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美容室でのこと1

この話は、美容院に勤めている友人から聞いたものだ。

彼は地元でも人気の美容院で働いていて、俺は半年に一度くらいのペースで髪を切りに行く。

行くたびに、近況報告やら昔話やら、どうでもいい話をしながらカットしてもらうのがいつもの流れだ。

その日も、伸びきって鬱陶しくなった髪をどうにかしようと予約を入れた。

店に入ると、彼はいつもの調子で手を上げてきた。

「おぅ、久しぶり。……また伸ばしたな。今日も前回と同じでええんか?」

同級生ってこともあって、口調は昔から変わらない。

「せやろ?もう鬱陶しくてしゃあないわ。いつもくらいで頼むわ」

「たまには遊べよ。だからモテへんのやぞ?」

「うるせぇな。急に髪型変えたら色々面倒やろ」

「まぁ、俺は楽できるけどな」

軽口を叩き合いながら、彼は腰のポーチから櫛と鋏を取り出す。

髪を整えられ、鋏が入る。ジャキ、ジャキ、と一定のリズムで音が響く。

「仕事どうよ?」

「上司がな……」

「相変わらずか?」

「せやなぁ」

「大変そうやな」

「お前はどうなん?」

「ここで言えるわけねぇやろ」

「それもそうか」

そんな他愛ない会話を続けながら、髪はどんどん軽くなっていく。

しばらくして、彼がふと思い出したように言った。

「そういや、お前このあと時間あるん?」

「あるで。なんや?」

「今日、お前が最後の客なんや。……ちょっと飯行こうや」

「おぅ、ええな。行こうや」

シャンプーまで相変わらずの早業で終わり、会計を済ませて外に出た。

駐車場に停めた車に乗り込み、エンジンをかける。

彼の好きなレゲエを流しながら、ぼんやりと店の入口を見ていた。

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