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いつか深海に眠るとしても  作者: 丘上
第三章 ドグ・カルマ星系
51/53

49.究極



 お昼前なのに薄暗く肌寒い終末世界、砂塵を透かしてシルエットが浮かぶ、半径一キロメートルくらいの敷地を高く分厚いコンクリートの壁で囲んだパチカスセントラル基地。山の(ふもと)とか海岸とか地形に合わせる事情がなければ、主要基地の設計はその国の標準があるらしい。効率的ではある。他所は地形が多彩だからそうならなくて面白い。


 高高度に待機するグリンカンビからの情報によると、基地正面入口前に高射砲や対戦車自走砲、キャタピラの戦車の類いなど、足が遅くて留守番を任された旧式兵器がまとめて布陣している。壁ももちろん機関砲塔や榴弾砲塔が上下三列に配置してあり歓迎の準備は万端。基地って敵を中で倒す発想は普通はしないから、外で迎撃する姿勢は正しい。自分の家の中で銃撃戦やったら後始末が悲惨よね。エスキモアに中で戦うユニークな基地はあったけど。


 基地の出入り口は他にもあって、敵が正面部隊と戦う隙に遊撃部隊が背後に回る、てな王道の戦術っぽい。別の入口から攻めれば正面部隊が動いて挟撃する。いにしえの攻城戦と構造は同じ。昔ほど城壁が頼りにならないのと時間稼ぎにもならない瞬殺がありえるだけで。


 車両が正面に千ちょっと、後方に塹壕が横に延びて二、三千人のパワードスーツを着た機械化歩兵が隠れている。地味に塹壕って一番有用な地形効果ね。遊撃部隊は車両が二百程度。てかさっき潰した足の速い戦車とロボットが遊撃の役割じゃんなにやってんだろ。


[そろそろ敵の射程に入りそう。散開からの突撃(チャージ)


『了解、てまた抜け駆けー』


 悪いわね。一番槍は渡さない。それに早くしないと先行して上空に潜むルーブが落とした。今っ。


『え、どこから』

『な、に?』

『EMP? チッ、全員スモーク()けっ』


 旧式兵器とはいえいまどきEMPは珍しくないから対策はとられている。故障してスクラップ、とはならない。遠距離からの弾幕はダルいから、復旧するまでの数秒の隙に接近する。中空を駆けながら視界の端に横切る射線が見えた。アドラー、どんどん狙撃が速くなるわね。あっ、ルーブ、流石に見つかるか。EMPの余波でなにかしらがアレしたか? 技術的な話は知らんけど。


『上っ、隠れてるヤツがいた』

『光学迷彩? 基地周辺の警戒どうした、子供騙しにひっかかんな』

『くっそシステム回復まで三、二』


 無防備なところを狙い撃ちされないよう、強風で一瞬しか使えなくてもスモークを反射的に使用した兵士は優秀。そんな彼らの頭上から一枚の羽根のように舞い降りたハイド&シーク。全兵器の中で四脚は操作が一番難しい。私もシミュレーターで訓練して扱うことはできるけど、四本の足で歩く感覚なんてないから合わない人は歩くことすら苦戦する。補助はあっても手足のように動かすには才能が必要かも。コツは四つんばいのイメージ。


 ハイド&シークは着地した低姿勢のまま超高速ターンした。電磁スラスタープラス多分時間差で四つのつま先の斜めに負荷をかけたのか。二脚ではできない変態機動とかアイツ仲間になってから乗り始めたのにもう使いこなしてんの。

 その勢いで振り抜き一回転ごとに柄を伸ばしたデスサイズの輪切りに車両の上部が九つ宙を舞い、勢いを利用したクラウチングスタートを中空で決めて飛び出した背後で電気系統が戻ったせいか爆発が起きた。やるじゃん。


