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すみません。テイマリアン・サーガを読みたくて  作者: きっと小春
第六章 解放された絢爛たる開花
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ベネツィオの選択 その2

「何か用って? 酷すぎる…。あんまりだわ。あなたに重要なことを知らせに来たのに」


「重要なこと?」


「そう。あなたは選択しなければならないわ」


神聖国ノ−ブレディッシュ連合軍がイフリアン王国へ3ルートに別れ進軍し数日中に王都を落とすということ。また南大陸の連合軍もイフリアン王国内の町や村を蹂躙し食料などを奪い始めたということ。つまり、わたしが誰を救うか? それを選択肢なければならないということだった。


・東の前線で神聖国ノ−ブレディッシュ連合軍と戦うアルトとスイレンを助ける

・中央の王都でノ−ブレディッシュ連合軍から城を死守するブリタルア王を助ける

・領地アーチザルにある村に帰ったリーナをノ−ブレディッシュ連合軍から守る

・領地イッシュベルにある町をリーゼハル家と共にノ−ブレディッシュ連合軍から守る

・学園でレジスタンスとして戦うウーラとフェルスを南大陸の連合軍から守る

・エレストが婿入りした町を南大陸の連合軍から守る

・アルジェリカがいる村を南大陸の連合軍から守る


聖女アリスはフィプスアローがイフリアン王国から持ち出したベネツィオの資料と現在の戦況を重ね合わせリスト化したのだ。しかし、ここまでする必要性がわたしにはわからなかった。知りたかったけど知りたくなかった。知らなければ助けられないのだが、知ってしまえば全てを助けたくなる。


「そ…そんな…。これが全部、同時に進行している?」


それぞれの場所が馬でも5日から10日離れた距離にある。誰かを同時に救うなんて転移魔法でもなければ不可能だ。


「そうよ、今、ここであなたが悩んでいる時間で誰かが犠牲になるかもしれないわ。でもノ−ブレディッシュと戦うのならば、私はベネツィオをここで倒さなければならないわ。それ以外なら、わたしの魔法で送り届けてあげてもいいわよ? 魔神討伐のお礼としてね」


「領主イッシュベルに港はないわ。南大陸の連合軍が使っている港は、他領の港でしょ?」


「そうだけど? それが何か?」


ならばアルジェリカがいる村は、一度救ってしまえば、次の南大陸の連合軍が襲ってくるまでに、村人が避難するまで多少の時間は稼げるのかもしれない。


「アルジェリカがいる村にお願い…彼女は、戦う力を何一つ持っていないの」


神聖国ノ−ブレディッシュ連合軍と戦う者たちは一部を除いて戦闘経験があり己の意志で戦っているのだろう。南大陸の連合軍と戦う者たちも同じだ。だけどアルジェリカは違う。ただのか弱い女であり、わたしの妹だ。


***** ***** ***** ***** ***** 


村には例の三人組の姿があった。一人は銀色のハーフプレートアーマーを着た女の子。一人は黒いローブを着た魔法使いの老人。一人は上半身裸の巨大な斧を持った戦士。


「気を付けろ! この村にはとんでもねぇ、化物がいる可能性がある!!」


上半身裸の巨大な斧を持った戦士は、連合軍からの命令で、過去に遭遇した化物のような少女を探し出すように言われていた。ったく。村を焼き払っちまったら、交渉の余地は無いだろうにと舌打ちする。正直、あんな化物と関わり合うのはごめんだ。


「ミカズキ姫。こんな村に巨石魔神を4体も投入するのは、過剰戦力では?」


「お前は、あの娘の恐ろしさを知らんのだ。今でもこの目に焼き付いておる。あの忌々しい鋼の魔物が…」


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