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六十五話 交錯

2022年 七月 二十五日 新宿御苑ダンジョン


僕たちは新宿御苑ダンジョンへと到着した。新宿御苑ダンジョンの周りには、キープアウトの文字が書かれたテープが巻かれていた。まだ早朝だというのに、新宿御苑ダンジョンの周りには組合員や銀級以上と思われる冒険者たちがちらほらと見受けられた。僕たちはダンジョン組合員に誘導されながら、入口の目の前まで辿り着いた。地上の空は晴れているのに、外から見えるダンジョンの入口はそれとは対照的に暗かった。

竜が出て来れるほどに大きく口を開けたダンジョンが僕たちをただ口を広げた待ち構えていた。


「行くよ、三人とも」


そして、僕たちはダンジョンの中へと足を踏み入れた。

入るものを拒まないダンジョンは僕たちを軽々と呑み込んだ。相も変わらずダンジョンの壁は無機質な岩の壁であった。外からは暗く見えたダンジョンの中は、中に入るとさほど暗くは感じなかった。壁から発生される光が辺りを容易に視認できる程度は明るく照らしていた。

僕たちは、喋ることはなく、ただ階段を一歩ずつ降りて行った。このダンジョンは最低でもゴールドであり、昨日竜が出てきた事を加味すればブラックと言っても差し支えのない危険度であった。

未だ階層についたわけでは無いけれど緊張感が僕たちの中を駆け巡っていた。

遂に僕たちは、一階層の目の前まで降りてきたのだった。


「昨日、話したように何が起こるかは全くもって分からない。適宜対応して行くよ。準備は良い?」


レナたちは僕のその言葉に力強くうなづいた。


「じゃあ、行くよ」


そして、僕たち四人組は、一階層の中へと足を踏み入れた。

ひとまず、入ってすぐにモンスターが襲ってくることや、攻撃が飛んでくることは無かった。

辺りを見渡してもモンスターの気配は今は無かった。迷路のようになっている空間がそこにあるだけであった。遠く先まではよく見えなかったけれど、近くにはいくつかの分かれ道があるのは見えた。


「めんどくさいダンジョンになってるね」


既に罠を感知するための魔道具をつけたレナがそう言った。


「地図もないからどこが正解なのか分からないっスからね」


「うん。・・とりあえずノアは一番後ろにいて」


「・・・・ああ」


「レナ、罠はどう?」


「んー、今のところはまだ大丈夫。ここら辺は罠は無いよ」


「分かった。とりあえず罠があったら、教えて」


「うん。了解」


「それで、どう進む?」


たった数メートルだけでも既に三つの分かれ道が見えていた。地図がため、華の言う通りどの道が正解か、どこの道が危険かなどは一切分からなかった。だから、その分いつもに増して警戒して進まないといけなかった。


「とりあえず真っ直ぐ進んでみない? シンプルだし」


「え、私は左っス」


「僕はどちらでも」


「んじゃ二人でじゃんけんしてよ。僕もノアと同じだから」


そして、僕たちは分かれ道を進むことは無く、直進していた。結果から言えばレナがジャンケンで華にチョキを出して勝ったのだった。

レナが昨日も言っていたけど『なんか合わない』って言ってたのがちょっと理解できてきた。根本的にレナと華は性格が相容れない感じであった。けれど、別に嫌っているわけでは無かった。むしろ、華に至ってはレナのことを好きそうだったし。

まぁ、例えるなら犬と猫のような関係であった。

そんなことは置いておいて、僕たちが真っ直ぐ進んでいても、モンスターの気配は依然無かった。基本、モンスターはどこからでも現れる。だから、こういったダンジョンだと壁とかから突然出現することもある。けれど、そんな気配も無かった。そして、奇妙なことはそれだけでは無かった。何故かは分からないけど罠が一つもなかったのだった。


「レナ、罠は無いんだよね?」


「うん。おかしい話だよね。少ないとかじゃなくて、一つも無いんだからさ」


「・・・・、取り敢えず、警戒して進もう」


「そうっスねぇ。正直このダンジョンに入ってから寒気が止まらないっスしねぇ。それに、なんか胸騒ぎがするんスよねぇ」


「ノアもいつでも回復はできるようにしておいて」


「ああ、分かってる」


そして、今度は右と左の分かれ道が見えた時だった。その右側から、足音と、激しく息を切らしたような音が聞こえてきた。反響してきたその音は少しずつ大きくなってきていた。


