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すみません。テイマリアン・サーガを読みたくて  作者: きっと小春
第六章 解放された絢爛たる開花
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クルーデン戦線 その1

6時間後、アルベシオン王国の東の町ヘルヒベンに列車が到着する。日が沈みすっかりと夜の闇に包まれた駅に急ぎ足で駆け去る男性の姿があった。ベネツィオの隣りに座っていた男だ。鬱陶しいので解放したのだ。男は大喜びで列車を下車していった。


ベネツィオは駅のトイレに行った後、売店で新聞を買い、トランクケースからサンドイッチと牛乳を取り出すと、モグモグと夕食を食べながら、新聞を読む。


見出しには、”開戦! 南大陸の連合軍と神聖国ノ−ブレディッシュ連合軍”とか”ファースランド帝国の戦線が西と東に拡大!”などと、目も当てられない情況になっていた。


本当に馬鹿な奴等だな…。夕飯を食べ終わるとすることがない…。昼間に寝たのは失敗だったか! 窓の外の風景も真っ暗で何も見えない!!


えっと、次の駅が8時間後に国境の町クルーデンで終点か。うん? 夜中の3時に着くのか? どうしよう…宿屋とか開いているのかな? まぁ、わたしだけじゃないもんね。きっと大丈夫だろう。


***** ***** ***** ***** ***** 


山脈をグルッと回り込むように作れた線路の先には、国境の町クルーデンがあるのだが、列車は終着駅に着く前に、緊急停止する。


寝ていたわたしは、けたたましい列車のブレーキ音で目を覚ます。


回り込んだ先には、まるで夕日のように真っ赤に燃え上がる国境の町クルーデンがあった。丁度、ベネツィオのいた車両は見やすい位置にあり、車内全員が呆然としていた。


しかし車内にいた傭兵たちは、列車を乗っ取ると、約5km先の戦線へ列車を走らせる。


はぁ…。困りましたね…。列車から飛び降りるにしても、真っ暗なので危険だし…。傭兵を皆殺しにしても、ファースランド帝国の回し者扱いだろうし…。


そんなことを考えていると、あっという間に終着駅まで1,000mを切る。が、列車が脱線し、車両が引っくり反る。ダンモフのクッションにより、体を打ったり、車両から放り出されることはなかったけど、もう無茶苦茶だな…。


どうやら、対面席に座っていた親子もダンモフが助けたみたいだ。短剣で列車の屋根を斬り裂き外に出る。親子を救出したあと、列車の前方を見ると愕然とした。


高さ70m級の巨大なゴーレム。三日月の砂浜で出逢った巨石魔神が数十体と立ち塞がっていたのだ。


あんなの…短剣でどうにかなるもんじゃない! 巨石魔神の胸にある魔導石が怪しげな光を放つ。


嫌な予感しかしない…。「光の魔法・光障壁!!」目の前に光の壁を作り出す…対魔法用のシールドだ。これで防げてくれよ! 巨石魔神から放たれた破壊光線? は、列車諸共…車内で倒れている傭兵毎、殺戮していく。


光障壁は破壊光線を見事防ぎ切るのだが、ここにいては不味い。だが逃げ道は列車で来た道以外はない。「走るよ!!」まずは女の子に支援魔法の早さ向上をかける。


ベネツィオは葛藤する。逃げれるのならば、逃げたほうが良いのだ。わざわざ、無理して戦う必要はないと。


手を繋いで走るベネツィオたちを狙うように、背後から次々と破壊光線が降り注ぐ。くそっ! これだけ多いと、光の障壁の再使用時間が全然間に合わない!!


不意に、繋いだ手が軽くなる…。えっ!? しっかりと繋いでいるけど?? 繋いだ手の先に…腕から先の女の子の体がなかった…。


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