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旧友からのメッセージ3

「お前もな」

そう笑いながら返して席に着くと、彼は少しだけ肩をすくめた。

「急な呼び出しですまない」

申し訳なさそうに視線を落としながら言う。

昔から、こういうところは変わらん。

「いや、いいよ。今日は少し寄り道して帰ろうと思ってたから」

そう返すと、彼はほっとしたように息をついた。

「ありがとう。……その前に、だいぶ痩せたか?」

「おぅ、スリムボディ目指してな」

そう言うと、彼は口元を緩めて、

「道は遠そうやな」

「うるさいわ。お前こそ変わってへんやん」

「変わらんようにしてるんや。歳とると油断したらすぐ腹出るからな」

「いやいや、お前は昔から細かったやろ。羨ましいわ」

「細いだけで体力ないんやで。最近階段で息切れるし」

「それはただの運動不足や」

そんな他愛ないやり取りが続く。

久しぶりに会ったはずなのに、会話のテンポは昔のままや。

「仕事はどうなん?相変わらず忙しいんか?」

「まぁな。人減ってんのに仕事は増える一方やし」

「どこも一緒やな。うちもや。新人入ってもすぐ辞めるし」

「最近の子は切り替え早いよな。合わんと思ったらすぐ次行く」

「それはそれで賢いんかもしれんけどな」

「まぁな。俺らの頃は“とりあえず三年”とか言われてたし」

「そうそう。あれなんやったんやろな。三年の根拠どこにあったんやろ」

「知らん。誰かが適当に言い出したんちゃうか」

そんな話をしながら、自然と笑いがこぼれる。

「そういえばさ、あの頃よく行ってたラーメン屋、まだあるん?」

「あー、あそこな。あるにはあるけど、味変わったわ」

「マジか。あの濃さが良かったのに」

「今はなんか上品になってもうてな。悪くはないけど、別物や」

「時代やなぁ」

「せやなぁ」

お互いの近況、共通の知り合いの話、昔の思い出。

話題はあっちこっちに飛びながら、気づけば30分ほど経っていた。

ふと、彼の表情が変わった。

さっきまでの柔らかい笑みが消え、真剣な色が浮かぶ。

「実はな……最近、彼女が出来たんや」

「おー、ええやん。お前にしては珍しいな」

「せやろ。俺もびっくりしてる」

「で、惚気か?」

軽く肩をすくめて言うと、彼は苦笑しながら首を振った。

「もちろん。惚気なら急がへんわ」

その言い方が妙に現実味があって、“これは惚気ではないんやな”と自然に分かる。

彼はカップを一度持ち上げ、飲まずにそっと置いた。

その仕草に、これから話す内容の重さがにじんでいた。

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