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お華の髪飾り  作者: 本隠坊
25/37

㉑天保の擾乱・後編

(1)


  そして、その日の昼である。

 中奥中段で座っている、将軍家慶は、食事が運ばれる中で、見慣れない、いや、嘗ては、よく見た物が登場してきたので、目を剥いた。

「おい、これはまさか?」

 と、食膳を運んできた小姓に問う。

「はい。大奥姉小路様のお手配で、ご用意をと申し付けられたものにございます」

 遠山も上手そうに食べた、あの若生姜の甘酢漬けである。

 勿論、家慶も、満面笑みで、真っ先に箸を付ける。

 そして口に運んだその表情は、まるで、天にも昇るような恍惚の顔である。

 そして、頷き、

「よくやった! 姉小路!」

 などと声を上げながら、嬉しそうに箸が進む。

 部屋の端の方で、その様子を見ている高坂は不思議そうに、配下の小姓を呼び、話を聞いて驚愕した。

「姉小路様か。して、誰を通じてじゃ」

 すると、その小姓は、

「はい、小納戸の遠山様を通してでございます」

「なに、遠山殿の息子か?」

 高坂は、頭を捻って、さっと、その場を離れる。

 そうして城内を回り、景纂(かげつぐ)を捕まえる。

「おい、遠山殿!」

 その声を背後に聞いた景纂は、思わず「きた~」

 と、その場で直立不動になった。

 高坂に引き摺られるように小部屋に連れて行かれた、景纂。

 早速、尋問される。

「いや、私は、姉小路様からとお聞きして、ご用意しただけにございます」

 と、必死に言うのだが、

「これ、遠山の息子。しっかり出所を吐かんか。姉小路様御自ら、こんな用意、出来るはずないじゃろ」

 さすがにぐったりとした、景纂は、

「しかしですね、高坂様に言うと、一遍に江戸中にバレてしまうから」

 と、つい口走ってしまう。

 ニヤリと笑った高坂は、

「ほう、やはりな。お父上か」

 景纂は、笑いながら手を着いて、

「お願いにございます。今は絶対、他に言ってはなりませんよ。仕掛けたのは、高坂様ご存じの、お華にございますよ」

 それには、さすがの高坂も驚いた。

「な、なんだと、お華だと?」

「高坂様、お願い申し上げます。今は内緒ですよ。危ない時期ですし」

 高坂は、全てが胸に落ち、そして安堵した。

「そうか、お華か。いやぁ、これは助かった」

「あの子は農家の知り合いに手配して、内密に集めて貰ったそうです」

「内密ね……」

 と、高坂は少し馬鹿馬鹿しい思いにもなったが、それが現実かと納得した。

 そんなこんなで、大笑いになった二人だが、突然そこに、小姓の一人が、高坂の所に飛び込んできた。

「おう、なんじゃ」

「お頭。実は、今、老中の水野様が、中奥、廊下の方においでなさって、曲げてお会いしてお話ししたいと……」

「何だと!」

「え!」

 景纂も飛び上がる様に驚いた。

 さすがに、直ぐさま立ち上がり、高坂は、城内にも係わらず、中奥に走った。

 景纂にとっても、いろいろな意味で問題がある。

 同じく、追いかけるように高坂の後を早足で追う。

  中奥に到着した高坂は、面会を要求する水野の前に、駆け込むように座る。

  そして、

「ご老中。お話はお伺い致しました。しかし、今がどういう刻限かご承知の事でございましょうな」

 と、少々、迷惑を前面に出して言ったのだが、水野は、家の大事、何とぞご承知を。テコでも動かない様子である。

通常、昼食前後の時間は、誰とも会わない。休息の時間となっていた。

 それは小姓以外、例え老中であっても普通は許されない。

 禁制というよりも、暗黙の了解となっていた。

 それを、家臣が曲げさせるというのは、かなりの問題であるのだが……。


 とは言え、相手は水野。

 幾つかのやり取りの後、根負けした高坂は、

「それでは、お上にこの事お伺いして参ります」

 と言わざるを得なかった。

 それを、水野の少し後方で、平伏しながら聞いていた景纂は驚愕し、立ち上がった。

 そう、大目付の部屋を目指して。

 父の遠山は、丁度弁当が終わり、茶を飲みながら、他の大目付連中と雑談していた。

 そこに、景纂が飛び込んできたのである。

 他の連中は勿論、遠山も驚いたが、渋い顔で、

「これ、ここは、小納戸様が……」

 と、息子に叱りつけようと思ったが、

 景纂は、素早く平伏しながら、

「緊急の事、お許しを!」

 と叫ぶ。

 あまりの様子に、遠山は、

「何じゃ、どうしたのじゃ」

 回りの連中に、申し訳無さそうに頭を下げながら聞くと、景纂が、

「ご、ご老中様が、止めるのを押しのけ、上様に面会をしているのでござる!」

