にぎにぎおにぎり
5時。
夏村と椎菜は起床した。
「ふあ、あ……おあよー椎菜」
「うん! おはよう夏村ちゃん!」
眠気が残っている自分とは違い、椎菜は朝から元気だ。
というより、とても張り切っている。
「夏村ちゃん! 先に着替えちゃおうか!」
すべての語尾にビックリマークがついている椎菜なんて、人生で初めてみた。
「そうだねぇ。じゃあ……あ、あんまり見ないでね?」
いくら昨日あんなことをしたからといって、恥が消えるわけではない。
「うん。私のことも、あんまり見ないで、よ……?」
「もちろん」
お互い部屋のすみっこに行き、もそもそと着替える。
パジャマを脱ぎ、ボタンの掛け間違えに気をつけながらブラウスを着る。
さらにベストも着て、スカートをはく。
短めのプリーツスカートには、若干しわがついていた。
そして衿付きのセーターにリボンをつけ、ニーハイソックスをはいて完了だ。
「椎菜ー着替えおわっとうぇい?!」
振り返ってみると、自分の胸を寄せて持ち上げたり揺らしたりしている椎菜がいた。
「み、見ないほうが、よかったかなー……」
ぼそっと呟く。
すると視線に気がついたのか、椎菜とばっちり目があった。
「あ、えっと……ごめん」
言いながら、椎菜の顔を確認する。
白い肌はだんだんと朱色に染まっていく。
「あ……あのね?!」
相当焦っているのだろう、声が裏返っている。
「その、だから……別に、変なことをしてたわけじゃないの! ただ……」
「ただ?」
少し下を向き、もじもじしながら口を開く。
「……昨日より、成長したな、って思って……ちょっとだけ、確認を……」
「……」
開いた口が閉まらない、とはまさにこのことだ。
――……一日デ胸ガ成長スルナンテ、ウラヤマシイデスネ。
「ま、待ってね! すぐ着替えちゃうから!」
椎菜の着替えを待ち(胸がぷるぶる揺れていて思わずガン見してしまった)、階段を下りた。
調理場には、綺麗な重箱と美味しそうなおかずがあった。
「美味しそう……」
「ちょっと食べる?」
ぽっちゃり系の母親は優しく、つまみ食い用のおかずを準備してくれていた。
手渡されたお皿には、から揚げ、ポテトサラダ、たこさんウィンナーなどがあった。
「い、いただきます!」
とりあえずから揚げを食べる。
「美味しいですこれめっちゃ美味しいです!!」
見た目からして美味しそうだったが、味は想像以上に美味しかった。
隣で食べている椎菜も、幸せそうだ。
「あらそう、嬉しいわ〜。じゃあそこにあるおかずを詰めてもらっていいかしら?」
「はひ!」
から揚げ(二つ目)を口にくわえながら重箱に詰める。
たくさんのおかずは、あっという間に重箱に収まった。
だが、重箱には一段の空きがあった。
「お母さん、ここはなにを詰めるの?」
椎菜が聞く。
「この一段の空きには、おにぎりを作って入れてもらいます!」
「がんばろうね、夏村ちゃん!」
かくしておにぎり作りが始まった。
「あーっ! たらこーっ!」
おにぎりの真ん中に入れるはずのたらこがぐちゃぐちゃになってしまった。
「夏村ちゃん! 落ち着いて! たらこのことは私に任せて、とりあえず昆布をやって!」
ぐちゃぐちゃになり、すっかり惨めな姿になってしまったたらこを椎菜に任せ、命令通り昆布おにぎりに挑戦した。
ちなみに、塩ご飯が用意されていたため、砂糖と間違えてしまうことはない。
「こ、こうか?! ていっ、たあっ」
「なな、夏村ちゃん!? あんまり力強くにぎると、昆布が飛び出ちゃうよぉ〜!」
たらこおにぎりを完成させた椎菜に注意された。
「あ、ごめん。じゃあ、どうやってやるの?」
「あのね……」
そう言って自分の背後にまわり、すっと手を伸ばしてきた。
椎菜が手をにぎり、されるがままになる。
背中にぷにぷにとした胸があたる。
「こうして、こう……」
自分の手が動かされるたびに、胸が押し付けられる。
昨日のこともあり、妙に意識してしまう。
「三角になるから、次は海苔を……」
結局「夏村ちゃんだけにやらせたら、おにぎりがなくなっちゃう! だからずっとこうしてにぎろ? にぎり方を覚えられるし、ね?」という椎菜の意見により、自分だけでにぎったおにぎりはゼロになった。
今回はおにぎりをにぎる回となりました!
椎菜のぷにぷに感を上手く伝えられなくて、すいませんでした!!
お気に入り登録、ポイント評価、ありがとうございます!
これからも頑張っていきたいと思います!