『壁ぇー、そっちは撃てるだろなにやってんだ』

『お前らに当たってよければ撃ってるわ』

『それより前見ろくるぞっ』

『くっそ隊長機が次々狙撃されてるエリアS-3気をつけろ』


 なんの法則だったか。元祖ショットガンの名前しか出てこない。数の暴力は適切に使うと有用だけど現代はあまり当てはまらない。いや、時代は関係ないか。羊が率いる狼百頭よりってコートの袖にボタンをつけたネトラレスキーの言うように、各自思い思いに視界の利かない砂嵐の向こうをレーダーとFCS頼りに撃ちまくるだけの集団ってなんの脅威でもない。どうでもいいけどヤク中極道百人を率いる平凡なおばちゃんて絶対強キャラじゃねーか。


『火炎放射っ』

『先遣隊で分かってることだ慌てるな』

『旧式のほうが平気って皮肉だよな』

『違う後ろに行った歩兵警戒っ』


 そう、私は車両群に炎を浴びせながら高速で背後の塹壕に走り寄り、反復横跳びのような機動で空から炙った。分かりやすい機動をして予測撃ちされるのが怖いから、溝に沿ってピャーっと放射するのは我慢した。あと風向きを気にしないと自分にダメージくるから、風上に向かって前進する時は後ろ向きに放射とか細かく機体制御してたら敵は余計幻惑してるっぽい。


『あークソ、いったん出ろ』

『壁ぇ、フレンドリーファイア気にせず撃て』

『落ち着け、そう簡単に死にはしない』


 うん、パワードスーツは熱に強い。液体燃料がくっついて燃え続けるけど消火剤をかけてもらえば収まるし、余裕がなければ抜いじゃえばいい。むしろ戦線離脱を期待してのいやがらせ。そして陣形と壁の間に位置する私に気を取られていると、命取りよねー。


 敵前列の近くまで接近したナハシュ隊が一斉にロケット弾発射。左肩に積んだナパームロケットではなく、右肩から禍々しい黒穴を連ねた箱を向けて白煙を噴いた。

 バンカーバスター。着弾の衝撃では爆発せず、設定に従い土やコンクリートを貫いた先で爆発する施設破壊用の兵器。元はいわゆるゴッズロッド的に高所から地中に隠れる施設を狙ったけど、今は重力に頼らなくてもイカれた速度や性能を発揮するから方向は関係ない。


『なんだこの衝撃』

『まさか反応弾?』

『た、退避』

『まにあわ』


 全てのロケット弾が長大な壁の下部に水平に飛び込み、尖端がミニチュアの高周波ブレードになっているから強化コンクリートを生クリームのように貫き、厚さ十メートル前後はありそうな内部は鋼鉄の通路やトーチカが張り巡らされているはずだけど関係なく、内部の酸素を全て消費して、確かに反応弾と勘違いしそうな大爆発、いにしえのビル爆破解体のように一瞬で正面にそびえる壁全体が崩落した。自分でやっといてなんだけど、こうなるから自重は必要だったのよね。ありとあらゆる物がガラス細工のように(もろ)い。それは自分たちにも当てはまる。


[シーバっ]


『ちょっ、姐さん、ラゴー1ってせっかくのコールサインが』


 敵の注意が崩れた壁に向けられた隙に全員接近、半包囲による車両群への斉射を始めて、私も敵陣後方から高く跳んで中央へ帰って味方の様子を見ると、シーバ機の盾を構えていたはずの左腕が消えていた。盾をかすめて腕とか数撃ちゃ当たるのラッキーパンチをもらったか。いや、射線に対して向きが甘いからもらってるわね、まだ熟練には遠いか。


[機体にダメージ受けたら無理せず退がりなさい]


『こんなんかすり傷でもなんでもねぇっス』

『ラゴー1、ラッテ様の命令は絶対よ』

『ヤダね』

『シーバ』


 シーバの機体、なんかシーバ隊は全員好物の名をつけてどれがどれだか分からないけど、ガンナーのシーバはより前に出て右手に()げたガトリングガンを撃ち続けた。なにをムキになっているのやら。あとハッピートリガーのくせがまた出てる。