 遠山は目を剥き、

「な、何じゃと! 誠かそれは」

「はい」と言った後、小声で高坂とお華の件を話している最中、

「そうしたら、いきなり、ご老中が取り次ぎを願って来たのです」

 遠山は、ふ~んと頭を下げる。


 禁を破るなどあってはならない事である。

 しかし逆に、何をお上に申し上げたいのか、遠山には直ぐに分かった。

 笑顔で聞いていた他の大目付連中だったが、途端に、凍り付いた顔に変わった。

「父上!」

 と、心配そうに言う景纂に、頷きながら、

「これは、やはり上方に対する上地令の件じゃろう……」

 これには、その場の連中はさらなる驚愕。

「恐らく、本日中に事を進めようとする腹。横から四の五の言われる前に、お上から、お許しを頂いて一気にと言う事じゃ」

「え~!」


 そして、それ程間を置かず、大名・旗本全てが大広間に集められた。

 遠山の言う通り、水野は、京・大坂、十里四方の上地を宣言した。

 大広間は、小さいながらも悲鳴で満ちあふれた。

 当然ながら、反論が幾つもあった。

 しかし、水野は、それらに、

「どちら様が、その方らに与えた領地でも、今は上様により、所領を許された土地である。自分の利害しか考えず、依存のあるものは申し出よ」

 と、かなり強硬な態度で表明し、表だった反論を黙らせた。

そして同時に、代地は、三ツ五分以下の代地を支給すると発表した。

 三ツ五分以下の代地というのは、通常、表高は100石で、実高、実際に取れる米など、135石以上を見込まれる土地は与えない、というものだ。

 平和が続くと、元々100石だった表高が、農民の努力によって収穫が増えている土地も多い。

 これは、そういった土地は与えないという事だ。

 これでは、各大名、旗本は損する事が確実である。

 異存、満ちあふれるといった感情が渦巻いた。

 遠山は、大広間の隅で聞いて、また皆の反応を眺め、

「やはり……」

 と、腕を組みながら、先日、新橋の飲み屋で聞いた、お華の言葉を思い出していた。

 遠山は元々、水野に引き立てられ、勘定奉行から、北町奉行に昇進した男である。

 言ってみれば、水野の改革派の一人として動いていなければならない男だ。

 しかし、彼は持ち前の生き様の影響もあってか、当初は賛同していた改革に、実際のやり方を疑問視していた。

 それは、あまりに多い、民への圧力。そして、何より決定的だったのは、芝居小屋移転の件だった。

 焼き払ってでも、などという悪鬼羅刹な真似は、遠山の一番、相容れないやり方だ。

 しかし、ある女は、その様な真似にも、華麗に舞ながら、子供を助けるなんて事までしている姿を見て、きっぱりと、改革に反対に回った。

 その女は、先日酒を飲みながら、遠山に語った。

「殿様、御改革も一つ一つ考えれば、そりゃその通りだなってのもあることは確かです。でも、あまりに早すぎる。みんな荷物を背負って重さに耐えているのに、もう次の重荷を背中に乗せられる。これじゃ、前の事なんぞ全て忘れてしまって全く役に立ちません。何て言うんでしょうか、焦る男は持てませんよねぇ~」

 この事である。

 これこそ、遠山も常々考えていたことだ。

 しかし、

「お華に言われてる様じゃな……」

 どうしても笑顔になってしまう。


(2)


 さて、関西上地令は、関東の時と同じ様に、他の当該老中も係わる。

 更に早々、上様にも承諾している。

 しかし、それはあくまで、城内での、この時点である。

 そして、この改革最後の総仕上げの報は、早速、上方にも知らせが届く事になっている。

しかし、この事は、遠山の予想通り、多数の民衆反発を招いた。

 一般的に、領主が交代すれば、年貢その他の負担が重くなるというのは常識であった。

問題は、領主による、先納年貢・先納金・調達金である。

 どの様な理由であっても、そうした場合、大抵の領主は、借財などそのままで移動してしまう。

 新領主は、その様な事に責任がないため、その借財は、民衆・農民の持ち出しとなってしまう。

 これでは、残されたその領地は全滅してしまう。

 今の領主がどう言い訳しても、借金を清算しない限り、怒るのは当然である。


 即座に、領民の反発、怒りの程を耳にした、老中始め、大名連中は震え上がった。

 これまでもの負債に対するしっかりとした方策や返済話が一向に進まない事を激高した、民の代表は、江戸に出ての訴訟も検討し始める。

 これは、拙い。

 いや、訴訟自体は、幕府の命である以上、負けることは無いだろうが、この様な騒ぎを起こせば、武家としての大きな恥。それだけで無く、家計状態もあからさまに分かってしまう。

