■第91話:腹鼓の化け狸! ……えっ、人を化かす前に「深刻なガス溜まり」と「通貨偽造罪」ですか?
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それでは、本編をお楽しみください!
【場所:天界・管理室】
「……ゴクン。よし、関節サポートサプリメントも飲んだ。これで私の腰は完璧だ」
神ドラマスは、デイダラボッチの巨体から学んだ「関節ケア」を自らの体に施し、コルセットで姿勢を正しながらモニターを見つめていた。
画面の中では、ヒナタたちが山を越え、街道沿いの茶屋で休憩を取ろうとしているところだった。
「ほう、次は化け狸か。キツネと並ぶ、人を化かす妖怪の双璧!」
ドラマスは、サプリのケースを置いてニヤリと笑った。
「葉っぱを小判に変えて人間を騙し、夜な夜なポンポコと腹鼓を打って人を化かす愛嬌のあるバケモノ。だが、その幻術は本物だ! 物理的な巨体や油と違い、人間の『欲』と『認識』を狂わせるこの狸の術に、ヒナタの物理ド正論が通用するとは思えん!!」
【場所:人間界・街道沿いの寂れた茶屋】
「ふぅ、よく歩きましたね。この茶屋でお団子でも……ん?」
ヒナタが茶屋の縁台に座ろうとした時、不自然に大量の「小判」が落ちているのに気づいた。
「おおっ! ゆ、勇者殿! 大金ですぞ! これだけあれば王国のお城がもう一つ建ちます!」
セバスチャンが目を輝かせて小判に飛びつこうとする。
『ポンポコポ〜ン! 引っかかったな人間どもォ!』
その時、茶屋の奥から、頭に大きな葉っぱを乗せ、異様に腹のせり出した「巨大なタヌキ」が二本足で歩いて現れた。
『俺様は化け狸! その小判は俺様の幻術で「落ち葉」を変化させたものだ! お前たち人間は、偽金に踊らされて路頭に迷うがいい! ポンポコポンッ!』
狸が、自慢の大きく膨らんだ腹を両手でリズミカルに叩き始めた。
「ひぃぃぃッ!! で、出たァァッ!! 人を騙す化け狸ですぞ!!」
セバスチャンが、手にした小判がただの枯れ葉に戻ったのを見て悲鳴を上げる。
『さあ、この腹鼓の音で幻覚に落ちろ……ポンポコ……』
タヌキが腹を強く叩こうとした、その瞬間。
「ちょっと待って!!!」
ヒナタの、狸の腹鼓を完全に打ち消す「胃腸科クリニック&経済犯罪捜査班」が響き渡った。
『……ポン?』
タヌキは、両手を腹の横で止めたまま固まった。
ヒナタは、四次元リュックをドンッと置き、鬼の形相でタヌキの膨らんだ腹をビシッと指差した。
「あなた!! そんなにお腹がパンパンに張っているのに、外から物理的な衝撃(腹鼓)を加えるなんて正気の沙汰ですか!! それは完全に『呑気症』か、悪玉菌の増殖による『深刻な腸内ガスの溜まり(膨満感)』です!! 無理に叩いたら腸捻転を起こしますよ!!」
『ガ、ガス溜まり……!?』
タヌキは、自分の自慢の太鼓腹を見下ろし、確かに最近おならがよく出るし、お腹が張って苦しかったことを思い出した。
「大体、その落ち葉!!」
ヒナタは、地面に散らばった枯れ葉(偽の小判)を指差した。
「落ち葉をお金に見せかけて流通させるなんて、国家の信用を根底から破壊する『通貨偽造および行使罪』です!! 無期懲役レベルの重罪ですよ!! 偽札で経済を回そうとするなんて、金融リテラシーが低すぎます!!」
『つ、通貨偽造罪……!? む、無期懲役……!?』
タヌキは、ヒナタの口から飛び出したガチの刑法用語に震え上がり、乗せていた葉っぱを頭から落とした。
「今日から、徹底的な『腸内環境の改善』と『正しい金融知識の勉強』を行います!!」
