■第90話:山を運ぶ大巨人・デイダラボッチ! ……えっ、国造りの前に「重量物の正しい持ち方」と「ぎっくり腰予防」ですか?
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それでは、本編をお楽しみください!
【場所:天界・管理室】
「……酸っぱい!! だが、この黒酢がドロドロの血液をサラサラにしてくれるはずだ……」
神ドラマスは、イクチの脂質異常症に震え上がり、ストローで黒酢ドリンクをちびちびと飲みながらモニターを見つめていた。
画面の中では、ヒナタたちが王都から遠く離れた山岳地帯に差し掛かったところである。
「海蛇の次は、まさに『大地そのもの』が動く番だ……! 出たな、日本の国土を形作ったとされる超巨大妖怪、デイダラボッチ!!」
ドラマスは、黒酢を吹き出しそうになりながら画面を指差した。
「山をヒョイと持ち上げ、その足跡は湖になるという神話クラスの巨人! この圧倒的すぎるスケールと質量の前では、もはやヒナタの生活指導など、巨像の足元のチリに等しい!!」
【場所:人間界・王都から遠く離れた山岳地帯】
ズシンッ……!! ズシンッ……!!
大地がトランポリンのように跳ね上がり、空を覆うほどの巨大な影がヒナタたちの頭上を覆い尽くした。
雲を突き抜けるほどの巨体。その手には、なんと「本物の山」が丸ごと一つ握られている。
『ガハハハハ!! 俺様はデイダラボッチ! 今日はこの山をあっちへ動かして、ついでに足跡で大きな湖を作ってやろう!!』
巨人が一歩踏み出すたびに、大地がえぐれ、泥水が湧き出して本当に巨大な湖(水たまり)ができあがっていく。
「ひぃぃぃッ!! で、出たァァッ!! スケールが違いすぎますぞ!!」
セバスチャンが、巨大な足跡の縁でひっくり返る。
「あんな巨人が山を落としてきたら、我々など一瞬でペチャンコです!!」
『よーし、この山はここに置くとするか! よっこい……』
デイダラボッチが、腰を深く曲げて、腕の力だけで巨大な山を地面に下ろそうとした、その瞬間。
「ちょっと待って!!!」
ヒナタの、大地の地鳴りを完全に制圧する「労働安全衛生法」が山間に響き渡った。
『……ン?』
デイダラボッチは、山を中腰で抱えたままピタリと止まった。
ヒナタは、四次元リュックをドンッと置き、拡声器を取り出して巨人の腰のあたりをビシッと指差した。
「あなた!! その重量物(山)を持ち上げたり下ろしたりする時の『フォーム』が最悪です!! 膝を伸ばしたまま腰だけを曲げて持ち上げるなんて、『ぎっくり腰(急性腰痛症)』や『椎間板ヘルニア』になりたいんですか!! 重量物は【脚と臀部(お尻)の筋肉】を使って、膝をしっかり曲げて持ち上げるのが鉄則でしょう!!」
『ぎ、ぎっくり腰……!? フォーム……!?』
デイダラボッチは、中腰のままプルプルと震え始めた。
『た、確かに……最近、山を動かすたびに腰のあたりに「ピキッ」と嫌な痛みが走ることが多くて……』
「当たり前です! 軟骨がすり減ってますよ!!」
ヒナタはメガホンを持ったまま、今度は巨人の足元(ドロドロの巨大な足跡)を指差した。
「それに、その泥だらけの足跡!! どこにでもペタペタと泥をつけて歩き回るなんて、ご近所(自然環境)への配慮が全くなってません!! そんな裸足で険しい山道を歩いたら、足底筋膜炎になります!! 安全靴はどうしたんですか!!」
『あ、安全靴……!? いや、俺様は神話の巨人だから裸足で……』
「言い訳しない!! 労働災害を舐めないでください!!」
ヒナタは、四次元リュックから、オカンの不思議な魔法でサイズを大巨人用に拡張した「超特大・骨盤サポートコルセット」「超高反発インソール入りの巨大安全靴(つま先鉄板入り)」、そして「グルコサミン&コンドロイチン配合の関節サポートプロテイン」を取り出した。
「ゴズさん、安全靴の紐を結ぶの手伝って! ヴァレリアさん、コルセットを巻くために巨人の腰の周りを飛んで!!」
「ブモォッ!(おう! 現場の安全は絶対だからな!!)」
「ふむ。まさか巨人にコルセットを巻く日が来るとはな」
『な、何をするんだ……!? 俺様の国造りが……!』
「【究極の安全第一・腰痛予防プログラム】です!!」
ヒナタたちの手により、デイダラボッチの腰に「超特大コルセット」がガッチリと巻かれ、腹圧が完璧にサポートされる。そして泥だらけの足には、クッション性抜群の「巨大安全靴」が履かされた。
『おおっ……!? 腰が……腰がめちゃくちゃ軽い!! コルセットが腹圧を高めてくれて、背骨の負担が嘘のように消えたぞ!! 安全靴のおかげで、尖った岩を踏んでも全然痛くないし、足が疲れない!!』
「はい、仕上げにこれです!」
ヒナタは、ドラム缶数万本分の「関節サポートプロテイン」を巨人の口に注ぎ込んだ。
「これからは、膝をしっかり曲げて、腰を落としてから山を持ち上げること! そして、足跡(泥)はちゃんと整地してから帰ること! 安全第一ですよ!!」
『わ、わかった!! 膝を使って……こうだな!!』
デイダラボッチが、ヒナタに教わった通りの「完璧なパワーリフティングのフォーム(デッドリフトの要領)」で山を持ち上げると、腰への負担ゼロで、信じられないほどスムーズに山が移動した。
『す、すげぇ!! これなら1日に100個でも山を運べるぜ!!』
デイダラボッチは、完璧なフォームとコルセットの力に感動し、歓喜の雄叫びを上げた。
「素晴らしいフォームです! その力と安全意識を活かして、王都の『大規模インフラ整備工事(ダム建設や治山工事)』の親方として働いてくれませんか?」
『おうよ! ヒナタ監督! 俺様、これからは安全靴とコルセットを絶対に外さず、指差呼称(ヨシ!)を徹底する土木作業の親方として生きるぜ!!』
デイダラボッチは、頭に黄色い安全ヘルメット(どこからともなく取り出した)を被り、「右ヨシ! 左ヨシ! 腰ヨシ!」と指差呼称をしながら、凄まじい作業効率で山を整地していくのだった。
「……ゆ、勇者殿。神話クラスの大巨人が……『安全衛生と腰痛予防を徹底した、優秀なゼネコンの親方』になってしまいましたぞ……」
セバスチャンは、完璧に整地されていく大地を見つめながら、王国の公共事業が数百年分前倒しで完了しそうな気配に、予算の再計算を始めるのだった。
【場所:天界・管理室】
『…………』
神ドラマスは、黒酢ドリンクのグラスを静かに置いた。
『大巨人デイダラボッチが……「重量物の持ち方が悪い」「泥足で歩くな」と怒られ、コルセットと安全靴を装備した……』
『挙句の果てに、デッドリフトの完璧なフォームを習得し、指差呼称をする土木作業の親方になった……』
ドラマスは、深くため息をつくと、最近デスクワークで痛み始めていた自分の腰をさすり、通販サイトで「腰痛予防コルセット(医療用)」と「関節サポートサプリメント」をポチり、自らの正しい姿勢と腹圧の維持に全力を注ぐことを決意するのだった。
(第90話・完)
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ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!
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