友人からの預かり物3
とりあえず、テーブルに座ってろとぶっきらぼうに言い、自分の朝飯を皿に盛る。
コーヒーのマグカップをもうひとつ出し、小皿に買い置きのクッキーを出してやる。
ひとりで飯を食うのも気が引ける。
少し癪に障るが、出してやることにした。
テーブルにつくと、クッキーの皿とコーヒーを置いてやる。
「とりあえず朝飯食いながら聞くだけ聞いてやる。預かるかどうかはそれ次第や」
そう言うと、友人はクッキーに手を伸ばしながら、へへっと笑って、
「いやー、こういう気遣いできるのに彼女おらんの不思議よな」
などと無礼なことを言う。
ムカついたので、思いっきり向こう脛を蹴り上げてやる。
友人は椅子の上で悶絶しているが、無視してパンをかじる。
「で?」
そう促すと、友人は脛を押さえながら、痛みに顔をしかめつつも体を起こし、
「まぁ……ちょっと変わった刃物を手に入れてな」
と、妙に声を落として言った。
その言い方が、さっきまでの軽さと違っていた。
笑いの残り香みたいなものが急に消えて、代わりに、言葉の端に“重さ”が乗っている。
「変わったって……どういう意味やねん」
そう返すと、友人は一瞬だけ視線をテーブルの下に落とした。
まるで、そこに何か置いてあるかのように。
いや、実際、友人の足元には小さめのトートバッグがあった。
さっき上がり込んできたときに無造作に置いたやつだ。
そのバッグだけが、妙に静かだった。
部屋の空気の中で、そこだけ温度が違うような気がした。
友人はゆっくりと息を吸って、
「見せたほうが早いかもしれん」
と、バッグに手を伸ばした。




