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いつか深海に眠るとしても  作者: 丘上
第三章 ドグ・カルマ星系
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44.義勇



 貴族が嫌いだった。


 星のターニングポイントはおよそ三十年前、わたしが生まれる少し前、連鎖災嵐(チェインストーム)と呼ばれるもう終わりのない惑星全土の暴風災害が始まり、ファウトゥースは環境破壊が止まらず地球の二の舞を演じたことから王侯貴族の権威が地に落ちた。とはいえ、軍需産業から侵食して政治も乗っ取るほどに成長できた巨大企業はほんの一部。ほとんどの国の王家はそこまで主権を渡しはせず、ただ世間から白い目を向けられていることは自覚しておとなしくしている。


 そうなると、イメージ上の世界地図は企業がリードする華やかな国と、地味で冴えない国に分かれ、当然の如く墨汁の染みのように広がっていく。吸収された国は、休み明けデビューの同級生くらい痛々しく変わる。具体的に言うと平均睡眠時間がゴッソリ減る。周りに置いて行かれたくないと、社畜が量産される。


 わたしの生まれ育ったショキープ王国はそんな流れから取り残された、世界地図上の辺境だった。強制スローライフな貧乏国と笑われはしても、子供のわたしは特に不満を感じなかった。家族経営の小さな家電会社から見える景色がわたしの世界だった。


 身近に災難が降りかかり、身分の壁に煩悶(はんもん)したのは学業を終えて父の会社に入社したころだから十八歳、もう七年前になるのか。

 当時付き合っていた彼氏が交通事故を起こした。追突された、完全な被害者。なのに賠償はなく、保険も下りず、自費で修理する羽目になった。意味が分からない。でもあるある、そう、貴族絡みの話だ。貴族は法的にあらゆる面で優遇される。不公平で当たり前、なんなら被害者のはずが加害者にされる理不尽な話すら聞く。


 だから貴族なんて嫌い。他星はともかくファウトゥースではもう無能の烙印を押された置物のくせに、いつまでも何様のつもりだろう。

 本当はこの話には裏がある。貴族特権を利用して罪から逃げたのは、貴族と懇意な企業関係者だったらしい。所詮他人の話だから真偽は謎だけど、犯人が誰とかそういう問題ではない。

 彼はこの一件を堺に人が変わり、わたしとの縁が切れた。落ちぶれたような噂は耳にしたけど聞きたくないから知らない。今となっては青春補正された苦い思い出。当時はこんな理不尽を許容する社会に(いきどお)り、貴族という存在を恨んだっけ。


 貴族を上回る企業にのしあがってやる。大袈裟だけどあのころのわたしの原動力ではあった。

 企画室に配属されたわたしは、家電の歴史の勉強から始めた。家が家だからある程度は学んでいたけどアイデアのヒントを求めて。技術はまったくない。将来的に社長候補だから税の処理など事務系、他にテーブルマナーなど社交スキルを履修していて、現場を知る意味で未知の畑に放り出された。


 家電は面白い。知れば知るほど奥が深い。例えばモイスチャーの前身、電子レンジは軍がレーダーを開発する過程で生まれた。冷蔵庫も野戦病院で薬を保管する重要性から生まれたらしいし、殺伐とした環境も後の家電に繋がることがある。逆もありか。掃除機が戦闘機やロボットに、電子レンジがEMPに転用は技術の可能性に驚く。


 家電そのものだけではなく、家電と関わる人間の心理も面白い。地球の時代の洗濯機について、透明なふた越しに回る洗濯物をいつまでも見てしまう魅力があったらしい。なにそれ? 現代の洗濯機は密閉された箱の中、洗剤の混じったミストの空間を風圧で浮かせて超音波で汚れを飛ばして、ただのミストで洗剤の残りをそそいで乾燥、一回あたり適量の洗濯物を入れて三分もかからない仕上がりになる。回る洗濯物のなにが良いのだろう。


