スイレンの恐怖
「単に魔法を発動させるだけならば、学園に来る必要はない。少し魔法が使える人に教えてもらえば発動は可能だ。発動までの仕組みや理論、その魔法の有効な使い方、実例、実験方法など、先人たちの知恵と工夫を学ぶために学園はあるのだろう。事実、あなたたちも体験として理解してきているのではないだろうか?」教師のアルプレは教科書を読む。
うん、その通りだと思う。例えば、効率的な魔法の発動を理解して上で、使ってみると、質、量、範囲、再利用可能時間などに影響してくるのだから。
こんな感じで魔法の授業はすごく楽しかった。反面、高官の授業は気分が悪くなるものが多い。まずは歴史的な時代背景を知り、そのとき発生した事例を紐解いていく。人間関係、その他、影響した要素(季節、病気、地理)などを考慮して、どのような罠があり、どのような結果になったのか、その過程は? 回避する術は? などを学んでいくのだ。
今回は、13歳の少女が、大人たちに利用され、犯され、拷問されながらも、23名の貴族を同士討ちさせることに成功した…そんな事例だ。気分が悪く吐き出す者、泣き出す者、憤る者…教室の反応は様々だ。
わたしは、心のスキルが発動し、精神に影響が出ないように制御された。
・心:努力を惜しまない
⇒獲得心理:命の達観、乙女の心、無常の諦念
気分転換のため、魔物たちを学園の森で遊ばせた後、寮の部屋に戻ると、スイレンが泣き疲れたのか、ベッドの上で寝てしまっていた。わたしは、そっと毛布をかけてあげようとしたら、スイレンが起きた。流石は、戦士というところか…。
「ベネツィオか…」いつもより落ち込んでいるスイレン。
「大丈夫か?」
スイレンはベッドの上に座り直すと、自分の家系の秘密を語り始めた。
「あぁ…。今日の授業に出てきた…少女は…私の祖母だ。私の家系は敵討ちにより、今の地位を築いたのだ。私の母は、敵側の貴族に犯されて生まれた子であり、誰の子かもわからない。私にも敵貴族の血が流れているのだ。そんな戦いが、いつまた起こるかもわからない不安定な領地なのだ。だが、兄たちは、ただ毎日を楽しむだけ…それしか考えていない」
「毎日を楽しむ…それも必要だよ。まぁ、スイレンだって、そんなことはわかってるか…。じゃ、何が怖いのか? いつか自分も祖母みたいに扱われるのが怖いんだよね? だから力を付けているんだよね? 命は軽く、運命は天邪鬼だからね…。いいよ、わたしが魅了してあげるよ。今日は、嫌なこと忘れて…」
どのようにすれば魅了が効果的なのかわからないため、なるべく密着する。ただスイレンを抱きしめた。スイレンの心臓の鼓動が早くなる…。やっぱり…魅了の力って本物なんだね。スイレンは我慢できないのか、わたしにキスをして…。
スイレンが気が済むようにさせる。わたしは、別のことを考えよう…。そうだね…魔法。
・魔法の箱…道具を入れるための魔法の箱。今度、迷宮とかに行ったら、これ使ってみよう! ドロップアイテムとかも沢山持ち帰れるね。
・悪の認識…相手が悪か判別できる。また自分に敵意があるかもわかる。ウーラに…駄目だ。そんなことはしてはいけない。信じるって言ったじゃないか!
・契約魔物3匹…テイムした魔物たち。うん、これも魔法なんだよね。
・盗賊の手首…これか…何か盗めるらしいけど、ネタで習得したけど、使わないな〜。
・進化の奇跡…魔物を合成進化できる。なるべくなら使いたくない。けど、魔物たちが望むなら…。




