第68話 いざっ白毛ダンジョン
俺はバイクを走らせて群馬県伊勢崎市にある白毛ダンジョンに向かっていた
まだ5月も始まったばかりの為朝早くからバイクで高速に乗ると少し肌寒い
自宅から伊勢崎市までは2時間ほどかかるため途中のインターで飲むホットカフェオレは最高に美味しかった
そんなひと時の楽しみを忘れずにバイクを走らせているとあっという間に伊勢崎市に到着した
白毛ダンジョンは伊勢市にある大規模な公園内に現れたそうだ
俺はその公園の近くにあるパーキングにバイクを停めて歩いて行った
公園内には遊具や噴水、球技施設などがある為かなり広い
入り口から歩いていくとドーム状に土が盛り上がっている場所を発見した
たしか土が盛り上がっているのを隆起と言うんだったな。
そんなことを思いながらその場所に歩いて行った
周りには冒険服を着たシーカー達がちらほらと見える
流石のSランクダンジョンだな。ダンジョンには慣れているのだろう。浮かれた様子や表情が微塵もない。
5、6人のパーティーが多い。ソロで歩いているのは俺だけだから目立ちそうで嫌だな。
白毛ダンジョンは階層ボスがいないダンジョンの為ソロでのダンジョン攻略は難しいのである
なぜ階層ボスがいないとソロでは難しいのか?
それは、階層転移魔法が存在しないからだ。
そもそもダンジョンには2つの種類がある。階層ボスのいるダンジョンといないダンジョン。
異点として、階層ボスのいるダンジョンは階層が少ない傾向で、階層転移魔法が存在する。さらに、各階層に出てくる魔物は弱く、階層ボスは強い。
逆に階層ボスのいないダンジョンは各階層に出てくる魔物は階層ボスほどではないが強い。そして次の階層に降りる階段がランダムである為攻略に時間がかかるのだ。
ではなぜ階層ボスがいないダンジョンには階層転移魔法が存在しないのか。そもそも、階層転移魔法を開発したのはこの世界の科学者である。階層を瞬時に移動できると言う絶大な効果とともに壮大な魔力が必要になってくる。その為ダンジョン内に満ちている魔力を使って階層転移魔法の術式を組み込んでいるのだ。だが、欠点として階層に降りる階段の場所が決まっているものにしかそれは作用しない。つまり、階層ボスがいるダンジョンはボスフロアに階段があるため階層転移魔法が使うことができ、いないダンジョンには使えないのである。
階層転移魔法が使えない=シーカーも1チームで5、6人は必要になってくると言うわけだ。
ちなみに、チーム内に収納や空間スキルを持った者がいるケースが多い。
だから俺も今回は宿を取らずにバイクをパーキングに停めてきた。
パーキングは1日の最大貸時間が1番安いとこにしてあるのも安心だな!
さて、それはそうとして、学校の休みは残り10日しかない。このダンジョンの最高到達階層は45階層だから、それ以上の深さってわけだ。俺はソロの分動きやすいとはいえ、1階層からのスタートだからさっさと行くとするかな。
俺はダンジョン入り口にいる自衛隊員に探求カードを見せるとダンジョン内に入っていった
縦横3メートル程しかない入り口から階段で降りて行くと赤い岩が均等に敷き詰められた白毛ダンジョンへと到着したのだった
Sランクダンジョン。流石に風が冷たいな。
「油断はするつもりはない。だが、気張らずに行くとするかっ」
自分に言い聞かせるように独り言をボソッと放つと俺は足を進めていった
歩いて5分ほどすると前方から額に一角を付けた兎が現れた
『ぎゃーーーっ!』
鋭い目と歯を俺に向け素早く走ってきた
「術式展開 魔弾!」
俺は腰に下げたクロスドの銃口を向け、魔弾を放ち倒した
「魔石を取るのを忘れずにな」
俺は倒した魔物から魔石を1つ確保したのだ
ちなみに階層ボスがいないダンジョンは下層にいくほど強い魔物が現れてくる
「まぁ、1階層じゃ、余裕なんだよね」
45階層までは攻略マップが公開されているのでその通りに進みあっという間に15階層まで辿りついた
「ふぅー。ここまで角兎に白狐がメインで出てきたな」
おかげでキューブ内は魔石と白い毛、ルビーアイが大量であった
「俺の性格上1階層を隅々まで回りたいんだけど10日で攻略しないといけないからすこし急足になっちゃうな」
まぁ、これは致し方ない。
15階層までは3時間程で到着したので進みとしては御の字である。
「このペースなら1日あれば40階層までは余裕かもな」
俺はこれまでの魔物の遭遇率を考えると少し休憩しても問題ないと思った為、キューブ内から水筒とコーヒースティックとティーカップを取り出した
ティーカップにコーヒーの粉を入れ、水筒の中のお湯を注ぎ即席でコーヒーを入れた
壁にもたれて座ると入れ立てのコーヒーを口を尖らせてフーフーと冷ましながらスゥッと飲んだ
「ふぅーーー、生き返る。久しぶりに1人でダンジョンに入った気がするけど、やっぱり1人の方が落ち着くものだな。階層転移がないダンジョンは2回目だからな。寝る時どうしようかな」
俺は自分で入れたコーヒーが美味しかったからか長舌に独り言を言っているともたれかかっていた後ろの壁から音が聞こえてきた
「……ぁーーー……」
「ん?なんだ?」
俺は首を振り辺りをキョロキョロと見た
「…ゃぁーーー…」
「どんどん近くなっている?」
「…きゃーーーー!!!!」
すると突然後ろの壁から穴が空き女の子の悲鳴と共に何かが俺の背中へと直撃した
そして俺は壁から現れた何かの下敷きになり地面に押さえつけられていたのだ
「いててて。おい!ちょっと!!」
俺は攻撃をされてないことから魔物ではないと思い話しかけた
「きゃっ!!ご、ごめんなさい!」
先ほど聞いた悲鳴と同じ声の女の子は俺の上からすぐに退いた
「まったく。君は?」
俺はすぐに立ち上がるとその子の方を向き言った
「初対面で踏み潰しちゃってごめんなさいっ!私は真菰って言いますっ!」
真菰は灰色の長い髪の毛をツインテールにし、灰色のワンピースと黒くぴちっとした革ジャンを着ていた。足には長い茶色のブーツを履いている。
千冬並みに可愛い子だな…
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