 ダメ元でプレゼンして、制作室に試作してもらった。植物プランクトンから原油、ナフサと精製して古代のプラスチックを再現するのが大変だったらしい。モノづくりが好きなおっちゃんたちは楽しんでいた。

 そして実演。透明な窓の向こうで太ったハムスターの車輪のような、牧歌的なナニかが心に響いた。アンタら何を急いでいるんだい? と問われているような時間の隔たりを感じる。本物のスローライフとはこういうことなのか。


 “時間をかける、という贅沢”


 生産施設を一から作ったせいで最新の洗濯機とあまり変わらない値段設定になってしまったけど、機能性の低さをウリにものは言いようのキャッチコピーを添えて販売してみたらスマッシュヒットした。モイチンで解凍しただけのステーキと、シェフが目の前の鉄板で焼いてくれた肉と、科学的には同じ味だったとしても違うナニかが満たされてウケた。

 世の中は寝る間も惜しんであくせく働く分刻みのスケジュールが常識となりつつあり、そんな世相にハマったのか、ショキープ王国から周辺国へ、ぼけーっと眺めていられる不思議な洗濯機が広まり、二匹目のドジョウを狙ってウスにキネをペッタンペッタンつく餅つき機を作ってコケたころ、流石に他社に便乗というかパクられた。古代の掃除機だのドライヤーだの、軒並みコケてた。ざまぁ。


 そして二年前、父が過労に倒れた。皮肉なことに一息つける商品がヒットして会社が大きくなって一息もつけなくなってしまった。

 悲しむ暇もなく跡を継いだわたしも夢中で走り続けた。入社した時は従業員二十人もいなかったのに、十年も経たず五百人まで膨らみ、小国とはいえショキープ王国のトップ企業に成り上がった。


 規模が大きくなると成功も失敗もリターンが大きい。他人の思考の方向性を洞察する機器のアイデアを聞いて売れると思った。感情についてはまだ分からないことは多い。というか人の内面は普遍的な言語化なんて不可能だとは思う。それでも二十四種の基本感情論に基き空気中のフェロモンを検知と分析することによって、対面相手が今どんな思考をしているのか察するガジェットなんて画期的と震えた。


 ……売れなさすぎて震えた。え、なんで? わたしずっとつけてるんですけど。毎日つけて出勤してるんですけど。女子力アップを実感してるんですけど。誰もが畏敬(恐怖+驚嘆のフェロモン感知)の念を向けてくるんですけど。


 わたしは幾つかの事業部門の所有権をしたためた証券を見下ろしてため息をついた。基本は家族間で受け継ぐ有価証券だけど、社員に給料を払うこともできなくなったら売りに出すしかない。つまり倒産だ。


 とはいえまだそこまでは崖っぷちではなかった。十年ほど前からエスカレートする戦争の行く末が深刻になり、反戦意識が高まり、ここ数年はまったく戦争がないという誇らしい平和が続いた。世界規模で人が増え、先行きが明るく、購買意欲も高い。我がイナバンバウ商会が盛り返すチャンスはきっとある、はずだったのに、最近いきなり世情が荒れた。


 シャンデストリ王国が他星からきた無法者(アウトロー)にいきなり宣戦布告? 常識に照らすとリュックザイテ社が敵視しているということになる。何者だろう。

 同時に凄まじい速度と勢いでその者の動画が噂されて、わたしも視聴した。チャンネル登録と高評価も押した。宙賊を倒すっていいことしてるじゃない。ショキープ王国は小国が共同運営する採掘コロニーの恩恵に(あずか)って必要な鉱物資源は確保しているけど、自前のSSを持ってなくて他国経由だから輸送費がばかにならない。弱小を積極的に狙う宙賊は心の底から消えて欲しいと願っていたから動画は胸がすいた。


