命の眷属 前編
ベネツィオの体は腐っていく。人が生きる上で細胞の生まれ変わりは必須なのだが、強力な魔力を近距離で浴びてしまったために、その機能が停止してしまったのだ。
「ありぃがと。もういぃ、素直 死を受けぃれぅよ」正直体の筋力も、顔の筋肉も腐りかけて話し難いのだ。
「自暴自棄ってやつか?」ちょっと背が高い悪魔。髪は、烏の濡れ羽色で、腰まで伸びていた。全裸で氷のように白く体温を感じさせない。この子は灰の眷属。
「だ、駄目よ! し、死んだら、★返して、も、もらえないじゃない!」光の妖精は、全体的に黄色なのだが、発光していて顔の輪郭とかわかりづらい。この子は光の眷属。
「オマエ、シヌ、ダメ。ユルサナイ」怪しげな波動の渦も怒っている。この子は渦の眷属。
「全くです。何のために、あなたに力を貸していると思っているのですか?」完全な闇が話しかけてくる。この子は闇の眷属。
わたしを無視して、4人? は、部屋の隅に移動すると、協議を始めた…らしい?
話し合いが終わると、4人? がわたしのベッドと取り囲む。嫌な予感がするけど、もう好きにして、あと1日ぐらいで死ぬかな…わたし…心音も弱くなってきてるし。
パジャマを脱がされたと思うと、スパッ! と、灰の眷属がわたしの腹部を切断する。い、痛いじゃない!!!
闇の眷属が内臓をモヤモヤした手? で鷲掴みにすると、「うーん、ほとんどの内臓がダメですね」とブチブチと内蔵を抜き出し、どこにあったか知らないが、バケツに捨てる。
「は、はやく、し、してね! わ、私、回復魔法、と、得意じゃないから!!」光の眷属が叫ぶ。
渦の眷属が、空中の渦から、新しい内臓を…わたしの体の中にぶち込んでくる。
「よっし、こんなもんか? おい、お前、今日から、マジモンの眷属にしてやるからな! 俺達が直接、眷属にしてやるんだ。マジ、ありがたいと思えよ! そんじょそこらの眷属とは格が違うぜ?」
「嫌! やべて!! そんだのなでぃだくない!!」
体が粒子化する…ふわーっと、気持ちよく天に上る気分だ。気持ちいい…このまま死にたい…。
<ふふっ。ベネツィオは、そんなに死が怖いの?>
怖くありません! だから死にたいと言えるのです。
<あらら、ムキにならないで、素直に怖いと言えば良いじゃない?>
ぐぬぬ…。怖いです。怖くてたまらないから…もう恐怖を感じたくないから…死にたいです。
<そうね。あなたにピッタリな眷属を思いついたわ>
変なのは嫌ですよ…。
<今までの眷属は、眷属たちから力を借りていただけ…。今度はあなたが眷属そのものになるの>
うう…だから…人間じゃなくなるなら…死んだほうが…。
<もう遅いわ。さて、眷属の練習をしてみましょう!!>