『姐さんのおかげでオレら、もう理不尽(せかい)にキレるだけのガキじゃねぇんスよ。でもまだ足りない。オレは姐さんの後ろじゃなく隣りに立ちてぇ。守れる騎士になって恩を返してぇ。守れない盾なんざいらねぇ。足がついてりゃ前に出るんだよっ』


 水を差して士気が下がって死なれでもしたら最悪だから黙るけど、帰ったらおしおきね。結果が全ての軍において全員生きて帰れば正解なんだけど、違反を無かったことにしたら規律が無意味になる。三日おやつ抜きにしたろ。まだまだガキでいいと知れ。


 全員ヤレヤレって肩をすくめる空気で射撃を緩めず一気に掃討戦に入る、前にレーダーに反応。戦闘開始から三分、遊撃部隊が時計回りに迂回(うかい)して私たちの背後に現れた。分かっていても対応が難しい王道戦術。普通はね。あのハリボテ王が無茶と断じたように、少数で基地攻略は愚策に違いない。ただ、こっちは勝算があるから始めてんのよ。


交替(スイッチ)、GO!]


『『『Yah!!!』』』


 全機同時に反転。背後の実弾系車両二百両に突撃する。と同時にグリンカンビも仕掛けを発動。


『は、故障?』

敵味方識別装置(I F F)がバグった』

『んなバカな、ありえねぇ』


 先日基地を占拠した折、条件をのめば爆弾を持って撤収すると約束して、約束通り爆弾を持って撤収した。爆弾だけは持って帰った。実は占拠しているわずかな間、敵が爆弾に気を取られている隙に透明化したルーブがコッソリ電波塔のケーブルにプー兄さんの作ったおもちゃを接続した。コントロールされる危険性は先の大量強制自爆祭りでお分かりのように、普通は軍事は特に、主要インフラの多くはオフラインで外部からの干渉をできなくしてあるけど、直接いじってグリンカンビとオンラインに変えた。多分半年か一年に一回は基地全体の定期点検をして異常に気付くんだろうけど、占拠されたらすぐ調べないとダメだよね。敵の約束なんて疑ったり言葉の裏を読まなきゃ。こっちもコイツらが国外で軍事行動しないなんて約束を守るとは思ってないからハメてんだし。


 ちゃっかり前線から退いたルーブが遊撃部隊の後方に回っていて隊長機の座標を送り、アドラーが上空から撃ち抜いた。混乱中にこれでほぼ決まった。IFFが作動しないということは、敵の動きを追跡演算してロックオンするFCS、火器管制システムが作動しない。手動で撃つことはできるけど、砂嵐で見えない戦場でレーダーだけを頼りに高速機動する敵機に照準を合わせるとか無理無理。もともと低い命中率が絶望的に下がった。


 心が折れて立ち止まる車両群は一瞬で蜂の巣にして反転、まだ壁の崩落に巻き込まれて通信が荒れまくってる正面部隊に突撃した。


『総員、た、退却ー』

『基地司令はなにやってんだよ』

『第一声が退却て、逃げるとこねぇんだから降伏だろうが』

『なにコイツ、これで将校ってマジ?』

『あのな、この国にまともな貴族が残ってると思うか』

『おいお前らせめてくしゃみとかでぼかせ』

『構うか、こんだけ死人を出して責任取らねぇなら俺がコイツを殺す』

『だな、金で爵位を買った無能が』

『こちら司令部、アイツもう地下都市に逃げたぞ』

『『『やってられっか』』』


 ま、茶番よね。命令系統すらグダグダなのに今まで抵抗していたのが不思議。なんか下士官以下の反応を見ると、庶民は体制の変化を身近に感じてないような? 上官が無能と知った上で従い戦友を失って悪態ついても同情に値しない。自分の身に係ることなのに国政に無関心、それもまた終末期の特徴か。


