クルーデン戦線 その3
右肩に入れた亀裂を狙い短剣を振り下ろすと、スパッという軽い手応えと共に、巨大な右腕が地面に落ちた。わたしは剣士を担いで、巨石魔神の射程外に移動する。
「ふっ、二度もロリっ子に助けられちまった…」
「騎士団長!! 今、ヒールを!!」と魔道士の格好をした若者が駆け寄ってくる。
あのコンボなら…この短剣でも巨石魔神を斬れるのか…。
「おい、ロリっ子。もしかして、お前が…あの石ころを灰にした魔法を使ったのか?」
ギクッ! ど、どうしよう…。
「そうか、お前か…。また、あれ使えねーか?」
はいっ!? わ、わたしが使ったこと確定???
「えっと…。次、いつ…使えるか不明です…」
「そうか…。石ころの核さえ狙えれば…一撃なんだが…」
「核ですか? どこにあるのですか?」
「魔導石のさらに奥だ。だが石ころのくせに腕だけは素早い、懐に入ることすらできねぇ」
「なら…わたしが腕をどうにかします。こう見えても、防御だけなら大得意ですから!」
「隊長!! こっちヘルプです!!」その声に剣士とわたしは立ち上がる。
「メタフォ! 魔導石を打ち砕いて下さい!」
メタフォが魔導石を打ち砕くと、迷わず巨石魔神の懐に入る。飛んで火にいる夏の虫とばかりに、ひねり潰そうと巨大な拳が降り注ぐ。周囲の悲鳴と絶叫を他所に、やさしくタッチすると、拳の軌道を変え、難なく回避する。
「な、なんじゃ…ありゃ?」
「今です! そして支援魔法・筋力強化!」
筋力強化された剣士は、わたしの合図と共に、グラついている巨石魔神の胸に巨大な剣を突き刺す。
パン! という音と共に光り、弾ける巨石魔神。そしてドロップアイテムが床に散らばった。
「「「「「うおぉぉぉぉっ!!!」」」」」と歓声が上がる。
その後も、同じパターンで、5体の巨石魔神を倒す。
「隊長!! 本隊が、本隊が合流しました!!」
どうやら火の海になった町を見かねて、数十名だけが偵察を兼ねて先行したらしい。
アルベシオン王国の騎士団120、傭兵団250が合流するみたい。
「敵本陣は、国境を超えた東側にあります。巨石魔神は遠隔操作によるもので間違いないです」
「斥候による情報では、ファースランド帝国・第8師団と思われます」
次々と入る情報。わたしは…このまま参加するのか? イフリアン王国を目指すのか?