 この様な事は絶対に避けたい。

 特に老中連中にとっては、お役御免の危機ともなる。

 老中の土井大炊頭利(とし)(つら)は、摂津・播磨の飛び地二万三千六百石余りの内、一万二八八四石余りの上地を命ぜられた。

 しかし、青い顔をして城中を歩いている。

 上地を受けたのは良いが、関東の代地では、あまりの下免であり、これでは、地元の反発は避けられない。

 まさに、引くも地獄、進むも地獄状態になってしまっていた。

「上様に申し上げているのに拘わらず、今頃、慌てているとは老中あるまじき事」

 と、話を聞き嘲笑しているのは、鳥居甲斐守である。

 しかし、その鳥居も、笑っている場合では無くなっていた。

 各大藩が、次々に反対を表明していて、どうも、旗色が悪くなってきているからだ。

 すると、また鳥居の同志とも言える渋川が、鳥居の役宅を訪ねてきた。

「鳥居殿。残念ではありますが、少々拙い状況ですぞ! なんと内々に伊達殿、前田殿、島津殿らの留守居が、なにやら話し合いをしているそうにございます」

「なんだと! 伊達? まさか遠山の差し金か?」

「そこまではわかりません。いずれにしても、この辺が一緒になると、相当拙いことになります。上知の件だけで無く、改革派も非常に危険じゃ!」

「ふ~ん。確かに、それだけの大名が集まるのは危険じゃ。そなた! 早急に遠山を探れんか? あやつが拘わっているとの証拠が出れば、謀反の罪を浴びせられる。今、奉行所の人間をつかうわけにはいかぬ。見つかってしまってはもっと悪いことになってしまうからの」

 この連中はまだ、無実の罪をなすりつけようとしている。

「わかった、例の御家人を使おう。が、しかし、敵もこの時期相当警戒していると思う。かなり難しいぞ」

「あやつらは、用が済んだら八王子にでもやれば良い。そして、あと気をつけねばならん奴とは誰じゃ」

「それは、当然、姉小路だろう」

「あ! あやつか!」

「おう、遠山とも、なにやら内密の話があったように聞く」

「く……あれは手が出せない。今後充分気を付けてくれ」

「分かった」

 と、二人は、まずい酒を呷る。

「しかし……」

 苦い顔で、鳥居は口を開く、

「ご老中は、上様お休みの所を押しかけて、今回のお許しを頂いたという。あれは、駄目じゃ。頭の切れるご老中にしては、あまりな御拙速じゃ」

「あ~あれか」

「うむ。あれでは上様のご指示というよりも、ご老中のご説得というのが、あからさまじゃ。皆の不満も一段と高まってしまう」

「そうなのじゃ。さすがに、御三家や大大名の方々は何も言わぬが、回りの声が高まり過ぎると、押し通すのが難しくなる」

「これは、我々にとっても一大事じゃ。存亡の危機と言っても良い」

 と鳥居は、自分の腿を叩く。

 そして、渋川に、

「まあ、とりあえずあやつら使っても良いが、早急に消さなければならん。承知しておいてくれ」

 それにはさすがに渋川が驚いて、回りを確認しながら、

「こ、殺すのか!」

 それには、鳥居も笑い。

「今、そんな目立った事は出来ん。まあ、陸流しといったところじゃ」

 安心した渋川は、

「それなら良い。承知した」

 そんな話をしている中、鳥居はある決意を固めていた。

 このままでは、自らの首を絞めてしまう。動くなら今じゃ。と言う事だろう。

 しかし彼も、引くも地獄と言う事を分かっていなかったようだった。


 翌日朝方、遠山屋敷の台所では、お華と省蔵親分と平吉が話していた。

「ごめんなさいね親分。こんなところまで」

 省蔵は笑顔で、

「何を仰います。お華お嬢様、して、御用とは何でございましょう」

 すると、そこに佐助が、駕籠を抱え入って来た。

「お華様、あ、親分達も」

 と軽く頭を下げ、

「お嬢様、今日の分の若生姜。持って来ました」

 と、元気よく言うのだが、お華は、手を振り、

「これ、ここでは小さな生姜って言いなさいと言ったでしょ」

 と笑う。

 受け取ったお華は、それを台所方のおばさんに渡し、

「いつもの様にお願い」

 と頼んだ。

 しかし、親分と平吉は、当然驚いている。

「お華様、あのような物、大丈夫なので?」

 するとお華は、

「ええ。あれは上様に御献上するの」

 と事も無げに言うものだから、二人は腰を抜かさんばかりに驚いた。

 お華は、

「大丈夫大丈夫。もうお許し頂いてるから。でも喋っちゃだめよ」

 と笑顔で言う。

 いや、二人にとっては、駄目も何も、上様御献上など、とてもではないが信じられない話だ。

 そして、お華は、

「佐助さんもいるなら丁度良い。あのね。三人でこの屋敷の周りで様子を探っている奴を見つけて欲しいのよ」

 平吉が、

「様子でございますか?」

「そう。どうもね、屋敷の周りを探ったり、客の出入りを調べている様子なの。親分指示の元、その連中を調べて欲しいのよ。そう、捕まえる必要はないわ。とにかくどこの誰かさえ分かれば良いから」