[いったん攻撃停止。十分後に残りの弾薬全部基地にぶち込んで帰りましょ]


『はーい』

『ラッテ様、警戒をっ、来ます』


 火炎放射器の燃料もほぼ使ったし、当分立て直しはさせないという意図で無人になった施設を破壊するつもりだけど、これにて戦闘終了、と思ったらレーダーに反応あり。思っただけでもフラグって立つのか。


 基地内から微かに風切り音が混じったと感じた時には頭上にホバリング巨大メロンが現れた。フェイク映像ではない実物は砂塵の陰影に浮かび鈍く光って質感に迫力がある。でもメロンだからなぁ。アレで飛べるのがなんか納得いかない巨大プロペラに網目から覗く無数の銃眼は、私集合体恐怖症じゃないけど鳥肌が立つ。アスモデウス、だっけ。そういやいたな、なんで今まで出さなかったんだろ。


『どいつもこいつも役立たずの無能どもがっ。私の作ったアスモデウスは最強だ。落とされたから弱い? ふざけるなっ! 下手な運用を棚に上げて臆病風に吹かれおって。私が手本を見せてやる』


 なんで悪党って全部説明してくれんだろ助かるぅ。癇癪(かんしゃく)持ちの甲高い声から不健康そうな痩せた白衣姿のオッサンを連想できる。自己啓示欲だか承認欲求だかが強い自称天才エンジニアさんかな。てことはやっぱアレかぁ。


『おいおいおい、退却中だ見て分かんねぇのかよ』

『フレンドリーファイアする気かバカヤロー』

『上手な運用ってなんだよデカい的が回避できるつもりか』


『誰がバカだ雁首揃えてなんの損害も与えられない愚民が偉そうに。せめておとりの役目を果たして死ねい』


 あーはいはい、勝ち負けはどうでも良くて、疲弊したタイミングで襲って私たちを倒せたらそれでいいと。どーせ逆恨みかなんかだろうな下らない。

 私は両手の火炎放射器を落として空を飛んだ。不意打ちしたくせに無駄話してくれてありがとう。なんで悪党って待ってくれんだろ助かるぅ。


 私の武装は左腰に佩いたサーベル、右肩にマウントした小口径のレールガン、両足にパイルバンカー、最後に左腕。小盾(バックラー)のような楕円形から甲に沿って銃口が覗く。ホントはナハシュが初めてお披露目するのがエモいんだけどゴメンね。


 ブースター全開の亜音速で上空を駆け上がりながら出力メーターも急上昇。一秒にも満たない間に巨大メロンが間合いに入る。おーい素人、おしゃべりに夢中になってないでちゃんと見えてるぅ? お前と違って本物の天才、いや秀才だったか、ナハシュの弟、ウルト・ディア・セルピエンテが基礎理論までは書き上げて、プフェート・ウッドストックが完成させた、小型のメガ粒子砲の最初の獲物になる栄誉を授けよう。


 重力子を一点に集めて重粒子に質量の増加、並びに時間加速、そこだけ時間の流れが違う空間を通り過ぎた重粒子は限りなく光に近い速さで撃ち出される。色はなく、粒子加速器で生成する過程で光りはするが発射自体は光ることもなく、重粒子を一度溜める構造上、量が限られているから放出できる時間はコンマ数秒。イメージはウォーターカッターの光速バージョン。切るのではなく削る。でも所詮は粒子、宇宙だったらレーザーと同等の射程と威力を出せるけど、地上は重力と空気抵抗によって近距離しか使えない。言い換えると近距離は使える。ほこりの類いだけでも威力がガタ落ちするレーザーと違い、半径百メートル圏内にある、分子以上の物質であればこの世に斬れぬものなし。


