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すみません。テイマリアン・サーガを読みたくて  作者: きっと小春
第四章 植え替えられた魅惑の少女
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手繰り寄せられた未来 その4

ベネツィオにハンカチが差し出された。ベネツィオが落ち着くのを待ってミラージェルは説明する。


「あなたは”命の達観”、”無常の諦念”という2つの心をコントロールしてしまうスキルを保有しています。この2つがあると、あなたの本音が聞けませんので一時的に封印しました。そして…敢えて酷い罰を3つ提示しました。心、精神、肉体、魔物であり仲間を償いの対処としたとき、あなたがどのような反応を示すか…見させてもらいました」


ベネツィオはきょとんとした顔でミラージェルの説明を聞いていた。


「さて、あなたが取れる選択肢は、次の6つです」


渡された紙に目を通す。

 1つ、我が子ガイゼリスの妻となること

 2つ、王宮魔法使いの側近になること

 3つ、人をやめ眷属として生きること

 4つ、眷属狩りである”ハンター”になること

 5つ、実験体になり国に尽くすこと

 6つ、処分されること


「1つ目、2つ目は、見ての通りです。眷属について少し説明します。ベネツィオ、お前は4つの眷属から力を借りているから、眷属を見たことがあるはず。極秘ですが、王家には、その眷属との契約により王家の血を引くものを眷属に生まれ変わらせることができる。そしてハンターとは、その眷属を狙う者たちのことを言う。だが人間では眷属を殺せぬ。ならばハンターは如何にして眷属を殺すか? 眷属持ちになり眷属の力を使い、眷属を滅するのだ。残りの選択肢は、頼むから選ばないで欲しい」


ベネツィオは覚悟を決めて話す。


「回答の前にどうしてもお聞きしたいことがあります」


「なんでしょうか?」


「わたしの資料を読んだとおっしゃいました。そこでお聞きしたいのです。わたしは…どこかで選択肢を間違えたのでしょうか?」


ミラージェルはしばらく考えたあと口を開いた。


「そうですね…。極小さい選択肢、あなたが選択可能な選択肢において、知識が足らないことが多い中で選択していますね。それが積もり積もって大きな不幸を招いているのは事実です。ですが、大きい選択肢は選択肢でなく強制ですね。あなたはよく頑張ったと思います。ベネツィオ、あなたは…もう選択してしまっているのですね?」


「はい。お願いがございます。3体の魔物を…”十字路の鍾乳洞”で解放して頂けませんか?」


「わかりました。では、あなたが、選んだのは6つ目ですか?」


「いえ、5つ目です。わたしの体はどうなるかわかりません。痛く苦しいでしょう。ですがシルシニル殺しの罪を償わなければなりません。わたしが実験体になったと聞けば、多少は…セニシアルの気も晴れるでしょう。そうなればイッシュベル領地との確執も和らぐかと。それに…迷惑ばかりの人生で少しは何かの役に立ちたいのです」


ミラージェルは涙する。それは近衛騎士、従者、メイドたちに衝撃をもたらした。氷の女王に人の心が? と…。隠れていたブリタルア王、王国騎士団・第一部隊隊長ジェフレイジ、王宮魔法使いフィプスアローも驚く。


「ベネツィオ、残念ですが、あなたは数奇な運命にこれからも立ち向かわなければなりません。聞いての通りです。ベネツィオの心は純真そのものです」


その言葉を聞き、ブリタルア、ジェフレイジ、フィプスアローが入室してきた。


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