 その彼女にシャンデストリ王国の宇宙軍が問答無用で襲って返り討ちにあい、その後何故かエスプリ文書と呼ばれるリュックザイテ社の悪事を糾弾する証拠が暴露されて、あれよあれよという間に失墜した。この騒動はなんだろう? 蚊帳の外のわたしたち庶民には分からないなにかが起きている。


 そこまでは対岸の火事だったけど、なんとセネナゼーデン王国、つまりはテシガワラ重工がショキープ王国に戦争を仕掛けてきた。意味が分からない。世界征服するつもり? 子供か。基地の占領、すなわち勝てば家電の輸出入制限の緩和、なにそれ? え、ピンポイントでウチを狙ってない? 最大手がこんな小国に進出してきたら、ウチなんて広告戦略だけで潰される。


 なんかもう……、敵が強大すぎて抗う気も起きなかった。それなのに社員ときたら。


 「軍に申請をお願いします。俺たち二十八名、イナバンバウ商会の看板背負って義勇兵になります」

 「なに……、言ってるの? そんな無茶、許可するわけないでしょ」

 「心配しなくても俺ら、元軍属だから基礎はできてます」

 「軍の足手まといだから行くなじゃなくて、死ぬなと言ってるの」

 「俺ら、機材の運搬とか設置とか、体力しか取り柄のないバカなのに先代に拾ってもらって、社長にも本物の家族より家族のように受け入れてもらえて、ここが俺らの居場所なんス。黙って奪われるつもりはないんス」

 「でも」

 「今ここで恩を返さなかったらカッコつかないんですよ、頼みます、社長」

 「「「社長」」」


 ただ同然で生活が保証される軍人養成学校(ファーム)に行く子供は家庭に問題がある場合が多い。ファームは体育会系の極み。序列が厳しく原始人レベルの精神論や体罰もまかり通る、理不尽の巣窟。そこを耐えられるって、家よりマシということ。

 わたしより年上のおっさんたちがそろいもそろって不良少年みたいなツラしちゃって。わたしも下向いてるわけにはいかないじゃない。


 ヤケというならヤケには違いない。負ければ全て失うならせめて戦場に立ってやる。そしてわずかな希望を託してあの傭兵団のホームページにも依頼を出しておいた。


 役人に見得をきって戦争参加の手続きを行い、本番に備える。わたしは熱に浮かされ愚かな選択をした。そこに気付いたのは初めて地上に出て、非戦闘員だからと放置された基地司令室の片隅にて、飛び交う通信の怒声と実物(リアル)の死を感じてからだった。


 『C-8、直撃じゃなくても熱波ヤベェ(こっち集中されてんぞっ)、なんとかならんか?』

 『壁溶けてんじゃねぇか(ジャムったざっけん)、耐熱処理したとか嘘だろ』

 『ァ゙ァ゙ァ゙あづ、たす……(衛せ、クソぉっ)』

 『砲塔が使いもんにならねぇよ、いったん退避する』

 『ダメだ、潰れるまで撃ち続けろ』

 『……あああくたばれくたばれくたば━━』


 報道番組や動画でいくつか観たことのある戦争は、編集されたフィクションと知った。観ても大丈夫な映像と、聞いても不快にならない台詞の切り抜き。そんなアクション作品と勘違いしたイタい一般人が現場に来てみると、司令部に並ぶモニターに映る壁の内側はどれも焼却炉に入れられたような、生きた人間と死んだ人間、聞こえる音声のほとんどは悲鳴か罵声。

 わたしは放心してしまった。ここはなんだ、地獄? 夢を見ている時のように現実味がなく、思考が働かない。


 『チェーンガン稼働率四割きりました』

 『敵防衛突破、入口警戒、くるぞっ』


 ぶるりと震えた。敵が入口を潜れば最終防衛陣、義勇兵が、みんなが武器を構える先に現れる。みんなも燃えるの? 熱さに叫びながら、あるいは一瞬で燃え崩れるの?