 親分が頷き、

「それでどうします?」

「うん。二人も分かればいいわ。それを兄上に報告しておいて欲しいの。捕まえることより、誰が動かしているのか、これが重要なのよ。下手すると南だったりするかもしれないから、そういって兄上に」

 親分達二人と佐助は、大きく頷いた。


(3)

 


 江戸城内は、益々紛糾していた。

 老中の水野は、さすがに城内の反発の雰囲気を察したのか、登城も休み勝ちとなっている。

 胸の痛みを訴えてということだったが、これは事実らしい。

 つまり、元々悪かったのだが、あまりのストレスで、悪化してしまったようだ。

 しかし、改革派も大将が居ないと、今後に迷いが生じる。

 そんな中、遠山は、阿部伊勢守に、城中の小部屋に呼ばれた。

「これは遠山殿。わざわざ呼び出してすまん」

 遠山は笑顔で正面に座る。

「いえいえ、伊勢守様。本日はどうなされました?」

 すると、阿部は少々恥ずかしげに、

「早速ながら、遠山殿にお願いがございましてな」

「お願い? あ、また大奥の件にございますか?」

 しかし、それには阿部は大きく手を振り、

「いや、違うのじゃ。あのな、遠山殿お手先のお華の件なのじゃ」

 遠山は、意外な話に驚き、目を丸くして、

「お華にございますか?」

「そうなのじゃ。実はな、我が奥が、どうしても会ってみたいと申しての……」

 遠山は更に驚く、

「奥方様にございますか?」

「一度、芸者と言う者を見てみたいらしい」

 それには、遠山も大笑いした。

「なるほど。分からない事もありません。さすがに大名のお方様では、会う機会もございませんでしょうし。とはいえ、変わった奥方様ですな」

「わしは、あの感応寺の折、一度挨拶したが、その話をすると興味が湧いたらしい」

 遠山は、なんども笑いながら頷き、

「承知致しました。私が、あれを伴って、近々お屋敷にお伺い致しましょう」

 と、明るく承知したのだが、真面目な顔に戻り、

「しかし阿部様。今は少々難しい。下手をすると奥方にもご迷惑をお掛けする恐れがございます」

 阿部は、すぐ理解し、

「あ~まあ確かに、痛くもない腹探られそうじゃな」

「さすが阿部様、お分かり頂きありがとうございます。ですから、少し様子を見てからということで宜しゅうございますか。さすがに芸者連れて行くのは危のうございますし、また、つまらん事が無い方が、より楽しんで頂けると思いまする」

阿部は明るい顔で頷き、

「あいわかった。奥にはその様に申しておこう」

「ありがとうございます」


「で、その件じゃが……」

 と、阿部も真面目な顔に変わる。

「そなた、上地の件どう思う?」

 すると遠山は、小さな声で、

「これは、もしやすると、意外に早く、奥方がお華に逢えるかも知れませぬ」

 この言葉には、阿部も頷き、

「わしもそう思っていたのじゃ。あまりに反対の声が大きい。わしの領地は備後福山じゃから、まあ安心しているのだが」

 しかし遠山は首を振りながら即座に、

「失礼ながらそれは甘うございます」

「なんじゃと?」

「はい。今回の件は、外国への備えというのが、一つの理由にございます。備後福山は殆ど海辺。何を言い出すか分かったものではございません。実際、一回目の江戸十里四方でも、越後長岡の新潟も上地になっております」

 阿部も、厳しい顔になる。

「そ、そうか。では遠山殿。どう動けば良いと思う?」

 阿部伊勢守という男は、人の意見をよく聞く男で、老中になった後もそれは続く。

 しかし、それが幕府を滅亡に導いたという評もあるが、難しいところである。

「では阿部様。出来ましたら、早急に紀伊様にご連絡を」

「ほう。紀伊様か」

「ええ。紀伊様も上地反対の筈にございます。なにしろ、伊勢松坂十五万石が、飛び地でございます。いくらなんでもこれを献上してしまっては、大変な事になるでしょう。それに、先の組合廃止で、船の優先使用権も取り上げられてしまっております。必ず、阿部様に同意なさるでしょう。そしてどうか上様への言上をお願いして下さいませ。これが、総意であると」

