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平日のお休みに1

平日に年休を取るのは、なんとなく得した気分になる。

午前中の用事を全部片付けて、あとは家でゆっくりしよう

そう思って駐車場に向かっていたとき、ポケットの中でスマホが震えた。

画面を見ると、友人からのメッセージ。

「ちょっとええか? まだ仕事中?」

“また急やな”と思いながら返信する。

「いや、今日は休みやで」

すぐに返ってきた。

「ちょうどええわ、ナイスタイミングや」

この言い方が、ほんまにそいつらしい。

昔から、こっちの都合なんか一切考えへん。

「どないしたん?」

そう送った瞬間、着信が鳴った。

「よう、今時間あるんやろ? ちょっと、うち来てや。こないだおもろいもん手に入れたんやけど、ようわからんねん」

声だけで、向こうがちょっとテンション上がってるのが分かる。

「ようわからんもん俺に見せてもわからんやろ?」

笑いながら返すと、向こうも笑った。

「いや、怪奇譚集めとるお前なら、なんとなく見当つくんちゃうか思てな。とりあえず今すぐ来てや」

“また勝手なこと言うてるわ”と思いながらも、

こういう誘いは嫌いじゃない。

「まぁ、ええで。家でええんか?」

「おぅ、待っとるで」

言い切ったあと、ブツッと通話が切れた。

「おぅ……」

思わず声が漏れる。

ほんまに昔から変わらん。

急で、雑で、でも妙に憎めん。

午後はのんびりするつもりやったけど、予定が変わるのも悪くないか、そう思いながら車に乗り込む。

エンジンをかけると、車内にふっと静けさが戻った。

平日の昼間の道路は空いていて、信号の間隔もいつもより長く感じる。

窓の外を流れていく景色をぼんやり眺めながら、

“あいつ、何手に入れたんやろな”と、少しだけ楽しみになってきた。

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