「みんな、何か来る!!」


真っ先にその音に気づいたレナがそう叫んだ。レナの声で僕たちは臨戦体勢を取った。僕は異空鞄からさっきもらったばかりのお面も取り出していた。

そして、その右側の分かれ道から現れたのはモンスターでは無かった。ダンジョンの光が走ってくるものを少しずつ照らしていった。

見覚えのある服、見覚えのある武器、何度も見てきた顔をした人物であった。

その名は、西倉 蒼丸。憎悪の対象が今、僕たちの目の前に現れたのだった。



西倉 蒼丸は歩たちがこのダンジョンへと入る数時間前にパーティーメンバーである鬼丙 陸があらかじめ見つけておいた隠し通路からダンジョンの中へと侵入していた。

もちろん、陸は調べた結果、この場所を見つけたわけでは無かった。このダンジョンを出現させた者と関連しているから、その場所を知っていただけだったが。けれどそれは、蒼丸が知る由は無かった。


「結局、つぐみの野郎は来なかったな」


「そうだな」


蒼丸たちは、マンションを出発してから、新宿駅でも一時間ほどつぐみのことを待っていた。けれど、つぐみは現れず痺れを切らした蒼丸がつぐみのことは放っておいてダンジョンへと向かっていたのだった。


「ここが、新宿御苑ダンジョンなのか?」


「ああ。多分な」


「チッ、めんどくせぇ場所だなぁ。地図も持ってねぇのによ!」


「ああ。だが、しょうがない。進んでいくしか無いだろう」


「そうだな、行くぞ」


そうして二人は歩たちと同じように、分かれ道だらけの道を進んで行った。

それから一時間ほど歩いていた。けれど、二人は下の階層へ続く階段どころか、モンスター一体とすら出会うことは無かった。流石の蒼丸でもこの状況は異常だと感じていた。


「なぁ、陸。ここ、変じゃねぇか? 一向に階段は見つからねぇしよ。それどころか、モンスター一匹すら出て来やしねぇ!!」


「・・・・、確かに少し変だな。なぁ蒼丸、ここら辺で休憩をしておかないか?」


「ああ? 何で」


「今の時刻が約三時半だ。睡眠を取っておいた方が良いと思ってな」


「別にいらねぇだろ」


「いや、睡眠は取っておいた方が良いだろう。その方が戦闘をスムーズに行えるだろうしな」


「・・・・、お前がそこまで言うならそうするか。でも見張りはどうすんだ? つぐみがいねぇから安全圏は作れねぇぞ」


「ならば、俺が見張っておこう。一時間ほどで交代するのはどうだ?」


「あー、じゃあそうするか。じゃあ俺は先に寝るぜ」


「ああ」


蒼丸はそう言うと、テントのようなものをその場に出すと、その中に入っていった。陸はその姿をただ無言でじっと見続けていた。蒼丸からはテントの中に入ってすぐに寝息が聞こえて来た。バタバタして少し疲れがあったことや時刻が深夜だからというのも相まって、蒼丸はすぐに眠りについた。

陸は寝息が聞こえて来たのを確認してから、音を立てないようにしながらそっとその場を離れた。それは、見張りをするためでは無く、蒼丸を置いて行くためであった。陸は、蒼丸から少し離れた場所で壁に触れると、その壁が一瞬にして消えた。そして、照明のない暗い闇の中へと階段が続いていた。陸は、蒼丸が眠るテントを一瞥した後、闇の中へと消えていった。闇へと消えると、なくなっていた空間は再び壁によって覆い尽くされたのだった。