 気付けば司令官近くのオペレーターが使っていた無骨なスタンドマイクに叫んでいた。八つ当たりなのは分かっている。作戦前に偉そうな軍人からくれぐれもおとなしくしていることを命令されていたから、迷惑をかけたら最悪撃たれることも分かっている。でもわたしにできることが他に思いつかなかった。


 なにをどう話したのかちゃんと思い出せない。半ば錯乱していて、支離滅裂な言いがかりで挑んでは正論でぶん殴られた気がする。


 『貴族は見栄を張りたくて、カッコつけたくて貴族を名乗るの』


 嘘つき。カッコいい貴族なんて知らない。見たことも聞いたこともない。入口から敵戦車が侵入し、壁を越えてロボットが降ってきた。ああ、みんなが。


 「貴族は日常が戦場であるなら、あなたはいつでも死ぬ覚悟があるのですか?」


 『ないけどあるわね。そりゃ死にたくはない、そこはカッコつかないけど本音よ。でもダサい真似はもっとイヤだから背は向けない。武士道とは死ぬことと見つけたり。自由と引き換えに命の軽いこんな時代、死ぬのが怖くて生きてられるか。意地汚く逃げるくらいならカッコつけて死地に飛び込んでやる。名もなき大勢の庶民の理想や憧れを背中で受ける貴族はその信頼が、誇りが命より重いの。武士は食わねど高楊枝、腹がへってもそんなそぶりは見せない面倒くさい生き物なのよ』


 嘘つき。王侯貴族に憧れなんてない。特権を振りかざすだけの無能。誇りが命より重いなら、何故コイツらはまだ恥知らずにも生きている? 何故この戦場に王がいない? 貴女も宇宙から偉そうに。ああ、壁の内側も赤く、入口を半包囲した戦車群も溶岩を被ったように。


 「わたしは死ぬ覚悟なんてありません。誰だって死にたくない。でも攻められたら武器をとるしかないでしょ」


 『死にたくない庶民は戦場に立たなければいい。自軍が負けるところを安全な場所から観てればいい』


 “くっそ、前がロクに見えねぇ”

 “ああ、服がくっついて痛ぇよ”

 “なんで、こんな、なんで”


 「我が社が倒産するじゃないっ!」


 居場所と言ってくれたみんなが、みんなが。


 『そう、簡単な取捨選択よね。優先順位を決めて、おとなしく消えるくらいなら抵抗しようって志なんでしょ。立派よ立派』


 倒産するなら特攻してやる? 違う。勝って、生きて帰らなきゃ意味がない。


 「どこも立派じゃないわよっ! どこが進歩よ。健全な殺し合いなんてあってたまるかぁっ。お貴族様の都合とやらで、わたしたち庶民が生贄にされて、普通に経営することすら難しくて、なんで、なんで、ただ生きたいってだけで血と涙を流さなきゃいけないのよ。ねぇなんで、教えて」


 ずぅっと偉そうに。なんでも答えられるなら教えてよ。この不条理を押しつける連中への怒りはどこにぶつければいい?


 『本当は身分なんて関係なく誰だって戦場に立っているからよ』


 「え」


 『差別、いじめ、貧困、ハラスメント、同調圧力、マウント合戦、全員自己中、なにやっても運次第(ガチャ)、現実は地雷原、人間関係はストレス。誰だって知ってる真実でしょう? 目を逸らして答えを聞くな。誰もが理不尽で無慈悲な戦場に立っているからこそ、虚構と分かっていても人はヒーローを求めるの。届かないと分かっていても貴族はヒーローを演じるの』


 嘘つき。貴族のヒーローなんて見たことがない。今ヒーローを演じているのは━━。


 モニターのひとつに見知った顔が。パワードスーツを着たみんなはカメラに向かって強張った笑顔を見せて、フェイスシールドが下りると一斉に薄暗い通路から明るい出口に飛び出していった。いやだ。いやだ。


 「嘘つき。助けを求めたのに無視したじゃない。出したくてもこれ以上のお金なんて持ってない。あとは倒産寸前の我が社、イナバンバウ商会の有価証券、まるで価値のない経営権くらい。エスキモアの辺境伯家の反乱に手を貸した動画は観ました。全部差し出したら助けてくれるの?」


 『最初からそう言えばいいのよ』


 なんて?


