表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
70/99

■第70話:巨大妖怪・大入道! ……えっ、恐怖の巨人に「頭皮の保湿」と「眼精疲労のケア」ですか?

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


【場所:天界・管理室】

「……来た。ついに、物理的な『絶望』が来たぞ」


神ドラマスは、自室の窓ガラスを重曹水でピカピカに磨き終えた後、再びモニターの前に座り直した。

画面の中では、王都の城壁の外から、山のように巨大な影がヌゥッと立ち上がろうとしていた。


「見上げるほどの巨体、人々を狂気に陥れる血走った巨大な眼球! 妖怪・大入道おおにゅうどうだ!!」


ドラマスは神の杖を両手で握りしめた。


「大入道は、その巨大な足で建物を踏み潰し、見下ろされた者は恐怖で気を失うという大妖怪! 洗濯や風呂掃除などという小手先の家事スキルが通用する相手ではない! ヒナタよ、今度こそ、今度こそ勇者の剣を……!!」


【場所:人間界・王都の城壁の上】

ズシン……、ズシン……!!

王都の地面が、局地的な地震のように揺れていた。

大浴場をピカピカにして一息ついていたヒナタたちが城壁へ駆けつけると、そこには月明かりを遮るほどの巨大な妖怪が立っていた。


『グォォォォォ……!!』

筋骨隆々の巨体、そして不気味に輝く巨大なツルツルの坊主頭。

大入道が、城壁の内側を覗き込むようにして、血走った巨大な眼球をギョロリと動かした。


「ひぃぃぃぃッ!! で、出たァァッ!! 超巨大な妖怪ですぞ!!」


セバスチャンが腰を抜かしてひっくり返る。


「あのような巨体に踏み潰されれば、王都など一溜まりもありません!!」

『人間どもよ……。俺様の恐ろしい姿を見て、恐怖に顔を引き攣らせ、絶望のままに死んでいくが……』

「ちょっと待って!!」


大入道が名乗りを上げようとした瞬間。

ヒナタの、またしても大浴場(あかなめ戦)の時と同じ「ガチのダメ出しトーン」が響き渡った。


『……ん?』


大入道が、巨大な顔をヒナタに近づける。

ヒナタは、城壁の縁ギリギリまで身を乗り出し、大入道の顔面(特に目と頭頂部)を指差して叫んだ。


「あなた! 目が真っ赤に血走ってるじゃないですか!! 最近、寝不足ですか!? スマホ……じゃなくて、暗いところで本でも読んでるんですか!?」

『……は?』

「それに、その頭!!」


ヒナタは、月明かりに照らされた大入道の「巨大な坊主頭」をビシッと指差した。


「坊主頭を甘く見ちゃダメです! 髪の毛がない分、直接外気に晒されて、頭皮の水分がどんどん奪われてるんですよ! 見てください、乾燥してフケが吹いて真っ白じゃないですか!!」

『えっ……? ふ、粉……?』


大入道は、思わず自分の巨大な頭頂部をペタペタと触った。


「その血走った目は『眼精疲労』! そして頭は重度の『ドライスキン』です! そんな不健康な状態で夜更かしして暴れ回るなんて、オカンが許しませんよ!!」


ヒナタは、四次元リュックから、特大の「オーガニック・スカルプローション(高保湿)」と、お湯でホカホカに温められた「巨大な蒸しタオル」を取り出した。


「ゴズさん! 僕をあの人の頭の上まで投げてください!」

「ブモォッ!(おうよ! 吹っ飛べ勇者ァ!)」


ゴズがヒナタを全力で放り投げ、ヴァレリアが風魔法で軌道を微調整する。

ヒナタは、見事に大入道の巨大な頭頂部へと着地した。


『な、何をする気だ貴様ァッ!! 妖怪の頭に勝手に……』

「【極上・ヘッドスパ&アイケア】!!」


ヒナタは、大入道の血走った両目に「巨大なホカホカ蒸しタオル」をバサァッ!と被せた。

そして同時に、頭頂部にたっぷりの保湿ローションをかけ、全身の体重を乗せて「頭皮のツボ押しマッサージ」を開始した。


『ギャァァッ!? なんだこれは、目が……目がァァッ……』


大入道が暴れようとするが。


『……目が……じんわり温かくて……血流が良くなっていく……。おまけに、頭皮の百会ひゃくえのツボが……ギューーッと……』

「はい、痛気持ちいいところで止めますよー! 頭皮がカチカチに凝り固まってますね! これじゃあ血の巡りが悪くなって、目も疲れるわけです!」


ヒナタは、職人のような手つきで、大入道の巨大な頭皮を揉みほぐしていく。


『あぁぁぁ……。そこ……そこの凝り、何百年も取れなかったんだよぉ……。はぁぁ……極楽、極楽……』


大入道は、もはや抵抗する気など微塵もなくなり、城壁に寄りかかるようにしてドスーンと腰を下ろした。


蒸しタオルの温かさと、ヒナタの絶妙なヘッドマッサージにより、恐怖の大妖怪の顔面は、完全に「高級スパで骨抜きにされたおじさん」のそれになっていた。


『うむ……。髪がないというのは、あれはあれで手入れが大変なのだな……』


城壁の下では、魔王がなぜか感心したようにウンウンと頷いている。


数分後。

マッサージを終えたヒナタが飛び降りると、そこには、血走っていた眼球が嘘のように澄み渡り、頭皮がピカピカ・ツヤツヤに輝く大入道の姿があった。


『……フゥーッ。なんという爽快感……。頭が羽のように軽い……。視界もクリアだ……』


大入道は、城壁越しに深く頭を下げた。


『人間の勇者よ、かたじけない……。最近、肩こりと目の疲れでイライラして、つい夜暴れ回ってしまったのだ……。今日はこのまま、ぐっすり眠れそうだよ……』


大入道は、ツヤツヤの頭を撫でながら、大あくびを一つして、そのまま森の奥へと平和に帰っていった。


「おやすみなさーい! 乾燥する季節は、お風呂上がりの保湿を忘れないでくださいねー!」


ヒナタがニコニコと手を振る。


「……ゆ、勇者殿。あの大怪獣が……ツヤツヤのお肌になって帰っていきましたぞ……」


セバスチャンは、もはやツッコミを入れる気力も使い果たし、ただただ遠ざかる巨体を見送っていた。


【場所:天界・管理室】

『…………』


神ドラマスは、そっとモニターの電源を落とした。


『大入道が……「眼精疲労」と「ドライスキン」を指摘されて、ヘッドスパで浄化された……』

『「乾燥してフケが吹いてる」って……大妖怪の尊厳をなんだと思ってるんだ……』


ドラマスは、深くため息をつくと、引き出しから「ホットアイマスク」を取り出し、自分自身の眼精疲労を癒やすために、静かに眠りにつくのだった。

(第70話・完)


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!


ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!


皆様からの応援トラフィックが、毎日の更新の最大のエネルギーになっています!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