ブラックカードの世界 その11
カードの世界に入って31日が経過していた。ベネツィオは46階で王宮魔法使いフィプスアローから、ある魔法ついて習得を指示されていたのだが…。
もう、大体さ、眷属の魔法って、閃きと思い入れが、たまたま覚えている属性の魔法(眷属バージョン)と、いい感じになって、頭に浮かぶじゃない?
(まー、何となくだよね。指定されても、覚えられるものじゃないよねー)
もう6日間も、46階のこの場所で、魔法の習得のみをしていたので、イライラしてきて、リーナに愚痴っていたのである。
(でも、それが習得できたら、みんな助かるかもねー)
うっ…。そうだけど…。で、でもさ、べ、別に、わ、わたしじゃなくてもいいんだよ? リーナでも!
(あっ!? ご、ごめん、魔物だぁ…、そ、それじゃ…)
ちょ、ちょっと! リーナ!! 本当に魔物なの???
うん? 足音が聞こえる? 魔物じゃないな…。うわっ…、に、逃げよう!!! リーナとの会話に夢中になっていてのだ。メタフォたちも弱い人間などに反応しないのだ。
しかし、遅かった。
「待てよ。うん? 女?」ニヤリと薄気味悪く笑う他領の生徒たち。
「おい。待て待て。こんな場所に女一人なんて、おかしいだろ。こいつ…もしかして、強いんじゃねーのか?」
「おっ、当たりです!! なので、とっとと、あっち言って下さい」床に座ったまま、他領の生徒たちを一瞥もせずに言った。
「あー、駄目だ、俺。女に舐められたままじゃ、夜も眠れねーぜ!!」といきなり剣を振り下ろしてきたが、うさ角が剣を弾き飛ばす。
「と言う訳ですから、どうぞ、お先に」
他領の生徒たちに動揺が走る。本当に強いんじゃないかと…。
「こ、こいつ!! お、俺を置き去りにした女だ!! ぜ、絶対、許さねぇ!!」
うん? 置き去り? はて? 誰だっけ?
「あぁ、地下2階にいた。仲間を見捨てた人ですか、よかったですね。生きてて」しまった!つい煽ってしまった。わたしの馬鹿、すっごい馬鹿!!!
「これだけの人数がいれば、負けやしねぇ。この女、犯しちまおうぜ!!」
心のスキル、命の達観と無常の諦念が発動する。瞳の光がすーっと消え、殺意に満ち溢れる。
「最後の警告だ。今すぐに踵を返し立ち去れ。こちらに一歩でも近づいたらば、敵意があるものとして殺す。ちなみに、この奥は行き止まりだ。行く必要もない」
「お、おい…。悪かったよ、た、立ち去れば、命は…こ、殺さないでくれるのか?」
「うん…」




