お泊り会といったらこれだよね
夏村×椎菜です。
「ってことがあってさ……」
椎菜の部屋で、先程自宅で起きた出来事を話す。
あれだけの衝撃を自分一人で抱え込むのは無理だと思ったため、信用できる椎菜に話したのだ。
「もうびっくりしたよ……」
はあー、とため息混じりに話す。
椎菜の表情を確認すると、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「うぇい?! 椎菜?! ごめんごめん! 別に怖がらせようとしたわけじゃなくてさ! えっと……だから泣かないで……!」
――泣かないで! 泣かせるつもりなんてなかったから!
「ううん、違うの……」
「え?」
「あのね、そうじゃなくてね……」
顔は笑顔ながらも、少しだけ濡れた声で話す。
「夏村ちゃん、可哀相だなぁと思って……いきなりあん子ちゃんに迫られちゃって、怖かっただろうなって……」
涙を拭いながら、まるで自分のことのように心配してくれた。
椎菜は優しいなあ、と心から思った。
「そ、そんな、優しいだなんて……」
「椎菜には心を読む能力があったのか!」
「な、無いよ! 声にでてたんだよぅ……」
本音がぽろっとでていたようだ。
でもね、と椎菜は続ける。
「夏村ちゃんが怖い思いをしたっていうのは、読み取ったよ」
「あはは、そっか」
「二人ともー、お風呂沸いたよー」
母親の一言で、お風呂へ向かった。
☆★☆★☆
「昔からだけど、夏村ちゃんってすらっとしてて綺麗よね。背も高いし」
夏村が体を洗っていると、椎菜が呟いた。
「そんなことないって。確かに背は高いけど、胸とか無いし、可愛さゼロだからね。それに比べて、椎菜はスタイル抜群じゃない。色白だし、胸もある。それに可愛い!」
椎菜を褒めると(というか本当のことを言っただけ)、顔を赤らめて恥ずかしがっていた。
「わ、私なんて、ただ太ってるだけだよ……」
体を洗い流し、
「でも胸があるのは事実じゃん? このFカップめ! くそう! うらやましいっ!」
浴槽に飛び込んで椎菜の体をくすぐる。
「ひゃあっ! く、くすぐったいよぉ、夏村ちゃん! あは、あははっ! それに……あは! まだ、Eカップだよぉ!」
EとFなんて変わらない、と夏村は思う。
夏村はAかBかで争っているのだから。
「おらぁ! もっとくすぐってやる!」
こちょこちょこちょ。
「うふふふっあはははっ!」
「ふっふっふ、私のくすぐり技術をなめるな!」
「 あはは、ごめんね。ていうか、変なスイッチ入ってるし……夏村ちゃって本当おもしろい」
これは褒めてもらっている、という解釈でいいのか?
「でもさ……」
「ん?」
椎菜が急に真面目なトーンになる。
「こうしていろんなことができるのも、私達だけだよね……。夏村ちゃん、後ろ向いて?」
言われるがままに後ろを向く。
すると、背中にぴとっと椎菜が抱き着く。
「ふぁ?」
いきなりすぎて、思わず気の抜けた情けない声がでてしまう。
自身の背中に、椎菜の大きくて柔らかな胸が当たる。
お互いの体が水の中とはいえ、その柔らかさは伝わってくる。
「信用し合ってるからこそ、お風呂……いや、服も着ないでじゃれあえるんだよね……」
椎菜の手は、正面に回ってくる。
そしてその手は、夏村の小さな胸を覆う。
「椎菜? ………」
どうしたの、と尋ねようとしたときに、夏村は変な気分に襲われた。
少し意識が遠退くような、それでいて自分の本音を探られるような、不思議な気分。
しかしどこか心地好くて、懐かしくて、本当の自分をさらけ出せるような気分。
一言で済ますと『気持ちい』。
「夏村ちゃん、私達ずっと一緒にいよう? いつまでも、ね?」
抱き着く力を強め、甘えたような声で聞いてくる。
だんだんと意識がはっきりとなり、元通りになってきた。
「うん、いつまでも一緒だよ? 当たり前じゃん」
力を弱め、「よかった」と呟く椎菜の声を聞くと、落ち着いた。
「ねぇ、夏村ちゃん。ちょっとこっち向いて?」
「なに?」
椎菜の手から解放され、彼女のほうを見る。
「ねぇ、夏村ちゃん……お願いがあるの……」
「おう、なんでもいいよ!」
なんでもいい、という一言に椎菜が反応した。
「本当? じゃあね……私と、キス……しよう?」
「てーい? キス?」
「うん……駄目?」
椎菜にばっちりと上目遣いを決められる。
――断れないなあ……。
「いいよ、キスしよ?」
「じゃあ、夏村ちゃんから……して?」
天使のような微笑みを浮かべ、「さあ、キスをするんだ」と言わんばかりに、目を閉じ唇を向けてくる。
その唇に、自分のそれをゆっくりと重ねる。
さらに椎菜は、夏村に手を回してくる。
つられて、夏村も椎菜の体に手を回す。
唇を離し、お互いに見つめ合う。
「夏村ちゃん、顔が真っ赤だよ?」
「それは椎菜もだよ?」
もう一度見つめ合い、笑う。
「あははっ! 私、夏村ちゃんとキスしちゃった!」
「椎菜とキスしちゃった!」
「私キスしたのって、人生で初めてだよ!!」
「私……」
私も、と言おうとして口をつぐむ。
「夏村ちゃんはさっきされちゃったんだもんね……」
少し残念そうに椎菜が言う。
あん子に襲われたことを思い出したのだろう。
「いや! でもキスだけだから! それ以外はなにもしてないから! そんな悲しそうな顔しないで?」
「そうだ……」
言いながら椎菜が気絶した。
というより、のぼせた。
「ふぇ〜……」
漫画で言うところの、目が渦巻きになっている感じだ。
「し、椎菜?! 大丈夫?!」
「ふにゃぁ〜、大丈夫ぅ……。そろそろ、上がろうぅ……?」
「もちろんだよ!」
二人は浴室を出た。
お泊り会といったら、なんといってもお風呂でしょう!
あと布団!
さて、この回で椎菜ちゃんのバストが判明しました。
やっぱりお菓子屋さんの娘はちょっとぽっちゃりしてないと!笑
ポイント、感想、お気に入り登録、ありがとうございます。
確認しながらにやつきました。←
これからも頑張っていきますよー!
よろしくお願いします!