「うん。確かに言う通りじゃ。これはのんびり出来ぬな」

「はい。奥方様の為にも」

 と言うと二人は大笑いした。


 そしてこの日、城では大変な事が起こっていた。

 鳥居甲斐守が、とうとう水野を裏切って、上地反対をぶち上げ、機密書類を、もう一人の老中、土井大炊頭に全て渡してしまった。

 さすが妖怪。

 さらに、余計な事をしてしまった。

 将軍身近に仕える小姓、中山肥後守に、

「紀州家を除外して、上知をしてしまったら、たちまち天下の大騒動になりまする」

 と、耳打ちしたのだ。

すると実直の彼は、「お家の大事」と将軍の前で、水野の意見を採り上げぬよう、意見してしまった。

 しかし、小姓と言う職は、将軍側に仕えるからこそ、政治的な意見を言上するのは、重大な職務違反とされていた。

 さすがにこれは、水野派と言われる御側御用取次の新見伊賀守に、厳しい叱責を受ける事になってしまった。

 残念な事に、この日、小姓頭の高坂は休んでいた。

 庇ってくれる者が居なかったのだ。

 実直な中山は、叱責も当然の事と受け、自宅にて、腹を切って自害をしてしまった。

 翌日、この知らせを受け、小姓が上様に対し、諫死したと大騒ぎとなってしまった。

 将軍家慶は、相当の衝撃だった様で、中奥の小部屋に籠もって誰とも会おうとしない。

 事情を聞いた高坂は、激怒した。

 あちこちで情報を集め、ようやく真相に辿り着いた。

「馬鹿め! 何も自害する事など無いではないか」

 と、持った扇をへし折る。

 普段の明るい顔とは違い、この日は鬼のような顔をした高坂が、軽挙を叱責した新見を捕まえ、

「伊賀守! 上様の指図も無く、そなたが勝手に自害を申し付けたのか!」

 殆ど怒鳴りつけている。

 新見は、動揺していたが、表向き冷静な態度で、

「わしは、注意をしただけじゃ。中山は上様に申し訳無いと思い、腹を斬ったのであろうよ」

 などと申すから、高坂は切れた。

「おのれ、そなたは中山の(かたき)じゃ! 憶えておれ!」

 と、刀を持っていたら直ぐにでも斬り付けそうな勢いで、身分も何も関係無く、怒鳴りつける。

 新見は、恐れをなして、逃げて行ってしまった。

 さすがに上様に剣術を教えるほどの達人だ。さぞ、恐ろしかったのであろう。

 が、言葉とは裏腹に、高坂は座り込み、急にガックリと背中を丸める。

 自分がそこに居なかった事。 これが一番の問題と分かっていたからだ。

 しばらくすると、高坂の元に呼び出しが掛かった。

 紀伊家当主の代理として、附家老からだ。

 さすがに高坂は、背中を伸ばし、すぐに向かった。

 附家老は、直ぐにでも上様に当主がお会いしたいと言っている。

 高坂は、察した。

(こうなったら、上地など潰してやるわ)

 少々聞いたところ、紀伊家の要件は、上方の上地令の件だという。

 おそらく、阿部伊勢守から、背中を押されたのかも知れない。

 高坂は、直ぐに了解し、将軍家慶の了解を取りに中奥に走った。

 家慶は正直嫌だったであろう。用件は既に見通せるからだ。

 しかし、御三家の、それも紀伊では、無下には断れない。

 やむなく彼は承知した。

 まるで、休みの老中水野には関わりなく、全ての事がスムーズに進み始めていた。

 やはり、用件は上地の件であった。

 家慶は、正直疲労困憊で、激しい疲労の顔になってしまった。

 そんな家慶は、些かやけ気味で、

「わしはこれから、奥に行く、夕食もそちらじゃ!」

 と、小姓の高坂に言い放った。

 高坂は、

「それでは、本日、お側には?」

 高坂は、側室は誰を呼ぶか聞いている。それなら、直ぐに大奥へ連絡しなければならないからだ。

 しかし、家慶は、大きく手を振り、

「今夜はいらん。一人で寝る!」

 と、如何にも機嫌悪そうに、大奥への大廊下に向かった。

 それを見送り、高坂は、

(恐れながら、致し方あるまい)

  微かに笑った。


(4)