そして、それから一時間と三十分が経過した。

テントの中で蒼丸は目を覚ました。


「ん・・、ああ? 今・・・・、何時だ・・?」


蒼丸はまだ寝ぼけた頭でテントの中に入っていた時計を見た。時計は五時を指していた。


「ああ・・・・、まだ五時か・・。・・、!! 違う! ここはダンジョンだ!!」


蒼丸は一瞬で起きた直後で頭にかかっていたモヤを取り払った。慌ててテントの幕を開けて陸の名を呼んだ。


「すまん、陸! 寝過ごした!! ・・・・?」


けれど、その場に陸の姿は見当たらなかった。少し離れた場所にいるのかとも思ったけれど、辺りを見渡しても陸はいなかった。


「陸・・?? おい、どこだ! 陸!!」


蒼丸はすぐにテントから出てテントをカプセルのようなものに戻すと、焦りながら陸を探した。けれど、分かれ道も多いこの場所では余程の痕跡が無い限りどこに陸がいるのかは分からなかった。そして、痕跡は一つとして見つからなかった。蒼丸の脳裏にさまざまな考えが駆け巡った。けれど、一人でうだうだ考えていても仕方がないと結論づけた蒼丸は仕方なく、先へと進んで行った。

蒼丸は急に心細くなった。ダンジョン、それも金級以上のダンジョンで自分しかいないというのは、自信で満ちていた蒼丸でも少し不安が心の内に広がって来ていた。しかし、陸のことを考え終わる前に、進んでいた道に終わりがあることに気づいた。

そう言えば、さっきから分かれ道は見当たらなかった。そして、目の前には大きな部屋が広がっていた。その部屋は教室や体育館などとは比べ物にならないほど広くまばらにパルテノン神殿のような白い大理石で出来た柱が存在していた。


「なんだぁ? ここは・・!」


そして、蒼丸は一つの柱の後ろ付近に人の影のようなものが伸びていることに気づいた。

そして、蒼丸は何故かという細かいことは分からない。けれど、それが陸であると()()()()()()。だから、その影が見える柱に特に警戒をすることは無く、近づいて行った。普通に考えれば、それが陸では無いことなんて明白であった。けれど、今の蒼丸にそんな思考は存在していなかった。それが陸であると思って疑わなかった。


「おい、何でこんなところにいるんだよ、陸!」


そうして、その柱に近づいた陸は衝撃を受けた。そこにいたのは、陸では無かった。けれど、知っている人間であった。それは、何故か集合時間に現れることはなく、連絡をしても、返信も何も無かったパーティーメンバーである、()()()の姿であった。


「つぐみか・・・・?」


つぐみは下を向いて、顔を一向に上げようとしなかった。蒼丸はここに来て、ようやく()()()を覚えた。ひどく当たり前のことであるはずなのに、すぐに気づかなかったこと。

そもそも、何故()()()()()()()()()()()()ということであった。


「待て・・!! テメェは誰だ?」


そして、蒼丸はやっと気づいた。眼前にいるつぐみ、いや、その『もの』はつぐみでも無く、人間ですら無いということに。ソレは、つぐみの服を着ているだけの化け物であった。袖からチラッと見えた腕は肌色では無く、ドス黒く、そして異形の形をしていた。


「!! ・・・・、だ、誰だ・・!!」


ゆっくりと、顔を上げたソレを見て蒼丸はさらに衝撃、否、恐怖を覚えた。その顔は目があるはずの部分はただぽっかりと黒い穴が空いていた。そして、顔全体に血管のようなものがビキビキと脈だっていた。ソレは口をにぱっと開けた。そして、その口もまた目と同じように黒い空洞が広がっていた。ずっと見ていると、その中に飲み込まれてしまいそうなほどであった。生理的な嫌悪が蒼丸の中に込み上げて来ていた。


「来るな・・!! こっちに来るんじゃねぇ!!」


蒼丸はゆっくりと腕を伸ばして来たソレを突き飛ばした。


「アァ? ・・・・?? 、、ァ———アアアアアアアグオガカカイカガカイガガガゴオアアア!!!!!!!!!!」


蒼丸がソレを突き飛ばしてから、ソレはおよそ、動物とも、モンスターとも思えない叫び声を放った。鼓膜が破れるほど大きな叫び声がその部屋に響き渡り反響しづけていた。そして、その叫び声は蒼丸に恐怖を与えるのに十分であった。蒼丸の心の内に恐怖よりも悍ましい何かが込み上げてくる。

そして、一目散に方向を変えて、来た道へと走り出した。命の危険を感じた時の生物の生存本能は並大抵のものでは無い。蒼丸は今まで生きて来た中で最速の速さで逃げた。後ろを振り返る暇はなかった。いや、それよりも後ろを振り返るのが怖くてたまらなかった。もし、後ろを見ないせいで死ぬとしても、これ以上アレを視界に入れたくは無かった。

