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お昼です
あん子が眠っている間に授業は終わり、昼休みになった。
すっかりお馴染みとなった、夏村・あん子・莉子・椎菜の四人は、お弁当を食べるべく屋上に来ていた。
「ココニクルト、柑奈サント百瀬サンガ、チゅウヲシテイタノヲオモイダシマスネ……」
あん子が感慨深く言う。
「ち、ちゅう?! 夏村ちゃん、あの二人ってつ、つつつ……付き合ってるの?!」
そういえば椎菜は、あの時あの場にはいなかった。
「そうだよー、やっぱりって感じだよね」
「う、うん! あの二人は付き合ってる……お付き合い……いちゃラブ……」
椎菜が一人でなにかぶつぶつ言っていると、ぎゅるる……と莉子のお腹が鳴った。
「もう! 今日弁当とか知らなかったよ! お腹空いたー! お腹鳴ったー! うがー……いでっ」
屋上に寝転がり暴れていると、莉子は固いコンクリートに頭をぶつけていた。
しかも相当な勢いだったので、かなり痛そうだ。
「莉子ちゃん、大丈夫?! お弁当あるから元気出して?!」
「弁当?!」
その一言に物凄い反応した。
目が輝き、痛むのであろう頭を摩りながら起き上がった。
「はいこれ、お弁当。夏村ちゃんと一緒に作ったの」
「じゃあ食べようか」
「「「いただきます!」」」「イタダキマス!」
それぞれが別のものを食べる。
莉子はおにぎりのうえにから揚げとたこさんウィンナーをさして、三つ同時に食べている。
夏村はポテトサラダ。
椎菜は卵焼き。
あん子はから揚げだ。
「……」
みんな無言で食べる。
箸と重箱、食べ物を噛む音だけが春の青空の下に響く。
そして――
「「「む」」」「ム」
残り一つとなったから揚げの真上で、四つの箸が重なり合った。
四人が目を合わせる。
「わ、私はいいや! もう、お腹いっぱいだもん」
椎菜が引く。
三人が目を合わせる。
「じ、じゃあ! 私も……」
夏村も引く。
残り二人。
どちらも引く気なんて全くない。
ただただ無言で睨み合う。
椎菜と夏村も、生唾を飲み込む。
会話もせず、時間が流れる。
「ガー、ガー」
烏が鳴く。
それを合図に無言の世界が裂かれる。
「せいやああああああ!!!!」
「トぅアぁぁぁぁぁぁ!!!!」
二つの箸が激しくぶつかり合う。
かちゃかちゃと音を鳴らす。
「夏村ちゃん! 私には火花が見えるよっ」
「私にも見えるっ」
夏村と椎菜は手を握り合い、さらに身を寄せる。
「これは僕のだああああああああああ!!!」
莉子の箸がから揚げを突く。
そしてそのまま口の中に吸い込まれていく。
「イヤぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ワタシノカラアゲガ、アぁ……」
あん子が膝から崩れ落ちる。
勝者となった莉子は、崩れ落ちたあん子を見下すように笑う。
「ふっふっふ。もういふぁふぁいたもんへ」
かっこよく台詞を言っているが、口の中にから揚げがあるため全く聞き取れなかった。
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もしかすると、また更新できないかもしれません……ごめんなさい。
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