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すみません。テイマリアン・サーガを読みたくて  作者: きっと小春
第六章 解放された絢爛たる開花
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クルーデン戦線 その7

しかし…聖女アリスさん…ショートソードによる攻撃しかしてませんが?? 大丈夫かな?? 魔法使い相手に距離を取るのは命取りだから、懐に入るその戦い方は間違っていないのだけれど。


「氷衣」


少年はアリスの接近戦を嫌がり守りを固め始める。う〜ん…マグマでさえ凍らせる冷気なのにアリスさん半端ないな。


「おい、ロリっ子。何してやがる? 帰ったんじゃねーのか!?」


怪しげな戦いを繰り広げているわたし達を無視できないのだろう。うん? そうだ!!


「数体の巨石魔神で、あの少年をぶっ潰してください。あの少年、本物の魔神らしいです。ほら、聖女アリスも戦っているでしょ?」


剣士は聖女アリスを見て驚く。すぐにわたしの指示通り巨石魔神を数体連れてきてくれた。


しかし少年は複数の巨石魔神が近づいてくるのを見ると、周囲の重力をコントロールし、巨石魔神の進行を止める。それは、つまり…わたしたちにも適用されるということ! つ、潰れる…。背中に大岩でもおぶっている感覚だ。


聖女アリスも重力に捕らわれてしまった…。不味い、こいつ強すぎる!!


わたしも後先考えていられない情況だ。強力な手札を切る!! 創造の女神は人間の手に負えないような魔物や災害から救うために眷属を、この世に誕生させた! つまり、使いどころは…今しかないでしょ!!


「闇の眷属、灰の眷属よ、あの魔神を滅ぼせ!!」


もやっとした何かと灰が少年を包む。氷衣は剥がされ、鼻や口から闇と灰を吸い込む。2つも同時に眷属の力を使ってしまった。★の代償を支払うのが面倒だなぁ…と勝利を確信していたのだが、少年は2体の眷属の力を押し返し始める。


まじか!! しかし押し返すことに全力を注ぐ少年には、重力をコントロールする余力はなく、聖女アリスがショートソードを首筋に突き刺し、巨石魔神が次々と重い拳を少年に叩き込んだ。


巨石魔神は少年への攻撃を停止したが、わたしには直感でわかる。それでも少年は死んでいない!! それを証明するかのように、少年の体から氷の鎖が伸び、巨石魔神はぐるぐる巻きにされ、人間たちは敵味方構わず突き刺されていた。


「くっ…。撤退だ! 撤退しろ!!」聖女アリスが叫ぶ!


わたしはたちは素直に従い、全力で走る!! 敵も味方も関係なく!! だって本能が逃げろと警鐘を鳴らしているのだから!!


わたしたちを追うように氷の鎖が迫る! 1人も逃がす気など無いようだ。わたしの後ろを走る騎士たちが氷の鎖に絡め取られ助けを求めるが、決して振り返ってはいけない!! ごめん!! わたしは支援魔法の早さ向上をかけ、さらに加速する!!


約2kmを全力疾走で駆け抜けると、氷の鎖の範囲外となった。逃げられたのは、敵味方合わせて31名ほどだ。あの化物を放って置くわけにも行かない。少年が何をしたいのか知らないけど、それが完成する前に倒してやる!!


「メタフォ!! メタフォビームよ!!」 「ワン!!!」


いつものように「ワオォォォン!!!」と叫ぶ。尻尾が変形してできた小さな反射板から、放たれた太陽のエネルギーは、次の中型のレンズを通ると、何倍もの熱量を持ったエネルギーに変換された。そして最後の大型レンズを潜ったエネルギーは、少年に直撃する…。



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