 さて、大奥は、ちょっとした騒ぎになっていた。

 特に知らせを受けた、姉小路は驚いていた。

 小姓諫死の一件は耳に入っていたが、あくまで表での事。

 所が、側室はいらぬ。一人で寝るなどとは、そうそうあることでは無い。

 彼女は慌てて、小座敷、蔦の間に向かおうとしたが、側に居た中臈の女達に、

「夕食の用意を急げ。そして例の物も忘れずにな」

 と念を押し、小走りで向かった。


 家慶の前に出た、姉小路は、深く平伏し、

「これは上様。突然のご来訪、いかがなされました」

 と、落ち着いた声で聞いた。

 すると、家慶は、

「姉小路! 済まんが酒の用意をしてくれ。酒でも呑まんとやってられぬ。冷やでよいわ」

 などと、将軍らしくない事を言う。

 姉小路は、逆らわず、直ぐに手配を命じた。

 届いた酒と盃。

 家慶に盃を渡し、姉小路は普段決してやらない、お酌をしている。

 姉小路は内心、

(これが、芸者というのかの?)とお華という名を思い浮かべて、心の中で笑った。

 それはともかく、

「上様。本日はどうなされたのでございます?」

 家慶は、疲れ果てた様子で、

「いや、紀伊殿との話は本にしんどい。飛び地はどうするんだとの、いやもう次から次へと……」

 姉小路は、大きく頷き、

「それは致し方ございませぬ。家臣とはいえ、御三家のご親戚にございます。ましてや、お家の大事とあっては、致し方ございませんでしょう」

「伊勢の領地は、上様ではなく、権現様が、藩祖に与えたご遺産にございますなどと申しおって」

「さらに上様は、八代様のお血筋。確かに何とも言えませぬな~」

 姉小路は口を押さえて少し笑う。そして、

「それよりも、お小姓中山様の件。お聞き致しました。誠に持って痛ましい事で」

 その話には、さすがに頭を抱え、

「それじゃ! これには誠に困った。普段からよく働いてくれる者であったからの……」

 その様な事を話していると、中臈連中が、また次々と膳と酒を運んできた。

 そして、姉小路が、

「上様。お疲れとは存じますが、少々、お話させて頂いてもよろしゅうございますか?」

 盃を前に出しながら、

「うむ。なんじゃ」

「上様。紀伊の件そして中山様の件。いかがなさるお積もりで?」

 彼は大きく息を吐き、

「出来れば、言う通りにしてやりたいのじゃが、水野との約束もあるしの~。困っておるのじゃ」

 姉小路は、ここだと思ったのか、一気に、

「やはり、上様は、この件、最初から、お間違いなさっていると存じます」

 家慶は驚き、

「何じゃと、最初から?」

「はい。上様は、八代有徳院(徳川吉宗)様の御改革は、当然ご存じとは思いますが、その折、八代様の上米の令はご存じですか?」

「おお、確か、飢饉にあった藩などに対し、米を与えるので、各諸侯から米を集めた、あれじゃろ?」

「はい。左様にございます。しかし八代様は、たかだか米を集める際にも、しかもご自分自身で、諸侯にお謝りになったとお聞きします。八代様はお分かりだったのでしょう。年貢の米とはいっても、それはそれぞれ大事な物だと。しかし上様はそれよりも大事な所領を上納しろと、越前ずれに一言ご命令なさっただけ。これについていかがでしょう」