 ザン


『『『ファーーーー?』』』


 左腕を振り抜き一閃。究極の刃(ウルトセイバー)。技名叫ぶ趣味はないからプー兄さんとかは勝手に叫んで喜べ。巨大メロンは直径二百メートルはあるから真っ二つにはならないけど、引き笑いのような敵兵たちのリアクションを背に、中心を超えて百数十メートルは線状に(えぐ)れて落下した。有効射程百メートルから先は威力ゼロって意味ではないからそうなるのか。ふむ、どこまで届くかランダムって気をつけよ。あと巨大メロンは落ちてから反応弾のようなというかどうせ反応弾を爆発させた前例があるからみんなにも声かけて離れとこ。爆発自体はしたけりゃすれば? こんな荒れ放題の星で今さら放射能汚染とか知ったことではない。


[爆発なし? 今度こそ終わった、かな]


『クックック、いーや、こちらに合わせる優秀なヤツがいるらしい。ウーミンインダストリが支配するオーヨウ王国のほうは掃除終了。おもだった王侯貴族も企業の専務以上も全員死亡。オーヨウ王国所有の防衛軍(D F)宇宙(S)ステーション(S)が現在落下中。実は三十分前には落ち始めていて、マスコミは報道規制が敷かれて困惑中、庶民は知らずに鼻ほじってこの配信を観ている。各国の王侯貴族は宇宙に脱出するため軌道エレベーターに殺到。惑星ファウトゥースは終わりと判断したらしい』


 やめてよ鼻ほじってフリーズするバカ面浮かぶじゃん。そっかー、ウーミンインダストリは放っといても自滅するとは思ったけど最悪の展開に進んだかー。


[どこも撃ち落とせないの?]


『どの国もDFSSは撃ち落とされないために最高技術を注ぎ込んでいるわけで、CIWSが優秀だからな。ミサイルの類いはレーザーに迎撃される。自国のSSとの連結を外す際にスモークを焚きまくってレーザーも無効化。どの道鏡面装甲が貼られているからレーザーは無意味だが、パルス兵器の対策か。とっくに大気圏突入を始めていて、他国のDFSSに駐留する戦闘機も手を出せない。ああ他力本願寺のモブ一揆コメントうっとおしい黙れ』


 自分で煽っといてよく言う。


[地上はー、たかが弾道ミサイルも撃ち落とせないようじゃ無理か]


『一言で想定外ってやつだな。ザ・無能の常套句。反応弾や対消滅弾を山程積んだDFSSが墜落して星がパッカーン割れるまであと三十分くらい。視界がこうじゃなきゃ空に見えてるかも。ま、俺たちには他人事だから関係な……、いこともないか。お客様さんだぞ』


 なに? 反射的に空を見上げてもなにも見えないけど、レーダーには反応があった。私のタケノコと同じように宇宙から降下してきたナニか。それは高度五千メートルあたりまで減速してからは加速してきた。外殻をパージして飛び降りたか。そして私の駆るスカアハの前にブースターでブレーキをかけながら着地。


 キャタピラのロボットだけど高さはスカアハと同じくらい。横幅は倍あって腕が四本、普通の腕の裏側、背中にズレる位置に後ろ向きの腕がついている。背後対策か。どうやって操作するのか謎な異形。ガトリングガンにショットガンにサブマシンガンにアサルトライフル、肩に垂直ミサイルとグレネードランチャーか。なんとなくベンケーと名付けたい。少し緊張感の漂う沈黙のあと、ベンケーから声は成人女性っぽいけど口調は幼くたどたどしい通信が入った。


『あ、アタナシア……、れ、レミングス、の、ら、らー、ラティシス、ウッドス、トック、いざ、じんじように、し、しょぶ』


[ふふ、ええ、喜んで、待ってたわよ]


 ようやく現れたか。ファウトゥースが地球をなぞる以上、いるとは思っていた。


 人類のエゴの犠牲者。もしくは、ディストピアの主役。


 狂った天才科学者と、反逆の強化兵士(ハイ・ソルジャー)


 前者は肩透かしだったけど、コイツはヤバい。肌が粟立ち武者震いが止まらない。まばたきも許されない。


 いいじゃない。全力で死合ましょう。 

  



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