蒼丸は無我夢中で走り続けた。いつしか、さっきまでの大きな部屋から、また狭い入り組んだ道に変わっていた。


「ハァハァハァ・・・・、、!!!!!!」


蒼丸はそれでもなお、走る力を緩めることはなく、さらに力を入れて走り続けていた。



蒼丸を見た瞬間、またあの時の憎悪が混み上がろうとして来ていた。少し時間が経ったとは言え、あの時の感情がそう簡単には消えることは無かった。

けれど、それと同じくらいに、あの自信過剰とも言えるほどの蒼丸がここまで狼狽しているのは異常であった。だから、憎悪と同時に不信感もまた込み上げて来ていた。


「何でお前がここにいるんだ!!」


僕がそういう前に、レナが叫んだ。いつも温厚なレナが強い口調でそう言った。

けれど、蒼丸はその言葉を聞いて、萎縮する。というよりも()()()()ようであった。僕はその姿を見てますます疑惑の念が浮かんできていた。


「待って、レナ 」


「でも、歩くん・・!」


「いいから待って」


「・・・・、、分かった」


僕はそう言って、レナを制止した。そして、僕は今は憎悪を隠して、蒼丸に尋ねた。


「何があった?」


「!! ゴホ、ゴホッッ・・! 俺・・、俺・・!」


「何があったか、言え。蒼丸」


「俺は・・・・」


そうして、蒼丸はこのダンジョンに来るまでのこと、そして、このダンジョンで経験したことを全て話した。その話はとてもじゃ無いが嘘をついているようには見えなかった。そして、同時に一つの仮説が僕の中にある可能性が生まれた。

僕はずっと、蒼丸がいつからあんな性格になってしまっていたっけ? と疑問に思っていた。そして、今の話を聞いてから蒼丸の性格が変わった原因が蒼丸にあるのではなく、パーティーメンバーであった()() ()()()()()のではないかと思い始めたのだった。そして、そう考えればいくつか筋が通ることがあった。

時々、蒼丸と二人で話す時はいつものように罵倒されることはあまり無かったり、何日か陸いない時は性格が穏やかになったりする時があった。そして、何より、奥多摩ダンジョン、ダンジョン組合の襲撃で分かったけれど、陸は理由は分からないけれど、明確に()と言える存在であるということであった。


「・・・・、分かった。蒼丸、お前も着いて来い」


「俺は・・、逃げ・・!」


「させるかよ。僕はお前のその話は信じるけどお前自身を信じる気は全く持ってない。だから、僕たちの目が届くところにお前をいさせるのは当たり前だろ。それに、四体一ならお前が何をしても対処できるからな。もし、従う気がなくても、無理やり連れて行く。痛い思いをするかしないかの違いだからな」


「・・・・、、分かった・・」


蒼丸はそう頷くしか無かった。もし、これが僕しかいないのなら話は違ったのかもしれない。けれど、僕が蒼丸たちにやられたことは華も知っている。もちろん、レナもノアも。だから、三人も僕の意見に賛同しているようだった。三人もまた、蒼丸に対して怒りを向けているようだった。そんな中で、蒼丸が僕の提案を断れるわけがなかった。蒼丸は小さくその提案に頷いた。