 家慶は、さすがに、吉宗を持ち出され、さらにそんな話を聞かされ、何も言えなくなった。

「これは、最初から、上様直々にご命令なさるべきにございました。老中風情に一人、任せてはならなかったと存じます」

 さすがに家慶もガックリ項垂れた。

「なるほど、そうか……」

 そこで、姉小路は、もう一押し。

 少し声を明るくして、

「さて、上様。こちらの若生姜のお味はいかがでしょうか?」

 話が変わって、家慶は笑顔に変わり、

「おうおう、これ。そなたが用意してくれたそうじゃの。いや、今年は味わえないかとガックリしていたところじゃ。よく用意してくれた」

 姉小路は、平伏し、

「これはお褒めの言葉、かたじけのう存じます。しかし、これを用意したのは、実は私ではございません」

 家慶は少し驚き、

「ん? 一体誰と申すのじゃ」

 姉小路は、身体をあげ、少し笑って、

「上様は、以前。私がお願いした、遠山殿から願い出た、南町奉行所に捕まった女を助けて欲しいと書状をお願いした事、憶えておられますでしょうか?」

「ああ、あれか。憶えておるぞ。芸者じゃろ。あの後、小姓の高坂がえらい褒めてての。わしも一度見てみたいと思ったのじゃ」

「そうですか、高坂殿がそのように。そうでございます、今回この若生姜を上様にと上納したのが、その女、お華にございます」

 さすがに、家慶はその若生姜を箸でつまみながら驚いた。

「なんと。それは一体どういう事じゃ」

 姉小路は笑いながら、軽く頭を下げ、

「あのお華は、あの折、助けて頂いた粋な上様にお礼をしたいと、どこからそんな話を聞いたのかわかりませんが、農家からかき集めたそうにございます」

「ほう! 粋だなんて言われるのは初めてじゃ。なかなか面白い奴じゃのう。そうなのか」

「かの者も北のお手先を務める者。法令破りは承知の上ですが、それより上様の為にと言う事にございます。それを私の所に持ち込んで是非と……」

「これは、何とも良い話を聞いた。ありがたい事じゃ」

「これは、その女が仕掛けた戦いにございます」

 目を丸くし、

「戦いじゃと?」

「はい。粋な上様と言われた以上、上様がどう返すのか? という戦いにございます」

 と笑いながら、姉小路は続けて、

「上様? この娘を改革破りとして、お縄になさいますか? そうなりますと私も同罪となってしまいますが」

 家慶は眉を寄せ、

「何を言うておる。忠義の者を捕まえることなどできぬわ」

 そこで姉小路は、

「左様でございましょう。そうなってしまいますと、上様も同罪……」

 これには、家慶も大笑いした。

「そうじゃそうじゃ、こりゃ拙いの~」

 と、箸の若生姜を口に入れる。

 そして、姉小路は静かに言った。

「上様。もう、よろしいのではありませんか? 御改革は。江戸の者達も素直に従っております。しかし、こういった事は、やり過ぎに繋がりまする。つまり、水野などの下の者は、改革より、自分の出世の為に行ってる様なものにございます。これ以上は、危険にございまする。若生姜がよく表していると思いませぬか、上様は忠義の者さえ、罪に陥れてしまう事になりまする。どうかこの辺でご決断下さいませ。これが粋な返し方と言うものにございます」

 そして、姉小路はニコッとし、

「それに今なら、上様の罪も消えまする」

 家慶は、なんども頷き、

「そうじゃな。わしまで捕まっては、笑い話になってしまうな」

 二人は声を上げて大笑いした。


 翌日、大名旗本は、老中土井の命により、大広間に集められた。

 水野は、しばらく出仕を休んでしまっている。

 いや、もう気は失せてしまった様である。

 ちなみに、この日をもって、自身が書いていた日記も辞めてしまった。

 病は偽りでは無かったが、さすがに更に大きくなる避難の声は、更に病を悪くしたのだろう。

 さて、老中土井は、皆の前、大きな声で上地令廃止を宣言した。

突然の事ながら、城内は行儀には煩い場所の為、大声では無いが、低い、唸るような大歓声が上がった。

 それは、早速、四方八方、知らせが飛んだ。


 筆頭の水野に替わり、皆に宣言した土井だが、実は誰よりも一番喜び、そして大きく安堵していた。

 今頃、彼の領地の百姓などは、江戸に向け、訴訟に旅立つところだったかも知れぬ。

 危ういところであった。

 そして、同時に、水野の代理を部屋に呼びつけ、老中のお役御免を命じた。


(5)


