表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
417/495

喫茶店にて3

友人は深呼吸して、話し始めようと口を開いた。

……が、その前に、どうしても気になっていたことを先に言ってしまう。

「それ、聞いて大丈夫な話なんやろな?お前、たまに無意識に“障”のある話持ってくるから油断ならんねん」

わざと出鼻をくじくように被せると、友人は一瞬きょとんとしてから、慌てたように手を振った。

「いやいや、多分大丈夫な話やって。

 多分……な?」

最後の“な?”が小さくて、自分でも確信がないのが丸わかりだった。

相棒の彼女が、くすっと笑いながらカップを置く。

「そう言いながら、聞く気はあるんでしょ?

 あなた、こういう話好きじゃん」

図星すぎて言い返せない。

怪奇蒐集が趣味の俺に、“聞かない”という選択肢は最初から存在しない。

……とはいえ、素直に認めるのも癪だ。

「どっちでもいいけど?」

わざとそっけなく言うと、友人が吹き出しながら、

「男のツンデレはキモイぞ」

と返してきた。

「ほっとけや」

そう言いながらも、三人の間に流れる空気は軽くて、昼下がりの喫茶店の静けさと妙に馴染んでいた。

ただ…その軽さの奥に、ほんの少しだけ“間”があった。

友人がコーヒーを一口飲んで、カップを置くまでの数秒。

相棒の彼女が、視線を落として指先でソーサーをなぞる仕草。

どちらも、 普段なら気にも留めないような些細な動き。

けれど、今日はなぜかその“沈黙”が、ほんの少しだけ長く感じられた。

友人はようやく口を開く。

「……じゃあ、順番に話すわ」

その声はいつも通りのトーンなのに、どこか、ほんの少しだけ “言いにくそうな気配”が混じっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