前立腺癌になっちゃった話ep.3
前回の続きです。
3カ月の長きに渡る、規則正しい入院生活のおかげで、体のアチコチがプニプニに仕上がっていた。
この事には、もう一つの理由が有る。注射で投薬する「ゴナックス」も、服薬する「アーリーダ」も男性ホルモンを抑制する働きが有り、脂肪が付きやすくなってしまうのだ。中には、乳房が出来る方も居るとか。なかなかの副作用である。
副作用といえば、「ゴナックス」と「ランマーク」をいつも同時に接種していたのだが、回数を重ねる度に、徐々に体調不良を起こす事が増えて来た。体調不良と言っても、そこまで酷いモノでは無く、倦怠感や極軽い鬱傾向になる程度では有ったが。分かり易く言うとダルダルでやる気も出ない感じになるのだ。それも、1日〜2日で良くなるのだが…。
その後暫くは、治療法も服用薬も変わる事無く続けていた。その都度、怠くなったり、ならなかったりしながら、主治医曰く「順調」にいい方向に進んでいた。
ある診察の日、先だって行った造影CTの画像と、骨シンチグラフィーの画像を並べて、治療に新たに「ゾーフィゴ」という薬品を注射で投薬してはどうか?と主治医に聞かれた。
私は、押しも押されぬ「Yesマン」である。返事は「Yes」か「ハイ」しか無い。
さて、この「ゾーフィゴ」だが、"骨転移のある去勢抵抗性前立腺がんの治療に使われる、世界初のアルファ線放出放射性医薬品(注射薬)"である。("〜"の間は「ゾーフィゴ」の説明文をコピペしたもの)
分かり易く言うと、「ラジウム223」という放射性物質を体内にぶち込む、という事である。その放射性物質は骨転移した前立腺癌を(のみを)駆逐する、中々の優れ者なのだそうだ。
コレには但し書きが有り、投与回数は上限全6回まで、と決められている。強力な薬、っていうか放射性物質だから…。
コレ、最初の2回目までは、目立った副作用も無く、強いて言えば、いつものダルダル位だった。…そうだったのだ…。
3回目の接種から、「ゾーフィゴ」がいよいよ牙を剥き始めた。軽い吐き気、強い倦怠感、強烈な手足の痺れと痛み。
会計を済ませて、駐車場の車に戻るまでの間に、コレらの症状が出たのだ。
もう一度院内に戻り、休む事も考えたが、如何せん体が言う事を聞かなかった。
暫く車の中で耐えていると、電話で「仕事の打ち合わせをしたい」と連絡を受け、少し楽になった所で、最大限安全に配慮して運転して現場に向かった。
途中から、すっかり思考もクリアになり、打ち合わせをして帰った。
この事を奥さまに話した所、残りの3回は、奥さまに送迎して貰ったのは言うまでもない。
この「ゾーフィゴ」の副作用、特に手足の痺れと痛みは、終了後半年以上続いた。
「ゾーフィゴ」の副作用が無くなった後も、手足の痺れと痛みは酷いままで、その対策として、「タリージェ」という薬を上限で服薬する事になった。
この「タリージェ」は薬剤師さんをして「睡眠薬」と言わしめる、強い催眠作用がある。それまで最小限だった為、眠気に襲われる事は無かったのだが、この最大限の処方から、例に漏れず強い眠気を感じる様になった。
手足の痺れと痛み、薬の副作用による強い眠気。何処にも車を運転して良い理由は無い。
また、ちょうど奥さまの車の任意保険の更新時期でも有った為、奥さまの車を処分して、車を1台にしたのだった。この事は、我ながら英断だったと今でも思う。運転免許証は、身分証明書代わりになるから、と言う事で奥さまの進言が有り、「Yes」と答えたのは言うまでもない。
それまで、副作用って何?みたいな感じでいたので、この「ゾーフィゴ」ショックは今だに鮮明に記憶している。
後日聞いたところによると、「ゴナックス」と「ランマーク」の組み合わせは、かなり多くの方を悩ませているらしい。私は軽いほうだったとか…。
「ゾーフィゴ」の最終回では、吐き気、目眩、手足の強い痺れと強い痛みに、頭痛や倦怠感など副作用のオンパレードだった。それも、約3週間も…。
その後も徐々に、本当にゆっくりとしか良くならなかった。手足の痺れと痛みはいつまでも酷かった。
誤解の無い様に、元々「頚椎圧迫骨折」の後遺症で、手足の痺れと痛みが有ったのだが、薬「タリージェ」で抑える事が出来ていた。まぁ、少しづつ効き目が悪くなって行く印象が有ったが、それでも我慢出来ていた。「ゾーフィゴ」は凄かった…。(遠目)
今回はココまでで…。
ココまで読んで頂いてありがとうございました。
「ゴナックス」と「ゾーフィゴ」は本文中で触れた通りです。
「ランマーク」は "骨を壊す細胞(破骨細胞)の働きを抑えるタンパク質(RANKL)の働きをブロックし、骨がもろくなるのを防ぎます。"
ココまでの"〜"の間の説明文は「ランマーク」の説明文をコピペしたものです。
また、各種薬品の副作用の強弱は個人差が有ります。必ずそうなるとは限りません。
さて、この他にも作品が有ります。併せて読んで頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。




