表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
433/494

旧友からのメッセージ6

少ししてから、友人は疲れたような顔でスマホを差し出してきた。

画面には通話中の表示。

どうやら、お義母さんと話していたらしい。

受け取り、「もしもし」と声をかけると、受話口の向こうから、少し機嫌の悪い、張り詰めた声が返ってきた。

「……貴方がどうにかしてくれるのかしら?」

親として当然の反応だ。

俺は深く息を吸い、努めて落ち着いた声で返す。

「確約はできません。ただ、私自身が困った時に頼っている神職の方に連絡したところ、“明日連れてきなさい”と言っていただけました。

経験上、急ぐべきかと思いますので……明日、娘さんをお預かりしてもよろしいでしょうか」

相手の感情に引きずられないよう、寄り添いすぎず、突き放しすぎず、淡々と事実だけを伝える。

電話の向こうで、大きなため息が聞こえた。

「……はぁ……」

悩んでいるのが伝わってくる。

「このまま何もしないより、良いのではないでしょうか。おそらく病院などにも行かれたのでは?」

そう言うと、少し間を置いてから返事が返ってきた。

「……そうなのよね……でも、あなたの人となりも分からないし……預けるのは悩むわ……」

もっともな話だ。

俺は視線を落としながら、静かに言葉を続けた。

「彼は、真剣に考えて私に相談してきました。普通なら与太話として切り捨てられるのを覚悟して。私は、それに答えようと思っています。……どうでしょうか」

電話の向こうが静かになる。

数秒か、十数秒か、妙に長く感じた。

やがて、絞り出すような声で返ってきた。

「……わかったわ」

その一言に、友人の肩が少しだけ落ちた。

「彼に変わりますね」

そう言ってスマホを友人に渡すと、彼は深く頭を下げ、震える声で「ありがとうございます」と呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