豆の話
母の知人が農家レストランをやっています。先日、母がそこで大豆を買ってきてくれました。おいしいんですよー、そこの大豆。黒豆も美味です。有機栽培で色々安心なのもポイント高いです。
で、豆の話です。
日本の食生活になくてはならない豆。大豆は豆乳から豆腐、さらに油揚げや厚揚げにクラスチェンジし、豆乳の搾りかすとも言える雪花菜もお総菜として定番です。納豆菌を使って納豆、麹を使って醤油や味噌などなど、大豆だけでもこれだけのバリエーション。大豆の仲間なら山形名物・秘伝豆もおいしいです。小豆なしに作れる和菓子は数少ないし、ささげ(地域によっては甘納豆ですが)はお赤飯には絶対に欠かせませんし。
私が一番好きな豆は黒豆です。我が家の黒豆の煮方は少々変わっておりまして、所要時間は一時間くらい。かなりお手軽に作れます。
まず、黒豆は水で戻しません。何か浅めの鍋(フライパンでもいいですが、テフロン加工はお勧めしません)に入れて、弱火でじっくりと炒ります。煮汁は別に用意してください。調味料は普段黒豆を作るのに使ってるのと同じ程度でいいですが、甘めよりもややしょっぱめの方がおいしい気がします。個人的には。煮汁に水を少なめに入れて軽く煮立たせておいてください。
黒豆をじっくりと逝っていくと、そのうちに軽くはじけるような音が聞こえはじめます。ぱちんと弾けて黒い皮に裂け目ができれば火が通った証拠。全ての豆がそうやって弾けて、一粒かじってみて青臭さがなくなれば大丈夫です。火が通った豆を煮汁を入れた鍋に移して軽くひと煮立ちさせて火を止めれば出来上がり。しばらく冷ましていれば味もじみていきます(味というのは冷めていく過程でしみていくものなのだそうですよ)
ところで、ひとつびっくりする話を。とあるテレビ番組で見た話なのですが……。
あるイタリア人が枝豆をはじめて食べてそのおいしさにびっくりしたあと、こう言ったんだそうです。
「おいしいけど、故郷では流行らないだろうな。所詮は豆だから」
欧米では保存食っていうものはランクの低いもの、貧乏人が食べるものとされていて、その代表格が豆なんだそうです。アメリカの映画を注意深く見てみると、貧困層の食事に豆料理はしょっちゅう出てくるほどだとか。
さらにとある国では黒豆を甘く煮て、その煮汁をのどの薬にして……豆自体は捨てるのだとか。もったいないお化けが出そうです。
煮汁を作るときの目安(黒豆100グラムにつき)
砂糖 計量カップに半分
塩 ひとつまみ
醤油 適量
水 250ccくらい
なお、丹波の黒豆でこのレシピをやるのは危険です。固さを楽しむものなので、必ず小粒の黒豆でやってください。十勝産辺りがお勧めです。