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身内の世話に疲れた俺が選んだのは学園のお姫様と家族になることでした ~姫との甘々な家庭は想像以上に最高です~  作者: 鉄人じゅす
間章

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058 練習

 文化祭の始まりまで2週間を切り、バンドグループの練習に精が出る。

 バンド名は片桐シスターズとか燐音ラバーズとかわけわからんことを平原さんが口に出したが結局無難な名前で申請を出すことになった。


 曲数は3つ。

 誰もが知ってる大人気アイドルグループ、シャイニングガールズの曲を大胆にアレンジしている。俺は元々、編曲は得意で朝也のプログラムや夜華の振り付けなんかも手を出していた。

 夜華が所属しているシャイニングガールズの楽曲の編曲も俺が手伝ってたんだぜ。俺が編曲したらYouTube の再生数がのびたなどなんだの。

 名義は母さんだったから全部利益はそっちに行っちゃったったんだよな。

 ま、隠れてオリジナル曲出して広告収入得ているのは秘密だったりする。


 姫乃のピアノ伴奏に吹奏楽部二人のトランペットを目立たせて、他の楽器の音も加えさせる。

 これでアレンジに鈴華の歌ごえとダンスを加えたらめちゃくちゃ映えるだろうな。

 久しぶりに本気出しちまったよ。やっぱりやりたくてやる仕事は楽しいな。


 そして今日は追い込みデーでゲストを呼びつけた。

 集合場所はばれると騒ぎになってしまうのでとあるスタジオの中となっている。


「はぁ……久しぶりのオフだったのに」

「悪いな夜華」


 憎まれ口を叩くのは大人気アイドルで妹の夜華。今はその控え室に変装した夜華と俺だけがいる。

 鈴華の上達をプロの視点から見て欲しかったのだ。まぁ、俺が気軽に頼めるツテがここしかなかったのが大きい。


「来てくれるとは思わなかったよ。正直、断られると思ってからな」

「まぁね」


 夜華は罰の悪そうな顔をする。


「いつも燐くんの願いばかり聞いているのに夜華さんは燐くんのお願いを聞いてあげないんですかって言われてね」

「姫乃かぁ」


「それ言われると何も来るしかないじゃん! あとなんか姫乃性格きつくなってない? 皮肉の練度が上がってるんだけど」

「毎日の皮肉ってるからな。ちなみに相手は俺じゃないぞ」


「その人泣くんじゃない?」

「そう思うだろう。確かにその場は落ち込むんだけど、3歩歩いたら忘れるからすぐに復活するんだ」

「その子、ヨルカと合いそうね」


 夜華も高圧的だからな。言い返せる姫乃とかすぐ忘れる鈴華と相性がいいのかもしれない。

 夜華を着替えさせて、スタジオへと連れていく。


「言っておくけど今日1日だけだからね」

「分かってる。そのつもりだ」


 スタジオへの扉を開くとバンドメンバーが勢揃いしていた。


「わー、本当に芸能人だ。燐音っちすごいね」

「夜華さん、お久しぶりです」


「ひっさしぶりー。ちょくちょく連絡取り合ってたから久しぶりの感ないけどね。それで……そっちの子がヨルカのファンだという」

「あばばばばばばば」


 すでに鈴華がバグっていた。


「初めましてヨルカよ。ファンと言ってくれて嬉しいわ。よろしくね」


 そして大人な対応! ちなみに夜華は普通に中学2年生だ。


「ヨルカのファン、こういう子多いし。後でサインをあげるわ」

「家宝にしましゅううううう」


 幕末から続く名家、片桐家の家宝が妹のサインになるのかよ……。


「えっと、その……片桐鈴華と言いましゅ! その……燐のその……奥さんですぅ!」

「ぶふっ」


 思わず吹いてしまった。


「へぇ、お兄ちゃんの奥さんってことはヨルカの姉になりたいってわけか。いい度胸じゃない」

「夜華さん、この人ガチでしごいていいですからね」


 何だか夜華と姫乃が怒ってしまっている気がする。

 夜華がイライラしながらも色紙にサインをして鈴華に渡した。

 夜華は和彦の方に目を向けた。


「あなたもヨルカのサイン欲しくないの? お兄ちゃんの友達なのよね」


 さすがアイドル。男に対して積極的にファンサをしていく。一途な和彦に通用するのか。


「うん、話には聞いてたけど燐音の妹さんって凄く可愛らしいんだね」

「ま、当然でしょ。好きになってもいいけど、ヨルカアイドルだから」


「あはは、初めて見た人を好きになることはないよ」

「は、はじめて!? ヨルカはテレビで出演しまくりの大人気アイドルで曲だっていっぱい出してて」

「ごめん、僕……歌謡曲に興味がないし、テレビもほとんど見てなくて……でもこれからは応援するよ!」

「絶対応援する気ないでしょ!」


 和彦は昔から音楽に一途なんだよな。一途すぎて他は何にも映らない。正確には音楽を奏でる彼女の姿しかというべきか。

 夜華はふんとサイン色紙を和彦に渡して、次は平原さんの所へいく。さすが完全無欠のアイドル。おざなりでもファンサを忘れない。


「あなたも初めましてね。姫乃の友達だっけ。あなたの話を聞いたことあるわ」

「ほんと! 嬉しいなぁ。あたしからも一つ聞いていい?」

「仕事に関する話じゃなきゃ何でも教えてあげるわ」

「じゃあ……プロフィールにバスト76センチって書いてるけど本当はそんなにないよね。ちょっと胸触ってもいい?」

「何言ってるのこの人!?」


 答える間もなく、平原さんは夜華の後にまわって胸に手を入れる。


「なになになになに!? やだ!」

「ほぅ、これは73くらいね。そうだよね。姫乃や鈴ちゃんがデカいから勘違いするけど普通はこんなもんよね」

「くっ!」

「でも小さいからこそ大きくしがいが!」

「平原さん、妹に変なことするのやめてくれ」


 平原さんから夜華をひっぺがす。


「セクハラされた……訴えてやるぅぅ!」

「まぁまぁ」


「お兄ちゃん何なのこの人達! ヨルカに全然興味ないんだけど!」

「私は夜華さんに興味ありますよ」

「初対面の時に罵倒してきたくせに」

「生意気な旧妹を叱っただけです」


 和彦も平原さんも変わった性格してるからなぁ。

 平原さんは夜華に飽きたのか。姫乃や鈴華に近寄ってた。


「やっぱり揉むなら巨乳よね。うへへ」

「ほら鈴華さん。私の犠牲になってください」

「ちょっと押さないでよ! やだやだ!」


「練習やるぞー」


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