モーニング
朝、狭く薄暗い室内にインターホンが鳴り響く。
布団で気持ち良く眠っていた夏村にとっては、いい迷惑だ。
「……うるはいなぁ」
寝ぼけた声で小さく呟き、重たい体を動かす。
冷えた床を素足でぺたぺたと歩く。
少し深呼吸し、外にいる人物に応える。
「はい、どちらさまでしょうか?」
先程漏らした寝ぼけた声とは打って変わり、営業ヴォイス(スマイル付き)で、だ。
「あ、えっと、おはようございます! 夏村先輩!」
外にいた人物は、自室の上に住んでいる千香だった。
「おはよう千香ちゃん。こんな早くから、なにか用?」
そ、そんなに早いですか? と戸惑っている千香の声が聞こえたため、時計を確認する。
――げ、7時50分?! 遅刻するっ!
夏村の家から学校まで、およそ10分。
登校のタイムリミットは、8時10分。
普段なら今起きたこの時間に家をでている。
間に合わないこともないかもしれないが、支度が10分で終わるとはとうてい思えない。
この状況が意味することは――――遅刻。
「ま、待ってて!!」
千香の返答も聞かずに会話を切る。
「あん子起きて! てゆか起こして欲しかった!」
言いながらあん子の布団を引っぺがす。
「……アト、5フンダケ……」
「いいから起きる! あと5分起きたら遅刻だよ!」
洗面所に行き、急いで顔を洗い歯を磨く。
少し寝癖のついた髪の毛を整え、制服を着る。
ここでようやくあん子が起床した。
「夏村サン、オハヨウゴザイマフ……」
のんきに伸びとあくびをしている。
「はいはいおはよういいから早く学校行く準備しようね!」
鞄に必要なものを突っ込み、靴を履く。
「ナゼ、イソイデルノデスカ?」
「遅刻しそうだからだよ! 早く制服着てください!!」
「ダイジョブ、デス!」
は? と思わずフリーズしてしまう。
なにが大丈夫なのかさっぱりわからなかったからだ。
ミテテクダサイ、と言われたためあん子を見る。
あん子は、自身の鎖骨の間を押し、両手を大きく広げた。
するとあん子の服は一瞬にして、寝巻きから制服に変わった。
「え、えぇ?!」
信じられない光景だ。
まさかあん子にこんな機能がついていたとは。
「センジツ、タイナイニ、セイフ……ンガフ?!」
結構大きめの声だったので、あん子の口の動きを封じた。
「(外に聞こえたらどうすんの?!)」
「(ス、スミマセン……)」
あん子はうっかり秘密を漏らす可能性がある。
これからも気をつけなければならない。
忙しくて、中途半端というか短いところで終わってしまい、すみません!
次こそたくさん書きますよ!




