ルームメイト 後編
そうだ! 魔物のことを聞いておかないと!! メタフォ、うさ角、ダンモフに並んでもらう。
「あ、あの…スイレンさん。わたしはテイマーなのです。この子たちと同室になりますが、大丈夫でしょうか?」
「問題ない。こう見えても、趣味はヌイグルミ集めだ。全員可愛いじゃないか!」
なぜか、頬を赤らめるスイレンさん…。
「よかった。今日は、4月なのに暑いですね。冬用のアカデミックローブを着ていたので、汗ばんでしまいました」とわたしはアカデミックローブを脱ぎ、下着姿になった。
「ちょ、ちょっと! ベネツィオ! だ、駄目だ。ひ、人前で、そ、そんな姿になるもんじゃない!」とスイレンさんが叫ぶ。
「あっ、すみません。他人の肌が嫌いな人もいるんでしたね」とアカデミックローブを羽織る。
「いや、違う…。違うんだ。はぁ…、はぁ。あったばかりの君に、こんな相談をして良いのだろうか?」
「何でも言って下さい。解決に力を貸せれるかどうかは別ですが、意外と他人に話すって、気分が楽になるもんですよ」
「そうか…。ならば聞いてくれ。私は恋をしたことがない。恋など修行の邪魔でしか無いからな。それに…婚約者は親が決めてしまう。だから、恋など…と思っていたが…。すまん。ベネツィオ。どうやら、君に、恋をしてしまったようだ…」
「は、はい???」
「授与式中の君の声に心を奪われ、謁見の間を退出する時、君の姿を始めて見た。そうだな…まるで全身に稲妻が落ちた気分だった。そして、今、君と対峙し、心臓が…弾け飛びそうなぐらいだ…。ははっ…。女が女に恋するなんて…。私は、どうしてしまったのだろうか…。町でのうのうと暮らす、馬鹿な兄貴達と同じではないか…。クッソッ! 私は強くならねばならないのだ…」
ボロボロと泣き出すスイレンさん。悔しそうに拳を固く握っている。
「大丈夫だよ。大事な恋だって…失うときもある。恋は論理じゃない。運命なんだ。自分じゃどうにもできない。焦っても仕方ないよ」とスイレンさんを抱きしめる。
「ベネツィオ…。すまない、迷惑をかける…。もうしばらく…時間をくれ…」
「うん。わたしなんてね。失恋一回、離婚一回、あ、失恋二回かも! なんだから」
「り、離婚? そうなのか…。まだ同じ12歳だよな??」
「うん、元村人だから。結婚は早いの!」
えへっと笑い顔を傾けると、スイレンさんにキスをされた。
「「えっ!?」」お互いすぐに離れたけど、スイレンさんは激しく動揺しているみたい。
「すまん、私は…狂ってしまったのか! いでよ、大地の斧!!」斧を召喚すると両手で持ち、自分のこめかみに向け一撃を放った! わたしは短剣で斧を優しく弾く。勿論、弾いた後もスイレンさんを傷つけないように!!
「駄目!! きっと原因があるはず! 諦めないで!!」とスイレンさんに怒鳴る。
まぁ、結局、わたし自身が原因だと…そのうち判明するのだけれども…。




