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■第64話:いざ王都へ出発! ……えっ、ロック鳥の巣の「抜き打ちお掃除チェック」ですか?

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


【場所:天界・管理室】

「……飛んだ!! ついに飛んだぞォォォッ!!」


神ドラマスは、モニターの前で神の杖を振り回し、歓喜の涙を滝のように流していた。


画面の中では、勇者一行を乗せた伝説の巨大魔獣・ロック鳥が、魔王城から大空へと力強く羽ばたいていた。


「焼き芋パーティという最大の試練(寄り道)を乗り越え、ついにヒナタが王都へ向かった! 待っていろ妖怪ども! 今から光の勇者が、お前たちを聖剣で浄化しに行くぞ!!」


ドラマスは、最終決戦用の「壮大な飛翔BGM」を天界のスピーカーから大音量で流した。



【場所:上空・ロック鳥の背中の上】

「いやぁ、空の旅は最高ですね! 風が気持ちいい!」


ヒナタは、ロック鳥のふかふかの羽毛に埋もれながら、ピクニック気分で眼下の景色を眺めていた。


「勇者殿! このまま全速力で王都へ向かえば、夕方には到着しますぞ!」


セバスチャンが、風圧に耐えながら(そしてようやく進んだ本筋に感動して泣きながら)叫ぶ。


「王都を包むあの不気味な妖気……! 妖怪どもの百鬼夜行が始まる前に、なんとか間に合いそうです!」

「ブモォッ!(俺の斧で、妖怪とやらを叩き割ってやるぜ!)」

「ふむ。東洋の妖魔か。剣の斬り甲斐がありそうだな」


ゴズとヴァレリアも、すっかり戦闘モードに入っている。

その時だった。


「あ、ロック鳥さん」


ヒナタが、ロック鳥の巨大な首筋をポンポンと叩いて言った。


「王都に行く前に、ちょっと『あなたの巣』に寄り道していい?」

『……ピギッ?』


ロック鳥が、首だけを器用に曲げてヒナタを見た。


「あのね、前にあなたの背中をブラッシングした時、『巣も定期的に掃除して、風通しを良くしないとダニが湧くよ』って教えたよね?」


ヒナタの目が、スッと細くなった。完全に「オカンの目」である。


「本当にちゃんと掃除できてるか……抜き打ちチェックしに行きます!!」

『ピ、ピギィィィィッ!!?』


ロック鳥が、上空でビクゥッ!と痙攣し、羽ばたきのリズムを完全に崩した。

伝説の魔獣が、明確に「冷や汗」を流している。


「ゆ、勇者殿!? なぜこの緊急事態に、鳥の巣の衛生管理を!?」


セバスチャンが白目を剥く。


「セバスチャンさん、鳥の巣って、抜け落ちた羽とか、食べカス(魔物の骨)とかが溜まって、意外と不衛生なんですよ! 王都に行く前に、しっかり指導しておかないと!」

「いや、後で! 王都を救った後で指導してくださいィィッ!!」


しかし、ヒナタの「オカンの圧力」に逆らえる者など、この世界には存在しない。


ロック鳥は、ヒナタのプレッシャーに耐えきれず、悲鳴のような鳴き声を上げながら、王都とは真逆の方向(険しい岩山の頂上)へと急旋回した。



【場所:岩山の頂上・ロック鳥の巣】

バサバサバサッ!

ロック鳥が、自分の巨大な巣にそーっと着陸した。


「さーて、どうなってるかな……」


ヒナタが、腕を組んで巣の中に足を踏み入れる。

そこは、巨大な木の枝を編んで作られた立派な巣だったが……。


「……ロック鳥さん?」


ヒナタの声が、地を這うように低くなった。


『ピッ……』


ロック鳥は、巨大な翼で自分の顔を隠し、岩の陰に小さく(※全高10メートル)縮こまった。


「こ・れ・は、何かな?」


ヒナタは、巣の隅に山積みになっていた「食べかけの巨大オークの骨」や、「大量の抜け落ちた羽毛」、さらには「いつからあるのか分からない泥の塊」をビシッと指差した。


「ご飯を食べたら、骨はちゃんと外(崖の下)に捨てるって言ったよね!? こんなに溜め込んだら、臭いもつくしハエが来るでしょ!」


ヒナタの説教が岩山に響き渡る。


『ピギィ……(だって捨てるの面倒くさかったんだもん……)』


ロック鳥が、申し訳なさそうに視線を逸らす。


「言い訳しない! ほら、そこの羽毛も! 湿気で少しカビ臭くなってるよ! これじゃあ、夜寝る時も気持ちよく眠れないでしょ!」


ヒナタは、四次元リュックから、特大の「竹ぼうき」と「ちりとり」を取り出した。


「王都に行くのは後回し! 今から『巣の徹底大掃除(断捨離)』を始めます!!」

「お、王都が……王都が後回しにされたァァァッ!!」


セバスチャンが、鳥の巣のど真ん中で膝から崩れ落ちた。


「ヴァレリアさん、そこの大きな骨を崖下に投げ捨ててください! ゴズさんは、新しい木の枝と、寝心地の良さそうな干し草を集めてきて! ネムリネは……その辺の石の上で寝てて」

「……ん。おやすみ」


ヒナタの的確な(お掃除の)指示が飛び交う中、ロック鳥も泣きながら(文字通り泣きながら)、自分の巨大なクチバシで巣のゴミを外にポイポイと捨て始めた。


伝説の魔獣と勇者一行による、終わりの見えない「年末の大掃除」が、初夏(?)の岩山で幕を開けたのである。



【場所:天界・管理室】

『…………』


神ドラマスは、流していた「壮大な飛翔BGM」のレコードを、自らの手でパキリと真っ二つに割った。


『「抜き打ちお掃除チェック」ってなんだよ……』

『妖怪の百鬼夜行が……「鳥の巣のダニ対策」に負けた……』

『この勇者……「自分の生活圏(移動手段含む)」が綺麗にならないと、絶対に世界を救いに行かない気だ……』


ドラマスは、もはや涙も枯れ果て、引き出しから「お掃除用コロコロクリーナー」を取り出し、無心で管理室の床のホコリを取り始めるのだった。

(第64話・完)


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!


ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!


皆様からの応援トラフィックが、毎日の更新の最大のエネルギーになっています!


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