ヒナタは、四次元リュックから、「高濃度・乳酸菌整腸薬(ビフィズス菌配合)」「お腹を温めるオーガニック腹巻き」、そして「日商簿記検定3級のテキストと電卓」を取り出した。
「ゴズさん、タヌキが逃げないように押さえてて! ヴァレリアさん、白湯を沸かして!!」
「ブモォッ!(おう! 腹の張りを治してやるから大人しくしてな!)」
『な、何をするポン……!? 俺様の幻術が……!』
「【究極の腸活&ファイナンシャル・プランニング】です!!」
ヒナタは、まずタヌキに「乳酸菌整腸薬」を白湯で飲ませると、その巨大な腹に「特製腹巻き」をスッポリと被せた。そして、タヌキを仰向けに寝かせると、時計回りに優しく「腸もみマッサージ」を開始した。
『アォォォ……! なんか、お腹の奥の方でゴロゴロ鳴ってるポン……。ヒナタの手が温かくて、張って苦しかったお腹がスゥーッと楽になっていくポン……』
ブボォォォォォォッ!!!
数分後、タヌキの体から凄まじい音と共におびただしい量の腸内ガスが排出され、風船のように膨らんでいた太鼓腹は、スッキリとした健康的なスリム・ボディ(タヌキ比)へと劇的な変化を遂げた。
『ポ、ポン……!? お腹が……お腹がめちゃくちゃ軽いポン!! これならいくら走っても苦しくないポン!!』
「はい、お腹がスッキリしたら、次はお勉強です!」
ヒナタは、スリムになったタヌキの前に「簿記3級のテキスト」と「電卓」をドンッと置いた。
「お金は幻術で作るものじゃありません! 貸方・借方をしっかり理解して、真面目に帳簿をつけて稼ぐものです! さあ、仕訳の練習から始めますよ!!」
『し、仕訳……!? 資産の増加は借方……ポン?』
タヌキは、スッキリした頭(と腸)でヒナタのスパルタ簿記講座を受け始めた。もともと幻術で緻密な計算ができるほど頭の回転が速いタヌキである。またたく間に複式簿記の仕組みを理解し、電卓を猛スピードで弾き始めた。
数ヶ月後。
そこには、人を騙す腹の出た妖怪の姿はなかった。
スッキリとしたお腹にスタイリッシュな腹巻き(スーツのベスト風)を身につけ、銀縁メガネをかけて高速で電卓を叩く「超・凄腕の公認会計士タヌキ」が、王都の商人たちの財務コンサルティングを一手に引き受けていた。
『フフフ……。社長、ここの経費計上は税法上アウトですポン。幻術(粉飾決算)で誤魔化そうとしても、私の目は誤魔化せませんよポン』
タヌキは、電卓をターン!と弾きながら、真面目な顔で商人に指導を行っていた。
「……ゆ、勇者殿。人を化かす化け狸が……『粉飾決算を絶対に許さない、腸内環境バッチリの公認会計士』になってしまいましたな……」
セバスチャンは、王国の税収がタヌキのおかげで劇的に上がっている決算書を見つめながら、深く感服していた。
【場所:天界・管理室】
『…………』
神ドラマスは、無言で自分の腹をさすった。
『化け狸が……「腸内ガスの溜まり」と「通貨偽造罪」を指摘され、腸もみマッサージを受けた……』
『挙句の果てに、簿記をマスターして公認会計士になった……』
ドラマスは、もはや幻術すら「経済犯罪」として処理されるヒナタのロジックに完全敗北を悟り、通販サイトで「乳酸菌サプリメント(お徳用)」と「初心者向け・資産運用の本」をポチり、自らの腸内環境と天界の予算管理を根本から見直す決意を固めるのだった。
(第91話・完)
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ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!
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