「三人とも、右側に行くよ! 何がいるのかは分からないけれど、行くしかない!!」


そうして、三人は頷いた。そして、僕は半ば強制的に蒼丸を先頭に立たせて急いだ。僕たちは右側の一本道を走った。

そして、蒼丸が話したような大きな部屋へと僕たちは入った。


「ギャアアカアサカオカカアサアカカア!!!!!!!!!!」


そして、僕たちは見た。その部屋の中心で僕たちを見た瞬間叫んだ化け物を。


「あ・・、あ・・!!」


蒼丸はソレを見た瞬間に地面にへたり込んだ。どうやら腰が抜けたらしかった。立つことができないまま後ずさりしていた。


「ノアは下がってて!!」


でも、蒼丸のその反応もあながち馬鹿に出来るものでは無かった。眼前にいるソレは明らかにやばい雰囲気を醸し出していた。

僕は異空鞄の中からお面を取り出すと顔につけた。顔につけた瞬間僕の身体を黒一色が染め上げた。

僕は手を隠している手袋のようなものをグイッと引っ張ってそれへと視線を移した。

レナも、華も戦闘体勢に入っていた。


「行くよ」


そう言って、僕とレナがソレに向かって走り出した。僕よりも速いレナが先にソレへと辿り着いた。そして、双剣で身体を斬り裂こうとした。けれど、刃がソレの身体に当たる前に、レナの身体が止まった。レナの動きが停止したわけではない。壁に当たって、それ以上先に行けないような感じであった。


「!! 柳生新陰流 複式 虚爪」


僕はレナのその姿を見て、立ち止まってソレへと向かって斬撃を飛ばした。けれど、結果はレナと同じであった。虚爪は何か見えないものに阻まれるようにして、ソレの本体に斬撃が届くことは無かった。


「二人ともどいてくださいっス!!」


僕たちはその声を聞いた瞬間に左右に飛び退いた。僕たちから少し離れた後ろでは華が自分の右手を指鉄砲をするように構え、人差し指と中指をソレへと向けていた。


全弾同時撃ち(オートマチック):バニシング!」


華はそういうと左手で弾丸のようなものを五発右手の前に投げた。そして、銃を撃つように肘を曲げて指鉄砲の形をした右手を引いた。

その瞬間、右手の前にあった五発の弾丸が銃から発射されたようにしてソレへと飛んでいった。

今度はさっきよりも分かりやすかった。華が撃った弾丸は透明な壁に激突するようにして、その先端が潰れて地面へと落ちた。五発の弾丸は一つとしてソレに当たることは無かった。


「チッ、距離には関係がないってことっスね」


「いや、それよりも、あれはもしかして能力じゃない?」


「・・・・、多分そうだね。それで、僕はあれに近いものを見たことがある」


「! どういうこと? ・・・・、まさか」


「うん。多分、今までの黒いモンスターと同じであれは死体を利用していると思う。そして、今回は桜 つぐみの死体を改造されてるんだと思う」


僕はラグナロクであった時にあのような能力を見ていた。桜 つぐみの能力は一定時間、自分を中心とする半径五十メートル以内に外部と隔絶された壁にのようなドームのようなものを形成する。流石に核などを防げるわけではないけれど、銃弾や気合を入れればミサイル一発程度なら防げる強固なものを。

だから、ラグナロクでは階段などでなくても、休憩を取ることができた。少なくとも、レッドダンジョンまでのモンスターにその壁を破れるモンスターは出てこなかった。

そして、今目の前のソレが使っているのはその能力に非常によく似ていた。蒼丸の話を聞いて少し僕は思っていたことがあった。つぐみの姿をした何か。ソレはもしかしたら姉さんをやったみたいに改造されたつぐみなのでは無いかと。けれど、僕はまさかそんなことは出来ないであろうとたかを括っていた。けれど、そんな常識が通じる相手なら奥多摩ダンジョンで殺せている。ラウストたちは桜 つぐみを使って眼前のコイツを創り出したんだと今確信した。


「・・、どこまでも下劣な・・!!」


僕はラウストへ怒りが込み上がってきた。つぐみのことが憎く無い訳じゃない。蒼丸と同じように、つぐみも、陸なことも恨んでいる。けど、それ以上に、死体を弄び死者を冒涜する奴らの蛮行は蒼丸たちの行い以上に度し難かった。


「・・・・、レナ、華。すぐに終わらせるよ。出来るだけ速く」


二人は強く頷いた。

目の前のコイツを。否、つぐみを一刻も早く()()()()ために、僕たちは向かっていったのだった。



更新が遅くなってしまいすみませんでした。

次回は木曜日か金曜日までには行うと思います。多分、それを入れて今年は残り二話だと思います。

すいません。多分今年中には二章が完結出来ません。申し訳無いです。

ちょっと新年からの予定はまだ未定です。共通テストがありますので。

ですが、必ず三月までには二章は終わらせます。お楽しみに。


面白かったら高評価の方お願い致します。感想やコメントなどもお待ちしてますのでよろしくお願いします!

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