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すみません。テイマリアン・サーガを読みたくて  作者: きっと小春
第六章 解放された絢爛たる開花
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ベネツィオの選択 その1

ベネツィオの選択 その1


生き残ったアルベシオン王国の騎士団8名、傭兵団15名と、投降したファースランド帝国・第8師団8名は、比較的大きな建屋の中に移動した。


「アリスはどうして、魔神がいるとわかったの? 魔法とか?」


「ううん、違うわ。魔導帝国ビルシュ・ベルから魔道具を持ち出した話はしたわよね? その調査の中で、このクルーデン戦線で、禁忌級の魔道具が運用されるという情報を掴んだだけよ」


魔道具か…。あの少年が魔道具を使っていたのかな? まぁいい。それに聞きたいことはまだある。


「あの…神聖国ノ−ブレディッシュでは、わたしは…悪魔なんですよね…」


「国の上層部が勝手に言っているだけです。しかし、今では国民にまで浸透していますけどね。だから?」


「だからって…。あのですね。わたしは、あなたたちに拘束される筋合いはありません。わたしには、わたしのするべきことがあるのです!」


「なるほど。フィプスアローの言う通りですね。昔のあなたは権力や法に従順だったと聞いております。それが力を得ると、変わってしまったと」


「はぁ? あのですね。権力や武力で無理やり従わされていただけです! その他にもいろいろ理由はありますが、誰もが自由を求めて当然ではありませんか?」


「違います。人には成すべきこと役割があるのです。あなたは自分勝手すぎるのです」


「まぁ、まぁ、ロリっ子同士、喧嘩はやめろや」


お酒臭い!! この剣士!! わたしはいいけど、剣士が聖女をロリっ子とか…。斬首刑確定級の暴言じゃないの??


「アルベシオン王国・第二騎士団・団長ヨーエルとあろうものが…。仕事を放棄して何をしているのですか!」


「えっ!? この剣士、団長さんなの!?」


酔っぱらいの乱入によりアリストの口喧嘩も終了し、わたしは魔神と呼ばれた少年の様子を見に行ったが、そこでもまたアリスと鉢合わせしてしまった。アリスに促されるように少年の拘束されている部屋に入ると、少年の姿はなく代わりに小さな魔道具があった。アリスの説明によると、この魔道具こそが少年の本体であり、今は魔導石がないため機能を停止しているのだという。


なんだか虚しくなったわたしは、即席の野営地を出ることに決めた。堂々と真正面から出ると、意外と誰も気が付かない。あんな恐ろしい殺戮兵器を作り戦争に投入するなんて、あまりにも馬鹿げている。もう勝手に殺し合いでも何でもしていればいいとわたしは思った。魔導帝国ビルシュ・ベル滅んで正解だよね。


***** ***** ***** ***** ***** 


わたしはイフリアン王国に入るまで、なるべく他人と関わらないように慎重に行動した。ほら見たことか! 何のトラブルにも遭遇しなかったよ? 人と関わると、なぜかとんでもないトラブルに巻き込まれるんだもん。


「わたしの考えに間違いがなかったことが証明されたのです!」思わず声に出してしまった。


「ふふっ。ベネツィオって、本当に見てて飽きないわね」


げっ…。この声は…しかも…いつも背後を完全に取るとか…暗殺者かよ…。


「ひ、久しぶりだね。アリス? 何か用ですか?」震える声で恐る恐る尋ねてみた。


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