剣士になれるかも?
「よくやったね。まさか4体とはね」
「はいっ!」褒めて褒めてもっと褒めて!!
「魔物たちの力のおかげということを忘れるんじゃないよ? それに魔物も懸命に生きているんだ。どんどん狩れば良いというものでもないよ?」
あう…。小言が始まった…。
わたしの頭をガシガシと撫でると、「まさか今日、課題をクリアするなんて…」とぼやくおばあちゃん。
「明日からは、狩って良いのは海猿3体までだ。ただ討伐するだけじゃなくて、いろいろ工夫して見るんだよ。午後は、メタフォと剣の修行だ。いいね?」と睨まれる…。えっ!? わたし…何か悪いことした??
「は、はひっ!!」と焦る私の横で、「ワン!!」とメタフォが鳴いた…。
「えっ!? メタフォ…、ワ、ワンって言った?」狐ならコンじゃないの??
ぷいっと、メタフォは、視線をずらして寝てしまった。
数日、その課題を繰り返していると、前日の午後、メタフォに叩き込まれた剣術を、次の午前に海猿相手に、試してみるというローテーションが出来上がる。
しかしメタフォの尻尾って剣なんだね。しかもメタフォは、教え方が上手なの。防御を教えるときは、実際に剣を構えて、駄目なところを集中して攻撃してくる。その繰り返しが、いつの間にか、そこそこの剣士なみの技量を与えてくれたのです。攻撃は逆に、隙をわざと作り、そこに攻撃させるように仕向けてくるのです。
ダンモフの盾も、だんだんと出番が無くなってきました。今日はお婆ちゃんが見に来ています。「一応、保険として、ダンモフは着けたまま。できるなら、うさ角とダンモフの力を借りずに、一人だけで、海猿を倒してごらん。あと、万一のため、メタフォ、お前も近くにいるんだよ」
「ワン!!」とメタフォは元気よく返事をする…。なぜ…お婆ちゃんに忠誠を誓っているの?
幼女の肉体では、海猿の攻撃を力で防ぐのは無理がある。メタフォには流す技術を叩き込まれていた。海猿の力任せの斬撃を優しく受け流すと、そのまま海猿の右腕を切り落とす。
「ガギャ!!」と叫ぶ海猿の空いた胸に短剣を突き刺す。海猿は崩れ落ち珊瑚のかけらと銅貨になる。
「お見事だね。よくやったよ、メタフォ」
はひぃ? メ、メタフォ?? なぜ、そっちを褒める? 「ワン!!」と尻尾をフリフリしている。
慰めるようにうさ角が足首にスリスリしてくる。「あ、ありがとう…優しいなうさ角は…」
「よし、今日はここまでだ。明日からも、がんばるように」
夕食の支度を手伝っていると、思い出したかのように、お婆ちゃんが言った。
「そうそう知ってると思うけど、稀に魔物を倒した後、魔法を取得できる可能性がある。でもね、慎重に選ぶんだよ? 今は無理に魔法を取得しなくてもいいからね」
魔法は、魔物を討伐したときに、その魔物の個性を取得する感じで覚えられる。一度、覚えた魔法は消すことが出来ないので、慎重に選ぶことが重要だと前に教えられていた。
「うん。わかったよ」




