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あいうぉんととぅーびーあ ニンゲン!  作者: 今はまだ保留でお願いします
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甘い裏にはなにかある

部屋へと続く階段を登っているとき、椎菜は考えていた。


――なんで家に来たんだ? 私と夏村ちゃんの二人でラブラブしてたのに……!


だが、表情にはださない。


表情にだしてしまったらアウトだ。


――まさか、みんな夏村ちゃんのことが?! いや、ないない、それはない。


考えているうちに、部屋の前についていた。


「あん子ちゃん、莉子ちゃん、ここが私の部屋だよ。先に入ってて」


「椎菜サン、ハ?」


「私はお昼ご飯を取ってくるから、待っててね」


あん子と莉子が返事をしている中、優しい夏村は手伝うよと申し出た。


だが、夏村にはあん子と莉子が部屋を荒らさないかどうかを見張るという役割がある。


ここで手を煩わせるわけにはいかない。


「夏村ちゃんは、優しいね。でも大丈夫。夏村ちゃんはあん子ちゃんと莉子ちゃんを見張っててね」


イタズラっぽく舌をペロッと出し、内側に秘めている黒い感情を少し出した。


「わかったわかった。じゃあ見張ってるね」


「ありがとう」


手を振る夏村を背中に、椎菜は階段を降りて行った。



☆★☆★☆



「お母さん、なんで三好あん子と小波莉子が家に来たの?」


一番の売り物であるロールケーキと、マカロンにクッキーをお皿に乗せながら母に問う。


「さっき謝っていたから、謝りに来たんじゃないかしら?」


「ふーん。せっかく夏村ちゃんと二人で遊んでたのに」


ガラスのコップにお茶を注ぎながら呟く。


「あ、いらっしゃいませー」


どうやら客が来たようだ。


椎菜は客を相手に愛想を振るのは得意ではない。


そのため、手早くお茶を注ぐとその辺にあった煎餅を四つ引っつかみ、おぼんに乗せる。


さらにケーキが乗ったお皿と、お茶が入ったコップ、作ってあったあん子のお昼ご飯を乗せると、足早に階段を登っていく。


――夏村ちゃんは私のもの。他の誰にも渡さない!


改めて決意し、部屋のドアを開ける。


両手が塞がっているため、肘で開けた。


「お昼ご飯と、お茶と、ケーキを持ってきましたよ〜……?」


椎菜の目の前には、どこから持ってきたかわからない盾と剣を振り回している問題の二人と、さっき一緒に食べていたロールケーキの残りを頬張っている夏村がいた。


「ん、ひいふぁ、おふぁえい」


おそらく夏村は「ん、椎菜、おかえり」と言ったのだろう。


――おかえりだなんて、嬉しい…。夏村ちゃんノートに、記載決定ね。


にやけそうな口元を咳でごまかす。


「夏村ちゃん、飲み込んで飲み込んで……」


「んぐ……はぁー。美味しい」


まったりしている夏村を見ると和む。


もっとまったりさせたいと思ってしまう。


「夏村ちゃんは本当にロールケーキが好きね」


「うん、ロールケーキ大好き! クリームとスポンジの絶妙なバランス加減とかもう最高だよ!」


「そっか、よかった。……あ、あん子ちゃん、お昼ご飯持ってきたよ。お昼ご飯っていっても、あんまんしか、なかったんだけど……」


「アンマン?!」


目を丸くするあん子に若干戸惑う。


「き、嫌いだった?!」


「イエ、ダイスキ、デス!」


――いちいち紛らわしいリアクションすんじゃねぇよ!


「そう。じゃあ食べてて。夏村ちゃんと莉子ちゃんにはケーキとマカロンとクッキーを持ってきたよ。あとお茶」


「カラフルなマカロンだね! これ、本当に食べていいの?!」


「うん」


「い、いただきます! ……ん、美味! 美味美味! 口の中が宝石箱って、こういうことを言うんだね!」


「コッチモ、アイカワラズ、ビミ、デスネ!」


どこかで聞いたことのあるようなセリフを言っている莉子を横目に、さらにあん子をスルーし、椎菜の視線は夏村にくぎづけになる。


「夏村ちゃんは美味しそうに食べてくれるから、私も嬉しい!」


夏村を見つめたいから、という理由で見ている訳ではない。


美味しそうに食べてくれるから見ているだけだ。


……おそらく。


「そう? いやあ、本当に美味しいんだもん」


夏村がロールケーキを頬張っている可愛い顔を、隠しカメラで撮影する椎菜だった。


――夏村ちゃんノートに追加ね。うふふ。



夏村ちゃんノートってなんやねん!

って思った方、いると思います。

夏村ちゃんノートは、「煮える黒いもの」という話を見てくだされば、詳しくわかると思います。



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