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あいうぉんととぅーびーあ ニンゲン!  作者: 今はまだ保留でお願いします
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暗闇から明るみへ

暗い闇の中。


何も見えないし聞こえない。


真っ暗な海に一人ぼっち。


家に帰って演技する、なんて生活はやめてしまいたい。


いっそのこと、ずっとここに居たい。


でも……。


ここにいたら、もうあん子と会えない。


せっかく助けに来てくれたのに。


それに、夏村にも、椎菜にも、柑奈にも、百瀬にも会えない。


みんなにはそれぞれいいところがあって、悪いところもある。


けれど、それはあって当然のこと。


柑奈と百瀬は付き合っている。


正直うらやましいとも思う。


もしかしたら自分も、夏村か、椎菜か、あん子と付き合うかもしれない。


ここで自分がいなくなったら永遠に孤独。


『……莉子サン!』


真っ暗な海。


何も見えないし聞こえない海に、あん子の声が小さく響く。


『莉子サン! 莉子サン!』


悲鳴にも似たあん子の声。


――あん子は僕を心配してくれている。


たった半日の友達。


その友達が、自分を心配してくれている。


あの暴力的な母親に制止されるのも気にせず、心配してくれている。


――消えちゃいけない。


ここで消えてしまうのは簡単なこと。


友達に別れを告げるのも簡単なこと。


だけど、再びここに現れるのは難しいこと。


同じ友達を作るのは難しいこと。


だから消えちゃいけない。


「あん子……」


『莉子サン!』


あん子の声がするほうに進む。


ゆっくりと、だが、確実に進む。


心配してくれる、大切な友達のために。



☆★☆★☆



目を覚ますと、そこは見慣れたところだった。


いつも見ている天井。


体には薄いタオルケットが乗っている。


「……あん子」


「莉子ちゃん! 気がついたのね! ママ心配したのよ!」


お前のせいだ、と思うが口には出さない。


今はあん子がどうなったのかが気になる。


「あん子は?! あん子はどこに行ったの?!」


「あん子? ……もしかして、不審者のこと? あんなやつ、ママが追い払ったわよ」


聞いた瞬間家を飛び出した。


きっとあん子は家にいる。


三好邸はすぐ隣だ。


家の塀を乗り越えて、ぼろぼろアパートの敷地に入り込む。


こんなこともあろうかと、塀の近くに踏み台を置いていてよかったと本当に思う。


そしてあん子がいるであろうドアをノックする。


コンタクトを急いではずし、やっちゃ行けないとは思いつつポイ捨てをする。


そして捩込んだ赤メガネを装着し、通常モードの小波莉子になる。


「あん子! 開けて! 僕だよ! 莉子だよ!」


中で誰かが走る音がし、ドアが開く。


「莉子サン! ダイジョブ、デシタカ?!」


「大丈夫、気にしないで」


優しく微笑み、あん子を安心させる。


「さっきは母さんが変なこと言って本当ごめん……」


腰をこれでもかというほど折り曲げ、謝罪する。


「イエ、キニシナイデ、カオヲアゲテクダサイ」


「本当、ごめん……。ところでさ、さっき何の用事で家に来たの?」


「ア、エット、夏村サンニ、シャザイヲシヨウト、オモイマシテ……」


下校するときに壊してしまったストラップのことだ。


「そうだね、謝りにいこう。でも、椎菜の家に行くって言ってたね。椎菜がどこに住んでるか、知ってる?」


確かケーキ屋らしいが、なんという店名かは聞いていなかった。


「シッテマスヨ。タシカ、オミセノナマエハ、くるくるろーるデス!」


かくして莉子(通常モード)とあん子は、くるくるろーるへと向かうのだった。



なんと私が知らない間に、お気に入り件数が5件を超えていました!

知らなかったです!笑


本当にありがとうございます(^人^)

みなさんの期待に応えられるような小説になっていれば、幸いです。

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