表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
428/504

旧友からのメッセージ1

金曜日の仕事終わり。

定時で帰るためにパソコンを落とし、更衣室へ向かう廊下を歩いていると、胸ポケットのスマホが震えた。

この時間帯の通知はだいたい広告か、ポイントカードのやつやろ。

そう思いながら取り出して画面を見ると、メッセージが1件と表示されていた。

指紋認証でロックを外す。

差出人の名前を見た瞬間、思わず足が止まった。

懐かしい友人だった。

最後に会ったのは何年前やったか。

お互い忙しくなって、自然と連絡も途絶えていた。

メッセージは短い。

「久しぶり。突然の連絡ですまない。

近々で時間を作って貰えないだろうか?」

文章の癖は昔のままや。

余計な前置きも、無駄な言い回しもない。

必要なことだけを送ってくる、あいつらしい合理さがそのまま残っていた。

少し笑いながら返信を打つ。

「長くなるなら明日。短いなら今からなら空いてる。」

マルチとかのお誘いならご遠慮します。

冗談半分で追記して送ると、すぐに既読が付いた。

間髪入れず返事が返ってくる。

「今日、とりあえず会いたい。

あと、そんな話ではない。」

その“とりあえず”という言葉に、ほんの少しだけ違和感を覚える。

昔から段取りを重んじるタイプで、曖昧な言い方をほとんどしなかったはずだ。

けれど、長いこと会ってへんし、人の性格なんて変わるもんやろ。

そう自分に言い聞かせる。

「駅前の○○って喫茶店で、18時に 」

そう返すと、またすぐに返信が来た。

「ありがとう。すぐ向かう。」

“すぐ向かう”という言葉が、妙に急いでいるように見えた。

仕事終わりの金曜やし、そんなに急がんでもええのに。

でも、久しぶりに会えるのは素直に嬉しい。

急いで着替えを済ませ、ロッカーを閉める。

外に出ると、金曜の夕方特有のざわついた空気が広がっていた。

仕事帰りの人たちが駅へ向かい、どこか浮き立ったような雰囲気が街全体に漂っている。

「早めに着いて、ゆっくり待とう」

そう思いながら、少しだけ足を速めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