第69話 巻き込まれ
俺は真菰と名乗るその女の子をジーッと見つめていた
「な、なんですか!そんなに見つめてっ!」
真菰は顔を少し赤くして言った
んー。どこかで見たような気が…。気のせいか?
「いや、すまん。なんでもない。俺は六条 夏だ。よろしく」
千冬とはまた変わった可愛さだな。千冬がクールでモデルのようにかわいい系だとしたら、真菰はアイドルのような可愛さと言ったところか
「六条…。あなたが六条 夏君ね!知ってるわよっ!」
先程まで顔を赤くして照れていた真菰の表情が変わった
知ってる?俺ってシーカーとしてそんなに有名だったか?
「何で知ってるんだ?」
「それは内緒!それよりもお願い聞いてほしいんだけどっ!」
嫌な予感がする…。どーせ一緒にダンジョンを攻略してくれないかとかじゃないのか?俺の第六感で分かる。この子と攻略をしたら数々の災難に恵まれそうだ
「残念だが、拒否する。帰りの道はあっちだ。気をつけて帰るんだぞ」
俺は進んできた道を指差して言った
「ちょっ、ちょっと!話だけでも聞いてよっ!何で私が壁から落ちてきたか気になるでしょ?」
俺の服の袖を掴んで言った
「気にならないね。あらかたダンジョンのトラップにハマったんだろ?」
俺は呆れながら先程まで出していたコーヒー達をキューブに片付けて言った
「な、なんでそこまでっ!」
ぐうの音も出ないだろう
「じゃ、俺は行くからな」
「ちょ、ちょっと!!」
真菰は袖をさらに強く掴んだ
「なんだ?まだなにか用か?」
「用しかないわよ!!私結構いいところのお嬢様なのよ?お母様とお父様にこのダンジョンを攻略するって言っちゃったの!けど、トラップに引っ掛かるようなシーカーなのよ?よければ手伝いなさいっ!」
真菰は腕を組みドヤっとした顔で言った
何でそんなに自信満々なんだよ
「はぁーー。わかったわかった。一緒に攻略するよ。仕方ない」
これ以上遠ざけても無理だろうと思うし。なんだかんだでほっとくのも気が引けるしな。
「やったーーっ!!それじゃ、行きましょっ!」
真菰は悦びに満ち溢れながら俺の前を足軽に歩いて行った
先陣を切って行くのはいいが、トラップに引っ掛かるなよ…
そんなこんなで俺は真菰と一緒に白毛ダンジョンを攻略することとなってしまった
俺と真菰の出会いから約2時間ほど経った
俺達は順調に足を進め、20階層に到達していた
「ここまで魔物も一撃で倒してきているし意外と余裕なものだな」
ソロじゃない分時間はかかるはずだが、俺のペースについて来れる真菰もそこそこ強いんだろうな
「んーーー」
真菰が俺の顔をジーッと見つめていた
「な、なんだよ」
「いや、夏君って女の子みたいに可愛い顔しているのに骨格や肩幅なんかはガッチリしているから男の子なんだなーって」
こいつ随分と呑気なことを…
「それよりなんで夏君なんだ?呼び捨てで構わないぞ」
「嫌よ。私は夏君でいいのっ」
はいはいそうですか。まったく。
「そういえば真菰の年はいくつなんだ?」
「私はねー、17よっ!」
「17っ!?俺の一つ上じゃないか。なら敬語の方がいいか?」
妹キャラだと思ったんだが、意外にも年上なんだな。
「大丈夫!私も夏君って呼ばせてもらうから気にしないでっ」
そんな話をしながら角を曲がると長い一本道に入った
そこを5分ほど歩くと70m程先に白い魔物が視認できた
「あれ、魔物だよな?」
一本道だから後ろから魔物が来たら戦いづらいな
「そう見たいね」
俺の術式射程圏内は20mくらいだから届かないか。まだ魔物も手こずるほどではないからもう少し近づいても大丈夫だろう
「ここは私にやらせてよっ」
真菰が自信満々に腰につけた銃を取り出した
ほぅ…。真菰の実力を見るのにちょうどいいか。
「かなり遠いからもう少し近づいたらどうだ?」
「大丈夫よ!私のスキルで1発だからっ!」
真菰はそう言って銃を構えた
真菰のスキルか。気になるな…
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