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自惚れ

「馬鹿言っちゃいけねぇ。最弱なうさぎが、海猿を倒せるわけがねぇ」と憤る店主。


「まぁ、何て言われようが、事実だからねぇ」とお婆ちゃん。


結局、素材は銀貨2枚と銅貨47枚で買い取られた。


店を出るとお婆ちゃんに疑問をぶつける。「ねぇ、海猿って強いの?」


「あぁ、ここいらの平地で出る魔物の中では強い方だね。そうだねぇ、戦闘経験のある兵士並かね?」


えっ!? そんなのを最初の訓練用に選んだの? 何考えてるの? このお婆ちゃん…。そりゃ…お腹ぱっくりと切り裂かれるわけだよ…。嫌なことを思い出して、お腹を擦る。


その後複雑な気分で、食料の買い出しなどをしていると、村の入り口の方が騒がしくなる。


「ぐわははっ! どけぇ!! 殺されてぇのかぁ!?」と一目で村の住民じゃないと判る格好をした集団が木の柵や扉を壊して入ってくる。村の守衛さんが近づくと、いきなり斬り伏せたのだ。


「ありゃ…盗賊だね…。町の方から逃げてきたのかね?」と冷静に言った。


「おい、そこのじじぃ、村長を呼んでこい!! 他の奴らは動くんじゃねーぞ。ぐわははっ!」


わたしは買い出しの荷物を地面に置くと、ローブの中の短剣を確かめる。


「馬鹿タレ、大人しくしてなさい。強いだけじゃ、生きていけないんだよ」とお婆ちゃんに叱られる。


どういう意味だろう? 頭を使えってこと? ”頭:洞察力がある”を発揮させなければ駄目なのかと、盗賊たちを冷静に見る。相手は、14人。乗っているのが馬ってやつかな? 魔物を従えていない。全員が腰に剣をぶら下げている。結構長い剣だね。筋肉があり贅肉は少ない。馬鹿を装っているけど、しっかりと周囲を観察している。


「おい、そこの黒いローブのガキ、目つきが気に入らねぇな?」と盗賊の一人に目を付けられてしまった。


そのとき少し頭部がハゲかけた中年太りの村長バルベルデが近づきながら言った。


「このガキは、村の嫌われものです。相手にするだけ時間の無駄でしょう。申し遅れました、私が村長のバルベルデでございます。この度はどのようなご用件でしょうか?」


あの村長バルベルデが、わたしをかばってくれた?? 「馬鹿タレ、大人しくしていろと言っただろ?」とお婆ちゃんに拳骨を喰らう。


「ヒッテ、男のガキは、まったく役に立たねぇ。後にしろ。それよりも村長、お前に用がある。ありったけの金を用意しろ。それと酒と食料と寝床だ。逆らわなければ、命は保証してやろう」


村長バルベルデと交渉しているのが、盗賊の首領か…。確かに一番強そうだな。


「ふざけんな!! 言うことを聞いたところで、金も食料も女も盗られたら、この村はお終いだ!!」と様子を見ていた村人たちが、武器を片手に魔物たちを引き連れて家から出てきた。


「ほう? 魔物の村か…厄介だな」と盗賊の首領は、近くにいた若い娘の髪を引っ張り自分の前に立たせると、剣を首に当てた。


「威勢が良いのはわかった。だが、剣を降ろさなければ、こいつが死ぬぞ?」


盗賊は戦いもしないのか…。ハッとする。お婆ちゃんが言っていたのはこういうことなの?


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