ブラックカードの世界 その14
「アルト、すまないが時計がないため正確な時間は言えないが、数時間後には出発したい。食料には余裕があるが、無限ではないのでね」魔法・魔導コースの筆頭レオパルドが伝える。
「あぁ、問題ない。よろしく頼む」
アルトはスイレンの死体のそばから離れようとしなかった。いつからスイレンに恋をしていたのか、思い出してみた。あぁ、あのときかな。初めての練習試合で引き分けになったあのときだ。それ以来ずっと一緒だったもんな。いつまでも続くと勘違いしちまったぜ。何のアクションもしなかったから、きっと気が付いていないだろうな…。一言で良い、好きと言えたら良かったのに。俺、小さいな…。
フェルスが黙って俺の隣りに座った。まったく、こいつも恋ってもんをわかってねーな。俺とスイレンの時間を邪魔するなっつーの。
「恋愛の大先輩からのアドバイスだ。俺みたいになる前に、ウーラに告った方がいいぞ。貴族だの、王宮魔法使いだの、立場だの…と、下らないこと考えても意味がない」
「なななな、何を言っているんだ、アルト!! お、俺が…ウ、ウーラを…」
「私がどうしたって? フェルス? 私はフェルスのことを…あ、愛してるぞ…」
「「はっ!?」」アルトとフェルスは驚く。
「何だよ、奴隷じゃ…。流石に嫌か? ベネツィオの奴隷なんだけどな…」ウーラは後ろ手に組み、何もない床を蹴ってみせた。
「おいおい、イチャイチャは、向うで二人だけで頼むぞ、俺は、もう少しスイレンと話したい」
しっしっと、フェルスとウーラをおいやる。
スイレンの呼吸、スイレンの仕草、スイレンの声、スイレンの笑顔…。床の血も固まり始めたみたいだ。冷たいスイレンの手を握り、どうか…天国で幸せになってくれ…いや、できるなら、俺が行くまで待っててくれと、祈るのであった。
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”さぁ、そろそろ、死んでいった仲間への祈りも済んだかな? 生きているって素晴らしいね!! ははっ!! 次もシンプルで簡単なゲームさ。100階へ到達するだけ!! でも…先着☓☓☓名だけ!! ははっ! 聞こえなかったかな? でも、それはお楽しみってことで…。あっと忘れてた。勿論、99階までのダンジョンはパーッと消えちゃうからね!! 今度こそ、バイバイ!!”
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出発の30分前、リーナが目覚める。アルトが情況を説明すると、リーナの顔が青ざめた。
「ベネツィオとスイレンが…」
(おっ! リーナ!! やっと声が聞こえた!! 早く、呼んでみてよ!!)
「えっ!? ベネツィオ!! 生きてるの??」
(説明はあと、早く!!)
「光の魔法・個別召喚!! ベネツィオをここに!!」
何もない空間から、ベネツィオが現れた。
「久しぶり!! リーナ!! ぎゅって、しちゃうぞ!!」




