その沖にある小島に降りる。降りた小島はゴツゴツしていて、島というより大きな岩だった。
「着いたけどさ、一体どうする気なの?」
ラグラシシスには、ベネツィオの考えがさっぱりわからなかった。わからなくても、ベネツィオのために南大陸まで来てしまうぐらい、ベネツィオのことが好きだった。
「それはですね! メタフォビームでドッカン!! です!!」
「何を? ドッカン!! するの?」
「何をって、船ですよ、軍艦です! 軍艦がなければ、北大陸まで攻めて来れませんからね!」
ドヤ顔で説明するベネツィオに、イフレーレが不思議そうな顔で考え込んでいた。
「どうしました? イフレーレ?」
「えっ…。あの…。軍艦って聞いて思ったのですが、北大陸にも、ここに来る途中も、軍艦って一隻も見ませんでしたよね? 何でかなって…」
「確かに…。で、でも…、丁度、南大陸に帰っているかも知れませんし…」
「そうですね。どうします? ラグラシシスに乗って空から船を探しますか? それとも地上から?」
「そうですね。まずは空から軍艦を探しましょう」
ベネツィオの提案通り、ラグラシシスで南大陸の港町の上空を旋回する。地上では米粒のようなサイズの人が何やら大慌てのようだ。竜が来ちゃったもんね。それはそうでしょう!! っと、優越感に浸っているわたしとは対照に、イフレーレはちゃんと軍艦を探していた。
「ベネツィオ! 軍艦が一隻しかありません! どういことでしょう??」
「う〜ん…わからない!! 地上に降りて調査が必要だね!」
わたしたちは港町から離れた場所に降り立った。一応、敵の目を誤魔化すため、ラグラシシスに上空を適当に旋回しながら、海の方へ消えてもらう。
「まずは、港町に行って、調査ですね!」
張り切っているイフレーレの歩幅が自然と広くなる。
「うぅ…イフレーレ…もう少しゆっくり…」
ぐぬぬ…。幼女? 少女? な足の長さなんだもん! イフレーレの足の長さには勝てません!!
港町まで、一日ぐらいの距離だったよね? 草原から街道が見えるが、わたしがアカデミックローブ、イフレーレがグリスタール領地の騎士装備。う〜ん…。目立つかな? どうだろう?
二人で草原の木陰から、街道の通行人の服装を観察する。みんな地味と言うか、ボロボロの服を着ている。わたしたちの恰好では、完全に浮いてしまうだろう。
「あんなボロボロの服は、流石に持っていませんよ?」
「ですよね…。日が暮れるのを待って移動するか、街道を避けて移動するかですね」
わたしたちは、時間の関係から、街道を避けて移動する方を選択した。




