表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
467/496

平日のお休みに6

少しコーヒーを飲んでから、彼はぽつりと話し始めた。

「まずな、初めての夜にな、廊下の奥から……カチャ、って音がしてん。初めは気のせいやと思うことにしたんや。でもな、日に日に音が激しくなっていって……昨日なんかは、カチャカチャカチャって……何人もおるような感じやってん。しかもな、毎日2時前後なんや……どう思う?」

マグカップを置きながら、俺は少し考える。

「ふむ……刀なら、そういう話もまぁあるけど……

カチャカチャカチャって、人が増えるようなもんあったか……?」

自分でも答えが出ないまま、とりあえず核心に触れる。

「で、お前はどうしたいんや?」

彼は、少しだけ視線をそらしながら言った。

「……お前に刀を預けようと思ってな」

「おいおい、俺ん家は曰く付きの処理場ちゃうぞ」

そう言うと、彼は申し訳なさそうに眉を下げた。

「いや……お前、魅力的に感じへんかったやろ?

なら、なんとかなるかなと思ってよ……」

「勝手やな……」

そう言いながらも、長い付き合いの中で、こういう頼みを断れた試しがない。

「まぁええわ。長い付き合いやし預かるけどな。

ただし今度からはちゃんと連絡入れろよ?

じゃないとお前ん家にヤバそうな骨董品まとめて置いて帰るぞ?」

そう言うと、彼は本気で困った顔をして、

「まじ堪忍してや……今回はほんま悪い思ってるねん……しかも、音が気になりすぎて寝れへんのよ……」

弱った声でそう言った。

「わかったわかった。預かるよ」

そう言って、彼の肩を軽くポンポンと叩く。

「その代わり、今度晩飯奢れよ」

そう笑いながら模造刀を受け取り、玄関へ向かった。

外に出ると、昼の光が少し傾き始めていて、刀の重みが腕にじんわり伝わる。


“今晩が……少し楽しみではあるな”


そんなことを思いながら、俺は家へ向かって車を走らせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