 同じ日。少し経った、北町奉行所である。

 浩太郎は、つまらぬコソ泥をお縄に掛け、大門を入ったところで、親分に、

「牢屋にぶち込んで置いてくれ」

 と頼み、同心部屋に入ろうとした時だった。

 後ろの、奉行役宅の方から、大きな声を浴びせられた。

「浩太郎! 浩太郎!」

 吟味奉行佐久間の声だった。

 普段から冷静沈着の彼にしては珍しく、慌てた、そして和やかな大声だった。

 浩太郎は、直ぐそちらに向かい、片膝を着いた。

 すると、佐久間は、

「浩太郎! 聞いたか?」

 浩太郎は、首を振り、

「いえ、私は今、罪人連れて戻りましたところで、特には何も……」

 と言うと、佐久間は同じ様に浩太郎の前に片膝を着き、

「あ、あのな、ご改革が、改革が終わったのじゃ!」

 と、叫ぶ。

「え? お、終わったとはどういう事にございますか?」

 頷いた佐久間は、

「上地令は、中止となった。そして同時に、水野様は老中お役御免となったのじゃ!」

 それには、さすがの浩太郎も、全身の力が抜け、

「ま、誠にございますか?」

 佐久間が勢いよく頷くと、浩太郎は叫んだ。

「やった!」

 途端に、涙が溢れてきた。

「これで、もう、お華の心配はいらぬ。本当に良かった」

 浩太郎は、袖で涙を拭きつつ、

「はい。はい。誠に持って、ありがとうございます」

 と、両手を地面に付けた。


 そして、浩太郎は立ち上がり礼を言い、同時に同心部屋に走り、高橋に、今日は早めに引くことを告げ、大声で佐助と親分を呼んだ。

「佐助! 置屋のみんなを、直ぐ、すみやに来るように伝えよ。そして親分。手数だが、すみやに戻って、今夜は我が家で貸し切るから、平吉に伝えてくれるかい」

 蔵前の親分は、様子が変わった浩太郎に驚いて、

「ど、どうなさったのです、若」

 それには笑顔で、

「みんな揃ったら、伝えるよ。今日はすみやで宴会じゃ!」

 驚いた二人だが、言われた通り、深川、蔵前と急ぎ戻って行った。

 そして、浩太郎は、屋敷に戻り、

「おさよ。おみよ。今夜は、すみやにみんなで行く。仕度を急げ」

 あいにく、優斎は不在だった為、手紙を残し、みんなですみやに向かった。


「なんですいきなり」

 と、お華は口を尖らせ、おゆきの手を引きながらすみやに入り、兄に言ったが、それと同時に、優斎が後ろからやって来た。

「浩太郎さん!」

 と大きく一言。

「先生! やったよやった!」

 と、二人で何やら感動しているが、女達にはサッパリなのだが、一人、お吉だけは町の噂を耳に入れていた様で、

「若様、まさか?」

 頷いた浩太郎は、

「みんな聞け! 御改革が今日、終わった!」

 さすがに、お華が驚いて、

「終わったって、どういう事?」

 それにはお吉が、

「もう、芸者に戻っても大丈夫って事よ」

 と、手で優しくお華をはたく。

「え~終わったの?」

 今度は、優斎が、

「そうですよ、老中水野様が御役御免になったのです。もうご改革をする者が居なくなったって事です!」

 これで、店中、みんな笑顔で、大歓声が上がる。

「若様、お吉さん。先代が大変ご心配なさっておりましたが、何とか無事に抜けだしましたな。誠におめでとうございます」

 と、親分も涙声だ。

「そうそう、おみよ。お前さんも今日で自由だ。やっと戻れたな」

 と、浩太郎が言うと、おみよも涙で、

「旦那様と奥様。そして先生のおかげにございます。本当にありがとうございました」

 三人も笑顔で、頷く。

 するとおみよは、

「ただ、これまでの生活も私には楽しいものでございました。少々、残念な気持ちもございます」

 泣き笑いで言うと、優斎が、

「それはそうかも知れないね。でも、これは後々、役に立つような気がする。まあ、お華さんみたいなものですよ」

 との言葉に、お華はさっと、振り向くが、それより先に、浩太郎とおさよが、

「そうそう。お華よりよっぽど世間の為になるよ」

「ええ、何て言ったって、先生の助手も務められるんだからね」

 おみよは深々と頭を下げるが、お華は、どうも納得いかない様だった。


 それはともかく、しばらくすると、小上がりの向こうでは、お華とおみよ、そして、おちよとおゆきが四人で歌いながら遊んでいる。

 反対側には、浩太郎夫婦と優斎、お吉と親分一家が輪になって飲んでいる。

 そこで、浩太郎が、

「なあ、先生。ところで今日突然だったが、何があったのか知ってるかい?」

 それには、優斎が猪口頭上に、頭は下げて大笑いしている。

「なんだいなんだい、先生。何か知ってるのかい?」

 すると優斎が笑顔で、

「知ってるも何も……。お留守居様のお話だと、老中様の首を取ったのは、お華さんらしゅうございますよ」

 と、大笑いする。

 それには、他の連中は仰天した。

 浩太郎は、

「そ、それは一体どういう事じゃ?」

「はは、どうも若生姜で、見事首を掻ききったとか」

 誰より、隅の佐助が驚いて、

「先生! まさかあの若生姜?」

 そうじゃと頷き、優斎は、お留守居役から聞いた、事と次第を教えてくれた。

「まさか、あれが……」

 浩太郎は、腕を組み、頭を下げる。

 おていなどは、遊んでいるお華を横目に、

「お嬢様は大したものでございますね」

 と、唸る。

 親分と平助は何も言わないが、嬉しそうだ。

 すると、おさよが、

「まあ、武器は簪だけじゃないって事よ」

 と、夫婦で大笑いだ。

 そして優斎が、浩太郎に、

「浩太郎さん、以前、私に、これから、筆頭老中と深川の芸者の戦いが始まるとおっしゃてましたが、見事、芸者が勝ちましたな」

「それじゃ、それ。信じられんよ。芸者が勝つなんて……」

 とまた、浩太郎は涙に濡れている。


 その夜は、珍しく楽しく、すみやの時は過ぎていった。


 ~つづく~

 とうとう、天保の改革が終わりを告げました。

 しかし、天保編は、まだまだ続きがございます。

 どうか、しばらくお付き合い下さいましたら、ありがたく存じます。


 老中水野さんは、全くの悪者になっておりますが、実は、今に通じる大切な事もしております。

 経済の事実上、自由化政策。国の防衛政策など、今でも重要といえる事。

 例えば、印旛沼掘割事業などは、江戸湾が外国艦隊に封じ込まれた場合の緊急食料の為の水路開発であったりしています。

 何より、彼は改革中、蒸気船や鉄道の輸入も検討していた様で、もしかしたら、明治維新も違ったものになっていたかも知れません。

 ただ、日光参拝など、他に金を使いすぎ、沙汰止みになってしまった様です。

 やはりお華の言う通り、焦りすぎて、とても粋な老中にはなれませんでした。

 もしかすると、後世に酷吏ではなく、偉人として名前を残したかも知れないのに、残念な事です。

 

 やはり仲間が悪かったのでしょうね。

 彼らが全ての悪評を作っています。

 今後は、その顛末と言うことになるでしょう。

 本日はありがとうございました。

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