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猫の話7

とりあえず家に送ってもらう前に、気になっていたことを聞いてみた。

「もし可能なら、この家の図面というか……部屋割りの間取り図みたいなの、あると助かるけど。ある?」

彼女は少し考えてから、うなずいた。

「借りる時にもらったのならあります」

「それ、後で彼に写真で送ってもらえんやろか? 今晩には消すから」

「わかりました。出しておきますね」

そう言ってくれたので、一度家まで送ってもらうことにした。

車に乗り込んで自宅へ向かう途中、彼がぽつりと「すまんな」と言ってきた。

「それなら内容初めに言っとけよ」

笑いながら言うと、

「おぅ……気を付ける」

と言いながらも、まったく気にしていない様子だ。

昔からこういうやつだ。

どうしたものかと考えていると、彼がぼそっとつぶやいた。

「ここのところ、デートもできてないんだよ。彼女、心ここに在らずって感じでよ」

「そら気になるやろ。仕方ないやん」

「そうやねんけどな……心配でな」

不器用な男だ。

そう思いながら、家に着くまでの間、彼の愚痴を聞いてやった。

家の前に着いたところで、

「23時30分くらいに向かうからって伝えといて」

そう言うと、彼は「わかった」と返し、急いで彼女の家へ戻っていった。

部屋に戻り、コーヒーを淹れてパソコンの前に座る。

ブーン……と低いファンの音を響かせながら起動する。

自分で分類してある“猫”フォルダを開き、今まで聞いた怪談や不思議な話を片っ端から読み返す。

箇条書きのメモを辿りながら、当時の話を思い出していく。

大体が古典怪談のような“祟り系”が多い。

今回のケースは珍しい。

忘れないうちに、新しいファイルを作って、さっき聞いた内容をメモしていく。

その時、スマホがぶるっと震えた。

彼から間取りの写真が送られてきたようだ。

平面図を見ながら考える。

この家の中に何がある?

屋根裏は何ヶ所かから入って確認したと言っていた。

残るは床下だが……どこから入る?

そう思っていると、気を利かせたのか、基礎部分の通風口の写真も送られてきた。

格子状の通風口は、虫なら入れるが猫が入れるサイズではない。

わからん……。

声を聞いても分からんよなぁ……。

そう考えていると、腹がぐぅと鳴った。

時計を見ると、13時に差し掛かっている。

作るのも面倒だし、ピザでも頼むか。

スマホで注文を済ませ、間取り図とにらめっこする。

変わった間取りではない。

普通の住宅だ。

そうこうしているとピザが届いたので受け取り、テレビをつける。

ぼんやり見ていると、有名な工務店のCMが流れた。


あっ、そうや。


あの人なら分かるかもしれん。

そう思い立ち、急いでスマホを手に取って、リフォームをやっている知り合いにメッセージを送ることにした。

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