第6話 アニメ愛
アニメファンは、大きく分けて二種類いる。
男性アニメファン。
女性アニメファン。
何故、分けるのかというと。
男性アニメファンは、美少女が好き。
女性アニメファンは、美少年が好き。
大体の好みがあるからである。
もちろん、そうとは限らないファンもいる。
しかし、それを深く追求すると、キリが無い。
まあ、アニメファンは、自由というのが、一番の答えなのだろう。
「ワタクシ、乙女蝶婦人ですの。乙女アニメグッズ売り場は、どの辺りか、お聞きしたいのですの」
金髪ブロンドの乙女蝶婦人は、ビシッと、オタに向かって聞いた。
「え〜?ボク?」
オタは、少し嫌がった。
明らかに、相手は、乙女系アニメファンに見える。
アニメファンの中で、乙女とは、美少年・美青年が大好きで、ロマンスが好きな女の娘を指す。
乙女ゲームと呼ばれる、恋愛シミュレーションなどに挑戦し続ける人種だ。
オタは、乙女系が苦手だった。
第6話 アニメ愛
「貴方、明らかにアニメおたく。…アニメショップの内部を知りつくしていないんですの?」
乙女蝶婦人は、オタの見た目が、黒髪のオカッパにくもり眼鏡なのを指摘した。
「知りつくしてるけど〜、店内って、よく改装するから、わからないこともあるよ」
オタは、肩をすくめる。
アニメショップに限らず、お店は、よく店内を改装する。
「ワタクシ、『テニスをねらえ』の大ファンですの。限定グッズが、新発売するんですの」
「そう。探しても見つからない場合、新商品なら、レジの近くに売り場があることもあるよ〜」
「…あ、ありますの」
レジ横に、乙女蝶婦人のほしい、乙女アニメグッズの新商品が陳列されていた。
乙女蝶婦人は、オタにお礼を伝える。
その後は、夢中になって、新商品を買いあさって帰って行った。
幸せそうな顔だった。
「アニメ愛だね」
「オ、オタ!あの乙女系アニメファンを、愛してしまったのか!」
「違うよ。苦手なタイプだよ〜。あの乙女系アニメファンのアニメ愛に、感心したのさ」
オタは、何度もうなずく。
「…師匠。アニメ愛とは、さっきのような貴婦人を指す言葉なんですか?」
「弟子。アニメ愛は、アニメを純粋に楽しむ気持ちだよ〜。アニメファンは、誰でも持ってる」
ボクが、一番好きな言葉だよ、と付け足す。
ライラも、ヲタク2号も、そんなオタの顔を、ジッと見る。
「真面目なんだな。オタ」
「真面目なんですね。師匠」
「な、何だよ。ボクが真面目じゃ、駄目なの?」
アニメを愛するオタは、二人の女の娘に、戸惑いの感情をぶつける。
「…やはり、オタ。ワタシが嫁となる男だな」
ライラは、くすくすと笑いをこらえる。
ヲタク2号も、その隣でうなづく。
ゴロゴロゴロゴロゴロ…
アニメショップの外で、空のうなり声が響く。
窓ガラスの向こうの空がくもっている。
ヲタク2号は、一人、異変を察知した。
「…もしかして、28号…?」