 『察しろ、光より速く』


 なんで?


 『民間人が戦場に立って泣きべそかいて生きたいと叫ぶ、そんなSOSを出されて見殺しにする貴族は偽物だっつーの』


 そう、今戦場に立ってカッコつけているのはわたしの仲間。


 『義を見てせざるは勇なきなり、義によって助太刀いたす』


 本当に来るのか信じられなくて戸惑っていると、近くの司令官に声をかけられた。


 「お嬢さん、いや、デュボンヌ殿、だったか。困るんだがね、敵味方全員聞かれるオープン回線でなに言っちゃってくれてんの」

 「……すみません」

 「はぁぁぁー、奇跡でも起きなきゃ一度傾いた天秤は逆転しない。被害が膨らまないうちに地下通路からの退却命令を出すつもりだったのに、明らかに士気が変わったよ。どうしてくれんの」

 「え?」


 強面(こわもて)の壮年がヒゲをたくわえたあごをしゃくった先、モニターを見るとどの軍人も目が血走り、狂気に取り憑かれたかのように歯を剥き出しにして笑っていた。


 [ニッキ・ガスト基地司令官ギブソン大佐より、総員聞け。他所者に散々煽られて、確かに護るべき民間人も直接応援してくれてるのに、軍人が尻尾を巻いて逃げるわけにはいかんよなぁ。俺だって伯爵家に連なる貴族だ。もうここを死地と決めた。悪いがお前ら、今日ショキープ王国が、俺たちが世界一カッコいいと見栄張るために死んでくれ]


 『『『『『イエッサァァー!!!』』』』』


 『ロボットの空中機動につられるな、射線は地上に集中しろ』

 『っし、砂嵐の向こうに爆発見えた。イケるぞ』

 『こちら義勇軍、エリアR-3クリア』

 『おいおい歩兵火器に負けんな』

 『十字砲火(クロスファイア)で端から削っていけ』


 [基地の損害とかセネナゼーデン王国との関係がどうとかセコい計算はなしだ。第三機甲部隊、エレクトロン焼夷弾使用を許可する。オーバーヒート寸前のクズどもに灼熱地獄をお返ししてやれ]


 その兵器の使用のなにが不味いのか分からなくて首を傾げると、司令官は自嘲気味に口の端を歪めた。


 「旧式も新型も関係なく、核やバイオといった環境汚染を伴う兵器や、いわゆる非人道的な手段はご法度だ。人道非人道の線引きはエゴではあるが、まぁ分かるだろ。パルス弾なんて爆発させる宇宙で使う兵器であって地上向けじゃねぇよ。だからこっちも、本来は退却時の足止め兵器なんだが使ってやるさ」


 企業が出しゃばるようになってモラルもクソもなくなった。ふた周りは年上の彼のつぶやきに、何故かは分からないけど鳥肌が立った。もしかしてわたし、どこか間違っている?


 同時にモニターのひとつ、中継映像に光り輝く物語。死地に単騎駆けしてきた中世騎士、いや、威風堂々とサーベルを抜き放つ女神。現場はともかく司令室の全員息すら止めて釘付けになった。まばたきする間もない蹂躙。無線の雑音が余計に静寂を強調する中、司令官がささやいたうわ言が全員の耳に届いた。


 「これが……、空をなくした俺たちが知らない……、音速を超えた戦場でエースと呼ばれる絶対強者か。そりゃカッコいいわ」


 ね。リアルがフィクションを超えてわけ分からない。




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