四本の木2
週末はあっという間にやってきた。
久しぶりに友人に会えると思うと、なんやかんや言いながらも少し気持ちが軽くなる。
早めに起きて、ゆっくりと出かける準備をした。
上着を羽織り、車のエンジンをかける。
今日は最近ハマっている歌い手の曲をセレクトして、柔らかい女性の声をBGMに流しながら出発した。
途中、行きつけの紅茶専門店に寄って、お茶の詰め合わせを買う。
ちょっとした引っ越し祝いみたいなものだ。
目的地に近づいたところで、連絡を入れる。
『おぅ、もうすぐ着くけど目印とかある?』
すぐに返事が来た。
『家の前に柳の木が1本植わってるから、それを目印に来てくれ』
柳が目印というのは珍しい。
そう思いながら、近くのパーキングに車を停めて歩いていくと、道沿いに柳が一本、シャラシャラと音を立てながら揺れていた。
そのすぐ前に、小さな門構えの、落ち着いた雰囲気の一軒家が建っている。
門扉の横には、背丈の低い柊の木が植えられていて、それが妙に印象に残った。
『着いたぞ』
そうメッセージを送ると、家の中からバタバタと足音が聞こえてきた。
「おぅ、久しぶり。悪いな」
「そう思うなら強引に誘うなよ」
そう言いながら拳を軽くぶつけ合う。
こういうところは昔から変わらない。
「まぁ、とりあえず入ってくれ」
案内されて玄関に入る。
中古物件と言っていたが、思った以上に綺麗な家だった。
靴を脱いで上がると、彼の奥さんが出迎えてくれた。




