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第2話 ヲタク2号

オタには、幼なじみがいる。

紅村雷羅。16歳。

通称、ライラ。

金髪にポニーテール。

長身の美少女。

正直、幼少時代から、オタに片想い中の女の娘だ。

ライラは、常に、オタの周りに女の娘がいないか心配している。

心配しすぎている。


小田家。

二階建ての一軒家。

「オ、オタ!誰だ、その女の娘は…」

小田家の玄関の前で、ライラは、オタをまちぶせしていた。

葉原帰りのオタ。

その側には、ピンク色の髪の女の娘がいる。

「えっと〜。カミナリのエネルギーで、未来からタイムワープしてきた未来のアニメファン」

「…はあ?女友達から、交際へ発展させようとしている泥棒娘なのか?」

「ボクのこと、好きなの、ライラだけだよ〜」

「そ、そうなんだ…。ワタシは、オタのことが…」

ライラは、顔を真っ赤にして、恥じらう。

見慣れているオタは、さっさと玄関から家に入る。

「…母さん、ただいま〜」

「あら〜。おかえりなさい、オタ。葉原は、楽しかった?」

「うん」

オタの母が、出迎えた。

小田憂子。36歳。

黒くて長い、ストレートヘアのシングルマザー。

母は、息子のことを、オタと呼ぶ。

アニメ好きな息子に理解のある、優しい母だ。

小田家は、母と息子の二人暮らしであった。


第2話 ヲタク2号


「…で、キミ。何でボクの弟子になりたいのさ〜?」

オタの部屋は、二階にある。

部屋は、おたくの部屋という感じでは無い。

本棚に、ホビー雑誌がずらりと並んでいるのが目立つだけである。

オタの母が、整理整頓好きで、アニメ系のものは、全て押し入れにしまってあるのだ。

「私は、未来から来た、アニメファンです」

「うんうん」

「…いや、アニメファンになる予定の者です」

「え〜?どういうこと?」

「未来でアニメを知った、私は、機能戦士ファンダム様が一番好きです」

「…ファンダム!ボクも、大好き〜。キミとは、友達になれそうだね」


ピンク色の髪の美少女は、未来から来た。

女の娘の名前は、ヲタク2号。

安室博士という、女性が作った、アンドロイドだと言う。

未来では、アニメが完全消滅していると言う。


「へ〜、アンドロイドなんだ〜。アニメが完全消滅って、何事があったの?」

「アニメは、目に悪いものとして、消滅します」

「確かに〜。イッキ見とかしちゃうから、目に負担なこともあるよね〜」

「私は、安室博士から、唯一残された、機能戦士ファンダム様の第一作の資料を見せていただき、アニメに興味を持ちました」

陸戦型巨大ロボット・ファンダム。

その、凛々しい姿。

アンドロイドのヲタク2号は、そのロボットに一目惚れしたという。

「ファンダムに一目惚れしたの?」

「はい。私、アンドロイドなので、好みの異性は、ロボットなのです…」

ヲタク2号は、瞳を輝かせる。


ガラッ


オタの部屋の入口のふすまが開く。

今までの会話を、ふすまの外で盗み聞きしていたライラが、割り込んできた。

「…オ、オタのことが好きなのか!この泥棒娘!」

興奮した口調で、わめくライラだ。

「違うよ〜。ライラ。この娘は、ファンダムが好きなんだよ」

「私が好きなのは、ファンダム様、ただ一人です」

指を一本突き立てる、ヲタク2号。

そして、オタを真剣に見つめる。

「葉原で、ファンダム様の話をしていたのを聞いて、熱いアニメ愛を持っている方だとお見受けして、お願いがあります」

ヲタク2号は、深々と土下座した。

アニメが無くなった未来から、タイムワープして来たという、ヲタク2号は、アニメのことを勉強したかった。

「弟子にしてください」

と、頭を下げる。

アニメについて、教えてほしい。

アニメに詳しそうなので、教えてほしい。

アニメとは、何か?

アニメを好きになったら、どうすればいいか?

「…弟子〜?」

「はい。師匠と呼ばせてください!」

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