表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
486/494

介護施設で2

持ち前の明るい声とテンションのまま、彼女は夜勤中の出来事を語り出す。

「私の働いてる介護施設って、

長期の利用者さんと短期利用の方がいるんですよ〜。で、夜勤の時間に、いつも通りパンツ交換してたら、廊下のほうからね、


『ギィ…よいしょ…ピチャン……ギィ…よいしょ…ピチャン…』


って、人の声と水の音と、押しぐるまの音がしたんですよ〜」

彼女は笑いながら続ける。

「仕事脳だったから、その時は

“やべぇ!誰か漏れてるッッ!”って思って、

急いで廊下に飛び出したんですけど、

誰もいないし、水跡もないしで。

あれ〜?って感じで」

そのまま何事もなく夜勤は終わったらしい。

ただ、帰り道になってふと思い出したという。

「その音が聞こえた場所って、

昔よくショートで泊まりに来てくれてた方の部屋の近くだったんですよね〜。

その方、深夜徘徊してて…川で溺れて亡くなったって聞いたことがあって」

そこまで聞いて、俺は思わず声が出た。

「いや、それ普通に怖いやつやん……」

背筋がすっと冷えるのを感じた。


「そんなことないですよ〜」


彼女はそう言って、まるで大したことじゃないみたいに笑った。

その明るさに、さっきまでの話との温度差が妙におかしくて、俺もつられて笑ってしまう。

「……あっ、お家着きます〜」

少し車の音が混じった声でそう言うと、

「また、なんかあったら話しますね〜」

と、いつもの調子で軽く言い残し、ライブはふっと途切れた。

車内には、さっきまでの明るい声の余韻だけが残っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